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不確かなことを
確かめるように
覗き込む
覗き込まれた心は
勿忘草の陰で
息をひそめる
駄目です
不確かなことは
そのままにするがいい
真実は 思っているより
過酷なことが
多いものです
勿忘草が 耳元で
ささやく
確かめるように
覗き込む
覗き込まれた心は
勿忘草の陰で
息をひそめる
駄目です
不確かなことは
そのままにするがいい
真実は 思っているより
過酷なことが
多いものです
勿忘草が 耳元で
ささやく
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このまま で と
あなたは言う
いつまでなのか
私は 訊かない
このまま を こわすと
二人も 壊れてしまう
このまま を 壊す時
沢山のものが 壊れる
だけど
いつまでなのか
私は 訊きたい
訊かないことで
私が 壊れることもある
あなたは言う
いつまでなのか
私は 訊かない
このまま を こわすと
二人も 壊れてしまう
このまま を 壊す時
沢山のものが 壊れる
だけど
いつまでなのか
私は 訊きたい
訊かないことで
私が 壊れることもある
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時が過ぎて
思い返すと
何かが はじめの思いとは
違っていることに
気づくことが おおい。
薔薇を買うつもりで
花屋を 訪れたのに
店を出るとき この手には
ガーベラと かすみ草が
詩集を買うつもりで
本屋を訪れたのに
帰りには 旅行の小冊子
赤いブラウスが欲しくて
ブティックへ 行ったはずが
黒のシフォンの それが
私の手に
決して 移り気な人ではないのに
どこかで
気持ちを 翻す 力が働き
初めの思いとは
違う結果が残る
結果を 後悔することはないが
ふとした時に
そのことを 思い出して
気持ちの中に
ある 躊躇が 目覚める
人の気持ちが
かくも 不確かで あることを
かなしむ。
思い返すと
何かが はじめの思いとは
違っていることに
気づくことが おおい。
薔薇を買うつもりで
花屋を 訪れたのに
店を出るとき この手には
ガーベラと かすみ草が
詩集を買うつもりで
本屋を訪れたのに
帰りには 旅行の小冊子
赤いブラウスが欲しくて
ブティックへ 行ったはずが
黒のシフォンの それが
私の手に
決して 移り気な人ではないのに
どこかで
気持ちを 翻す 力が働き
初めの思いとは
違う結果が残る
結果を 後悔することはないが
ふとした時に
そのことを 思い出して
気持ちの中に
ある 躊躇が 目覚める
人の気持ちが
かくも 不確かで あることを
かなしむ。
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完成したジグゾウパズル
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低い重いそらから
たえまなく 雨がふりそそぎ
あたり 一面が
水滴に まみれて
取り返しの付かない
一点を 思いださせる
あのとき
この雨の 降り方のように
底知れない 哀しみを
涙で 表現していたら
だれかが 苦しみを
取り除けただろうか
泣きたい気持ちの時は
思いっきり 泣くがよい
その涙に 辟易して
誰かが どこかで
笑い出したら
涙の雨は
いずれ 乾くことを
哀しみは
いずれ 薄れることを
だれかが 笑いとばして
教えてくれたら
あのとき 泣くことをこらえて
胸の奥深く
とじこめた 哀しみが
時折 顔をだして
人生の あちこちで
むねを しめつけることが
なかっただろうに
哀しみが
ひそかな相棒になるのは
望んではいなかった
たえまなく 雨がふりそそぎ
あたり 一面が
水滴に まみれて
取り返しの付かない
一点を 思いださせる
あのとき
この雨の 降り方のように
底知れない 哀しみを
涙で 表現していたら
だれかが 苦しみを
取り除けただろうか
泣きたい気持ちの時は
思いっきり 泣くがよい
その涙に 辟易して
誰かが どこかで
笑い出したら
涙の雨は
いずれ 乾くことを
哀しみは
いずれ 薄れることを
だれかが 笑いとばして
教えてくれたら
あのとき 泣くことをこらえて
胸の奥深く
とじこめた 哀しみが
時折 顔をだして
人生の あちこちで
むねを しめつけることが
なかっただろうに
哀しみが
ひそかな相棒になるのは
望んではいなかった
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完成したジグゾウパズル
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気ままな時間を過ごした午後
自分の世界に 戻るのが
難しいことを 知る
架空の時間の中で
創り上げた 自分自身と
向き合うことを 避けて
私は 誰になりたかったのか
本当の 自分と向き合うのは
大きな犠牲が 伴うようだ
私にとって 大きな犠牲とは
何なのだろう
確かに存在する 現実を
認めないことから
私の 架空の世界への 逃避行が
はじまった。
できれば もう少し
今を 避けて
夢の中で 自分を甘やかし
過去と今との 挟間で
できれば もうすこし
私でない わたしで居たい
自分の世界に 戻るのが
難しいことを 知る
架空の時間の中で
創り上げた 自分自身と
向き合うことを 避けて
私は 誰になりたかったのか
本当の 自分と向き合うのは
大きな犠牲が 伴うようだ
私にとって 大きな犠牲とは
何なのだろう
確かに存在する 現実を
認めないことから
私の 架空の世界への 逃避行が
はじまった。
できれば もう少し
今を 避けて
夢の中で 自分を甘やかし
過去と今との 挟間で
できれば もうすこし
私でない わたしで居たい