地の生命ははなはだ腐れやすくある。その新鮮なる期間はみじかく、その溌剌たる期間はしばらくである。地上の生命はたちまちにして腐敗し、しばらくにして硬化する。
ここにおいてか(自ラヲ犠牲ニシテ他ヲ生カス)塩の必要があるのである。既存の善事を保存し、その美を発揚し、これをしてさらに地の涵養を助けしむるある者の必要があるのである。
しかして神の生命の言葉を心霊に受けし者が、地のこの必要に応ずるとのことである。信仰(ピスティス)によりて、福音以外の諸徳、諸善が保存せられ、発揮せられ、流布せられるとのことである。
しかしてこのことは世にかくれなき事実である。キリストによりて、旧道徳と旧信仰とは、真正の意味において復活を見たのである。
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