「自分にも、相手にも嘘をついて仕事をしたくないです」ーー。平手友梨奈(欅坂46)は静かに、しかしハッキリとそう口にする。自分の感性が揺り動かされない仕事は引き受けない。初主演映画『響 -HIBIKI-』のオファーを受けた理由も「響という主人公を魅力的だと感じたから」に他ならないし、だからこそ、日本アカデミー賞新人俳優賞の受賞が決まっても軽々しく「次の映画」の話などしない。
今回、同じく新人俳優賞を受賞した面々を見ても、平手以外の7名は全員、既に複数の映画に出演経験がある。“新人俳優”のための賞とはいえ、映画初出演の俳優がいきなり受賞するのは稀な例と言えるが、当人は「実感は、まだないですね。『おめでとう』という声を直接聞くことがあんまりないからかな…?」と素っ気ないが、それでも「この賞が『響 -HIBIKI-』という作品の評価につながるのであれば、嬉しいです」と自身への評価この作品への強い思いをうかがわせる。
「欅坂46」のグループ全体で出演したドラマ(「徳山大五郎を誰が殺したか?」「残酷な観客達」)を除いて、演技自体が初経験。いまや、アイドルが女優として映画やドラマに出演するのはごく当たり前となっているが、平手は「欅坂46」のメンバーとしてデビューしてから、自分が女優として脚光を浴びる日が来るなど「全く思ってもなかった」という。
映画公開から少し時間を置いて、改めて『響 -HIBIKI-』という作品への出演、女優としての活動が彼女にもたらしたものは何なのか?
「なかなか、普通では踏み出せない場所に一歩を踏み出せて、新たな出会いもあって、それは本当によかったなと思っています」と明かす。
一方で「あの鮎喰 響(あくい・ひびき)という役だからこそできた作品だと思っているし、どんな役でも、自分にやれるわけではないんだろうと思っています」と語っているように、決して女優という仕事に前のめりではない。
新人俳優賞は「今後のさらなる活躍を!」という期待を込めて贈られたのでは? 「映画の大きなスクリーンでもっと平手友梨奈を見たい!」と願うファンも多いのでは? と水を向けても「本当に、そんな人いるんですかね…(笑)」と首をかしげ、「今後、やりたい役は?」「女優業への意欲は?」という質問にも、映画公開時のインタビューでも常にそう答えていたように「魅力的な役柄と出会えたら」とだけ口にする。
「映画」や「女優」といったカテゴリーは関係ない。冒頭の言葉でもわかるように、感性が揺さぶられるか否か。それは、彼女なりの仕事への真摯な思いの表れに他ならない。ならばあとは、映画製作者側に、彼女の感情を揺り動かすような役を提示してもらうしかない。願わくば、撮影中も悩み、葛藤し、完成した作品の中の自分を見て「私、こんな顔してたんだ…」と感想を漏らすような作品、役柄と巡り合ってほしい。
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