あなたの 過去の
記憶の中に 潜り込んで
パソコンのキーボードを叩くように
軽妙な タッチ音とともに
記憶の糸を 解きほぐすことができれば
あなたの 想いの最初の扉を
こっそり 覘くことができれば
あなたとの 縁(えにし)の糸が
絡まった あのころを
走馬灯のような 不思議な幻でもよい
今一度 見ることができれば
わたしの胸の内の
もう一つの 想いの壷を
惜しげもなく 差し出すでしょう
それは 何故かと
尋ねたりしないで・・
だれでも 胸に 二つの壷を持っていて
予備の壷の存在すら
知らずにいることが多いのです
少女でいたころ 二つ目のそれを
真心の壷と 名づけたのは
わたしです。
(再掲)