わたしを 誰かが
なぞっていく
わたしの 言葉を
ひろっていく
わたしは だれで
私の心は だれのもの
わたしは 私で
他の だれでもなく
一人きりで生きていると
思いこんでいたのだけれど
それは おおきな間違いで
わたしを生かしているものは
私以外のだれか 或は 何かであると
思ってしまう日には
息を止めて
周囲の人の振る舞いを
静かに 見守り
わたしは だれかの影かもしれないと
それとも だれかが 影で
わたしは 影を落としているだけの
実体のない風のような
あるいは 風に散った花びらのような
不確かな行く先のない
むなしさなのかも 知れないのだけれど
すべてが 定かでない時であればこそ
わたしを 今日も
誰かが なぞっていくなら
わたしは 実体のない
陽炎になって あなたのそばで
たゆとうことをえらぶ
なぞっていく
わたしの 言葉を
ひろっていく
わたしは だれで
私の心は だれのもの
わたしは 私で
他の だれでもなく
一人きりで生きていると
思いこんでいたのだけれど
それは おおきな間違いで
わたしを生かしているものは
私以外のだれか 或は 何かであると
思ってしまう日には
息を止めて
周囲の人の振る舞いを
静かに 見守り
わたしは だれかの影かもしれないと
それとも だれかが 影で
わたしは 影を落としているだけの
実体のない風のような
あるいは 風に散った花びらのような
不確かな行く先のない
むなしさなのかも 知れないのだけれど
すべてが 定かでない時であればこそ
わたしを 今日も
誰かが なぞっていくなら
わたしは 実体のない
陽炎になって あなたのそばで
たゆとうことをえらぶ
(再掲)