まるで
恋する少女のように
好きな歌を
口ずさみながら
通りを 抜けて
山手の 植物園へ
あゆみは ほぼスキップ
沢山の花たちと
夢の話を さんざめき
沢山の花たちと
ゆめのひみつ を
すこし わけあう。
それは 恋する少女に似て
たわいもなく
不確かな
約束もない 夢物語
花たちは 曇り空を
忘れて
少女の夢を
さえぎらない
曇り空からは
やがて 涙の粒が
あふれ出すのを
知っているけれど
憧憬に満ちた
時間が 流れて
現実の時間が
夕暮れを 運んでくると
浮かれた思いを
少し 後悔しながら
明日へと
身構える
少女の時間は
瞬く間に 過去になる
完成したジグゾウパズル