ただいま北上中 タイワンウチワヤンマ
環境省が「いきものみっけ2017」の調査で、【カテゴリー2】で「北上するいきもの(もともとの分布域から北に分布を広げているいきもの)」として、 クマゼミとツマグロヒョウモンを対象種にして実施しました。
実はこれ以外でも、北上する生き物のひとつにタイワンウチワヤンマがいます。
タイワンウチワヤンマは、ネパール、インド、ミヤンマー、ラオス、ベトナムなどの東南アジア地域から、中国東部,台湾から日本にいたる地域に分布しています。
日本では詳しくみると、1930年代までは、九州南部(南西諸島を含む)と四国南部でしか確認されていない種でした。
画像は「生きている加古川」の本から、兵庫県加古川流域でみつけたタイワンウチワヤンマです。
阪神間でも見つかっています。2000年ごろには加古川流域から阪神間にかけて見られるようになってきたようです。
2020年代以降は東京都や神奈川県でも発見されるようになりました。日本での北限があがっていることがわかります。
成虫は4月から11月に見られます。成虫になるまでのヤゴの期間は1年から2年で水の中ですごします。温暖化の影響で冬期の気温上昇が、ヤゴの越冬を北の方でも生きていけるようになったと考えられます。
日本には、このタイワンウチワヤンマとよく似た、ウチワヤンマがいます。
お尻の先のウチワの形で見分けることができます。
まだ生きていましたが、既に文字通り虫の息。恐らく車に衝突してしまったのかと拝察します。
素人なので、ウチワがついてるから多分ウチワヤンマだよなぁと気にも止めず、でも以前観たことのあるウチワヤンマと何だかちょっと違う印象だ。雌雄で違うのか?と写真を撮影して記録。
踏まれないよう歩道の脇の草の茂みに置いてやりました。
確認の為に検索したところ、こちらのHPにたどり着き、生息域北上中との情報と共に、タイワンウチワヤンマである事を知りました。
よってここに報告をさせて頂きます。
この個体には、腹のウチワ上の部分の内側に黄色い文様が無いため、タイワンウチワヤンマと考えられました。
現在最北限に生息する個体の内の1頭だったのかもしれません。
画像はFBにUPしました。