野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

血吸いバッタ -ショウリョウバッター

2023-09-04 | 兵庫の自然

血吸いバッタ -ショウリョウバッター

人間の生き血を吸い取るバッタのことではなく、手でつかむと口から茶色の汁を出すことから「血吸いバッタ」と呼ぶ地域があります。飛ぶときにチキチキという音をだすのでチキチキバッタのほうが有名かもしれません。

7~10月に見られるこのバッタはショウリョウバッタです。

頭部が尖った、大きなバッタです。特にメスは大きく、8cmぐらいになります。

オスは細身で4~5cm程度と小さいです。7月から10月頃まで見られます

緑色型と褐色型や白い筋のはいっているのがいますがすべてショウリョウバッタです。見た目は別のバッタかもと思います。

これは後から色が変わるのではなくて、母親から生まれたときにすでにそれぞれの色をしています。

遺伝的に同じ色にならないよう何系統の色にわかれています。

枯れ葉が多い場所、草が茂っている場所、土が多い場所、などどんな場所で生まれて、目立たない色で生まれると生き残れる確率が高くなります。産む卵の数は100~300ほどで、卵の中どれかの個体が生き残れるような仕組みになっています。

 

明るい草のはえている原っぱが好きで、住宅地周辺でもよく見られます。特にエノコログサ、メヒシバ、カゼグサなどのイネ科の葉が大好きです。

驚くと、はねを使って遠くまで飛んでいきます。オスは、飛ぶときにチキチキという音をたてます。

どのように音をだしているのでしょうか。

オスは飛ぶときに前翅と後翅をうちあわせて「キチキチキチ・・・・・・」と音をだします。


街路樹でなくアオマツムシ

2023-09-03 | 兵庫の自然

アオマツムシ

 

街路樹で「リー・リー」とかん高く聞こえる。

アオマツムシだ。

アオマツムシは8月下旬から10月ごろにかけて街路樹の上で「リー・リー」と、かん高い音で連続して鳴いている。

アオマツムシはどちらかというと自然の森ではなく、街路樹や生け垣などでよく見られるのが特徴だ。

体長は20~25mmくらいで、鮮やかな緑色、オスの背中の羽には茶色い斑紋がある。

幼虫 ・成虫 とも夜間活動型で、日中は隠れてじっとしている。

夕方ごろからは活発な歩行活動を行う。

秋の終わりに、細い木の枝に卵を産み付けて死んでしまう。

卵で越冬、翌年の初夏に幼虫がかえる。

 

明治時代 1898 年に東京で発見され1970年ごろから、都心部などで急激に増えてきた。

中国からはいってきたといわれている。

関西で広がりはじめたのは戦後のこと。

関西では植木の産地の兵庫県宝塚市山本地域から広がりはじめ、大阪、京都を通って滋賀県に広がった。

 


日本に一番最初にやってきた外来のカミキリムシーラミーカミキリ

2023-09-02 | 兵庫の自然

日本に一番最初にやってきた外来のカミキリムシーラミーカミキリ

 

カミキリムシといえば最近はサクラなどを枯らすクビアカツヤカミキリが有名です。

特定外来種に指定されています。

それ以外にも果樹の害虫であるツヤハダゴマダラカミキリや街路樹に被害を与えるサビイロクワカミキリの被害も多く報告されています。

 

ラミーカミキリは樹木に被害をあたえない,

愛好家に人気のカミキリ虫です。

しかもカミキリムシで日本に一番早くやってきました。

 

もともとはインドシナ半島,中国,台湾に分布し、江戸時代長崎で見つかったという記録があります。

繊維の原料であるラミーの根について入ったと考えられています。

 

1930年には宮崎県, 1938年には福岡県, 1940年代には四国,兵庫県,愛知県,神奈川県につぎつぎと侵入定着しています。

 

兵庫県では、1948年に有馬温泉で見つかっているのが最初です。

 

幼虫はカラムシなどイラクサ科の茎の中で育ちます。

最近の研究ではマメ科のフジやムクゲなどが寄生植物になっています。

 

かつては兵庫をはじめ関西に生息する昆虫でしたが、今では関東までも生息するようになりました。

冬期の平均気温が4℃以上あれば生息できるため、温暖化の影響で分布が北上しているようです。

 

 


里地里山の1年 8月下旬の里地

2023-09-01 | 里地里山の1年

里地里山の1年 8月下旬の里地

 

イネの穂が金色に色づき田んぼはもう秋の気配・・・

ですが現実は8月、猛暑日がつづきます。

田んぼの上にはアカトンボがたくさん飛んでいたので手当たり次第に写真をパチリ。

 

草花は秋の花が

ゲンノショウコ、ワレモコウ、ツリガネニンジン、

ヒメアカネ、アキアカネ、リスアカネ、マユタテアカネ、

ツマグロヒョウモン、ショウリョウバッタ、コバネイナゴ、クビキリギスなど