野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

動く大地 谷中分水界と河川争奪(生きている由良川より)

2023-04-14 | 由良川

谷中分水界と河川争奪(生きている由良川より)

山に雨が降ると、稜線を境として、雨水は互いに反対方向に流れていきます。雨水が集まると川の源流となります。その先の稜線の反対側にも、別の源流があります。稜線を境として、それぞれの源流は別の川の始まりとなるのです。それぞれ別々の川の始まりが接する点を分水界といいます。また、分水界が山脈である場合には、分水嶺(ぶんすいりょう)と呼びます。

 

 降った雨が、太平洋側と日本海側とを分かつ分水界を、中央分水界といいます。 一般的に、中央分水界の標高は1,000m~3,000mあり、本州の背骨になる山脈が分水界となっています。

分水界はたいてい高い山々の尾根にあります。

 中央分水界は日本列島の北から南までつながっているので、この線を境に気候はもちろん、動物、植物の生態も特徴的なものになっています。

 

 分水界が谷の中にできると谷中分水界(こくちゅうぶんすいかい)といいます。谷の中に流域の境界ができるのは、河谷の一部に隆起などの地殻変動が起こった場合や、「河川争奪」という川が流域を奪い合う現象が生じた場合に形成されるのです。

 

 

 

 由良川には谷中分水界が、6カ所あります。

 

石生分水界          

本州の背骨(中央分水界)で最も低い分水界です。

兵庫県氷上(ひかみ)町石生(いそう)に、標高約95mの中央分水界。

一方は由良川に流れ日本海へ、もう一方は加古川にながれ瀬戸内海へと流れ下ります。

 

栗柄分水界          

兵庫県篠山市栗柄(くりから)に、複雑な地形の谷中分水界があります。

篠山川、加古川を経て瀬戸内海へ、もう一方は大きく向きを変えて滝の尻川、竹田川、由良川を経て日本海へ注いでいます。

 

胡麻分水界          

高屋川と大堰川水系との争奪になった分水界です。

京都府船井郡日吉町胡麻新町に、由良川水系の畑郷川と淀川、桂川水系の胡麻川との幅700mにも及ぶ平坦な谷中分水界があります。一方は、淀川を経て太平洋へ、もう一方は由良川を経て日本海へ注いでいます。

 

夜久野高原の分水界          

田倉山の溶岩流によってできた分水界です。

京都府天田郡夜久野町平野、兵庫県朝来郡山東町夜久野ケ原、兵庫県朝来郡和田山町に標高約200mの谷中分水界。田倉山が買って噴火したときの火山活動で分断されたと考えられています。

 

上杉の分水界      

八田川と伊佐津川を分ける分水界。

京都府綾部市上杉町ある、標高約100mの谷中分水界。

八田川は由良川へ、伊佐津川は舞鶴湾へ北流します。

 

井尻の分水界      

土師川と高屋川を分ける分水界。

由良川支流・土師川の最上流部の井尻川と支流高屋川の上流・曽根川が、標高200mの瑞穂町井尻の地で谷中分水界となっています。


生きている由良川 竹田川編

2018-07-26 | 由良川

生きている由良川==竹田川編==

竹田川は多紀連山の北麓の栗柄峠に端を発し、三井庄川と合流して北流する。

さらに七日市辺りで黒井川と合流して市島町を越えた辺りで土師川と出合い、さらに北進して由良川となる。

高低差が小さい緩やかな流れである。

並行して走る国道175号線は「水分かれ街道」と呼ばれている。2つの重要な分水界を持っていることから名付けられた。
石生の分水界と栗柄の分水界は、ともに由良川(日本海)と加古川(瀬戸内海)の分水界であり、特に石生の分水界は標高95mで日本一低い中央分水界である。

野村断層
丹波市黒井地区にある断層。丹波市指定(春日町指定:昭和44年8月31日)天然記念物の野村断層。
説明には「断面層はチャートからなり、 走は南北線より26度西に向き、傾斜は65度東へ傾いている。破砕帯の幅は 20m以上で美しい鏡肌をもち断層面の南西側につづいている。その部分は著しく 破砕されているが粘板岩・砂岩からなる。この部分は脆くなっており激しく侵食された結果断層面があらわれたものである。断層の運動量は不明だが、破砕帯の幅からみるとかなり大きいと思われる。 <春日町の文化財より>」
チャートの層がきれいに出ている。

七日市遺跡
竹田川の西岸の埋没段丘と扇状地に位置する。当遺跡から直線距離で北の由良川河口まで40km、南の加古川河口まで55kmで、氷上回廊のほぼ中間点であり2つの河川の結節点にある旧石器時代の遺跡である。遺跡の範囲は10万㎡以上で日本でも最大級で、約25000年前姶良丹沢火山灰を堆積させた火山灰層の下位層より石器類が出土した。姶良丹沢火山噴火前にはナウマン象の群れが氷上回廊を移動していたと見られ、
それを追って旧石器人は狩猟をしていた様子がうかがえる。主な石器は、国府型ナイフ形石器、局部磨製石器であり、大型動物と中小型動物(鹿、猪など)が同時に存在していた様子が推測される。

丹波大納言小豆発祥の地
丹波市春日町東中が丹波大納言小豆の 発祥の地。「大納言小豆」の由来は、 大納言は殿中で抜刀しても切腹しない ですむということから、「煮ても腹が 割れない小豆」より名付けられた。
黒井城址
 黒井城は保月城とも呼ばれ、八上城と並び戦国期の丹波の名城である。織田信長の丹波攻略に、八上城と共に頑強に抵抗し、天正3年明智光秀の大軍に、城主赤井直正は奮闘善戦した。しかしながら直正病没後、この直家も抵抗を続けたが天正7年8月9日、黒井城は落城した。これを皮切りに丹波は明智光秀によって平定されていく。この黒井城は標高375mの猪ノ口山全体が要塞化され、山頂付近に本丸、二の丸、三の丸、東曲輪等の連郭式、階段状に配置されている。今も往時の面影が偲ばれる。

 


環境会議

2008-05-20 | 由良川
国際環境大臣会議のイベントへの応援参加おねがいします
NPO・NGO交流の広場 分科会概要

 環境NPO・NGO交流の広場「分科会」
-「市民から動く、地域から変える 環境に配慮した社会経済の仕組みとライフ スタイル」- 
地球温暖化を始めとする環境の危機にどう対処するか?そのために政治や経済 の仕組みを変えていくことが必須です。でも、その大きな変革も、私たち市民一人一人がどう考え、暮らしていくか、地域がどう取り組むかの変革なしにありえないことです。世界の政治や社会の大きな仕組みを左右するG8で、脱温暖化の持続可能な社会に向けてリーダーに舵を切ってほしい。そのために、国内の多様なレベルで活動するNGO・NPO、市民一人一人が持っている力や小さな行動の意味を認め合い、共有しながら世界に向けて行動を起こしましょう。
そうすればきっと世界は動く。Think locally,Act globally 
 
 ★本分科会のねらい
  ①地域の環境課題(自分の活動)を地球規模の視点で捉えなおす
   (自分達の取組をグローバルなポジションに)
  ②地域の取り組みを加速・促進していくために何をすべきか(仕組みや制度)
  ③地域(兵庫)から環境分野で何を発信していくか
  *おまけ:NGO/NPO同士の「連帯感・連帯意識」を高める

 (2)日時・場所
   2008年5月24日(土)10:30~17:00
   神戸学院大学ポートアイランドキャンパス内 B201、B205、B206講義室
   各部屋の収容人員:B201講義室:320人(全体会と気候変動分科会)
            B205講義室:81人(3R分科会の予定)
            B206講義室:93人(生物多様性分科会の予定)

(4)全体のタイムスケジュールと場所等
時間 内容 場所 演者等
10:30 (40) 基調講演「地域から始める真に豊かで持続可能な低炭素社会づくり -NGO・NPOの役割-」 B201講義室 NPO環境市民・本
11:10 (10) 分科会会場へ分散 ―
11:20 (20) 国際シンポでの各分科会での成果等にかかる解説 各会場 各分科会
コーディネーター
11:40 (30) ①分科会 団体による口頭発表(3団体)ここで野生生物を調査研究する会が発表します
各会場 発表団体
12:10 (20) 質疑応答
12:30 (60) 昼食 ―


第1回ナチュラリストクラブ

2008-04-05 | 由良川
阪神間ではサクラ満開。きょう第1回ナチュラリストクラブ「花見も・・・」ということで、JR福知山線南矢代駅から藍本駅までの約8キロのサクラ堤の観察会をおこないました。ところが、下流部では先に述べたように満開の桜が武庫川源流部ではまだつぼみ堅し。早春の堤の観察会でした
土手には、ツクシがヨモギが、ヤブカンゾウがと夕食の食材がいっぱいの観察会となりました。
今日一日ご苦労様でした。

ナチュラリストクラブ 今年度最後に環境問題

2008-02-17 | 由良川
今年度最後のナチュラリストクラブが宝塚市東公民館でおこなわれた。
今日は年度末の総会と記念講演として「地球温暖化の諸問題」ということで講演を今西氏よりいただいた。
総会は、来年度の計画予算が決定され、4月より新規の活動が始まる。
詳しくはナチュラリストクラブのホームページにてごらんください。
温暖化については、まずゴアさんのビデオを見て、共通理解。そのあとお互いに環境についての話し合いをおこなった。
地球規模でありながら、少しでも私たちが取り組めることは何かというところで時間となった。後は日頃もう一度自分たちの生活を見直し、個人がどうするか
また、多くの人とどう連携するかなど今後の課題となった。

六甲森林植物園野鳥観察

2007-11-11 | 由良川
今年はまだ紅葉がはじまったばかりの森林植物園での野鳥観察
きょうは、観察会がかさなってなかなか場所取りが大変でした
それにくわえ、休日の人の多さ、野鳥の観察のとなりで
紅葉を見に来た見学者の声に鳥を息を凝らしてみている空気が
思わず切れるという場面のもしばしありました。
こんなに多いとはつぶやいたのは年パスを持っている講師の声
明日はことしの北風いちばんがやってくるとか
小春日和の観察会でした

秋の里山

2007-11-05 | 由良川
りんどう あきのきりんそう やまらっきょう せんぶり 
秋の花が咲いていました。
リンドウやヤマラッキョウがさくと今年の花の撮影は終わり
来年までしばしの休みとなります
きょうの保全活動は東の斜面を中心に
これまで果樹を植えたところはさすがに草の伸びるのも
よわくなってきました。
山は少し紅葉がみられ、いよいよ秋本番になります。

「生きている大和川」法隆寺編

2007-09-23 | 由良川
お彼岸なのに残暑が厳しい。今日はナチュラリストクラブが大和川での学習。
まずは事前学習では法隆寺にまつわる話、聖徳太子、そして竜田川との関係など
そして、きょうはJR王寺駅から歩いて法隆寺までの観察会をおこないました。
昨日よりはましとのこえなか、しっかりと歩いて学習。最後は近道をしてJRやまとこいずみで解散しました。
詳しくはナチュラリストクラブのページへ

宝塚子どもナチュラリストクラブ

2007-05-21 | 由良川
今月19日、今年度第1回目の宝塚子どもナチュラリストクラブがありました。そのときに、見つけたのがこれ。
ホタルガの幼虫です。
正確にはシロシタホタルガの幼虫です。
この幼虫には体液に触れると炎症を起こす毒を出すので要注意

サケの放流

2007-03-10 | 由良川
きょうサケの放流が由良川でありました。「サケのふるさと由良川を守る会」によりますと、今日の放流は2万匹とのこと。10cmほどの稚魚を200名ほどの参加者が福知山の音無瀬橋から放流しました。
今回は、「生きている由良川」の制作の一端で、取材しました。
4年から6年後にもどってくるそうです。
画像は放流したサケの稚魚です。去年の11月に採卵したものだそうです。