おもむくままに・・・!

ゆったりと、流れのままに、拾いもしない、捨てもしない・・・。 おもむくままに・・・そして私がいる。

二つの壷

2020-11-06 11:35:54 | Weblog






あなたの 過去の

記憶の中に 潜り込んで

パソコンのキーボードを叩くように

軽妙な タッチ音とともに

記憶の糸を 解きほぐすことができれば





あなたの 想いの最初の扉を

こっそり 覘くことができれば




あなたとの 縁(えにし)の糸が

絡まった あのころを

走馬灯のような 不思議な幻でもよい

今一度 見ることができれば




わたしの胸の内の

もう一つの 想いの壷を

惜しげもなく 差し出すでしょう





それは 何故かと

尋ねたりしないで・・





だれでも 胸に 二つの壷を持っていて

予備の壷の存在すら 

知らずにいることが多いのです





少女でいたころ 二つ目のそれを

真心の壷と 名づけたのは

わたしです。


(再掲)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

謎解き

2020-11-05 12:42:45 | Weblog






書き付けたものなどない

押印した記録などない

それ以上に 心に刻んだ約束は

重く すべてにのしかかり

生き方さえも 左右する





あ、と  い、と

し、と  て、と  る、と

五つの文字の間に

何が潜んでいるのだろう





人それぞれの 思いをこめた

五文字に 潜ませた真実は

見えないし 解らない





時が過ぎて 

変貌した思いの亡骸を

かき集めて 抱しめて

ほんとの涙をながす時に・・





或は 止せばいいのに 

あの時の気持ちは と

したり顔で 分析してみせる

あなたの目の奥に・・





いいえ、

解らなくても

嘆くことはない





解らないほど 深い意味があるのだと

胸の奥に 難解な答えが用意されているのを

気付いている わたし

謎解きマニアの わたし


(再掲)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋風の姿を見たと思ったとき

2020-11-04 13:03:54 | Weblog







そのとき あなたは

何を思うか

何を連想するか

あなたの 想いの片隅に

私が 存在するか





秋風が

まさしく 秋風が

桂の枯葉を 散らしていく時

足元の アザレアの小花も

終わりを迎え 枝を震わせている





そのとき

まさしく その時

秋風の姿を見たと思ったとき

あなたは 心の中の棘を

気にして 悩んでいたのではないか





私の 秋は 

もう終わるところです。




ツイードのコートを

取り出した 朝


(再掲)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする