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ぼんやり 一点を見つめていると
まるで
オーバーラップするかのように
浮かんでくる情景があり
そのことを
不思議とも思わずにいたけれど
なんの脈絡もないことに気づいた
友達数人と 川遊びのとき
川原で 石ころを拾い上げて
それが 優しく丸く 平らであると
川面に向かって 思わず投げたくなる衝動がわいてきて
水面を五段とびしたあと
水中に姿を消した石を
そのあと
無性に惜しくなって
石が消えたそのあたりを見つめて
もの思いにふける風情の私を
誰も気遣いはしなかった
その時 まだ わたしには
姿を消した思い人など
いなかったけれど
取り返しのつかないような
気持ちだけが 胸に重かった
それから 幾度か川原で
遊ぶこともあるが
きれいな心惹かれる石を見つけたら
そっと ハンカチにくるんで
だれにも知らせず 持ち帰るようになった。
去っていったひとは
川面のかなたに消えた石なのだろうか
まるで
オーバーラップするかのように
浮かんでくる情景があり
そのことを
不思議とも思わずにいたけれど
なんの脈絡もないことに気づいた
友達数人と 川遊びのとき
川原で 石ころを拾い上げて
それが 優しく丸く 平らであると
川面に向かって 思わず投げたくなる衝動がわいてきて
水面を五段とびしたあと
水中に姿を消した石を
そのあと
無性に惜しくなって
石が消えたそのあたりを見つめて
もの思いにふける風情の私を
誰も気遣いはしなかった
その時 まだ わたしには
姿を消した思い人など
いなかったけれど
取り返しのつかないような
気持ちだけが 胸に重かった
それから 幾度か川原で
遊ぶこともあるが
きれいな心惹かれる石を見つけたら
そっと ハンカチにくるんで
だれにも知らせず 持ち帰るようになった。
去っていったひとは
川面のかなたに消えた石なのだろうか
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