河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑137 / 土と草

2024年03月20日 | 菜園日誌

先週は少し暖かだったので一週間休みなしの畑活。
畑一面をびっしりと覆った冬草の草抜き。
そろそろ花を咲かせようとしているから、今抜いておかないとたいへんなことになる。
五月に落花生を植える予定の場(1/4)と畑の周りは除草剤に頼ってしまった。
体も本調子ではないから、気持ちがずいぶんと楽になる。
畑でストレスは感じたくない。
畑は癒やしの場なんだから。

人は自分の幸せのために活動、労働するのだが、ストレスがつきまとう。
家族、親戚、友人、同僚、ご近所の付き合いは、自分を助けてくれて幸せにしてくれるのだが、ストレスになることもある。
我々は、いろんな人と幸福とストレスを相殺しながら生きているのかもしれない。
そんな中で、スポーツやペット・グルメ・旅行に「癒やし」を求める。

「癒(ユ)」の訓読みは「いや・いえ」で、「心を癒す」「病が癒る」の二通りの使い方をしていた。
1988年に新聞紙上で初めて「癒やし」という言葉が使われてから、1999年には流行語大賞の中にも入るほどになる。
この頃から訓読みは「い」に統一される。
「傷も癒、」だったのが、「傷も癒え、」と送り仮名を振るようになった。
だから、「心を癒やす」「病が癒える」「癒やし」が正しい遣い方だ。

畑では、日光を浴びて土に触れることが癒やしになる。
土に触れることで、土中のバクテリアが体内に取り込まれる。
すると、脳内に「幸せホルモン」とよばれるセロトニンが増え、やる気が起きると同時に、不安な気持ちが抑制されるのだという。
畑の癒やしは安上がりだ。
さあて、はりきって草を抜いて癒やされるとするか!

かあさん知らぬ
草の子を、
なん千万の
草の子を、
土はひとりで
育てます。

草があおあお
しげったら、
土はかくれて
しまうのに。
(『金子みすゞ全集』より「土と草」)

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茶話130 / 卒業

2024年03月16日 | よもやま話

今日は子供見守り隊の当番日。
いつもの時間に、いつもの交差点へ。
ところが、10分ほど経っても子供が来ない。
15分ほどして、ようやく三人がやって来た。
「今日は学校で何かあるのか?」と尋ねると、「今日は卒業式やがな」と男の子の元気な返事。
「そうかいな、おめでとう!」と言うと、「僕はまだ5年生やがな! 今日は5年と6年生だけが登校や」」と教えてくれた。

小学校の卒業式って全校生徒出席と違うたんかいな?……と思い出そうとしたしたものの、50年以上も前のことなど思い出せない。
当然、自分の小学校卒業の時にどんな気持ちだったのかなど、頭の中の記憶の引き出しの奥に押し込まれて出てこない。
人間なんぞは、古い記憶をどんどん御国押し込めて成長していくものなのだ。
そう独り納得して、6年生らしき子どもには「おめでとう! これから、もっとええこと、いっぱいあるで!」と声をかける。
今日、卒業する子どもは、中学生になればたいへんなのは分かっていて、頑張ろうと思っているだろうから、「頑張りや!」などとは言わない。
小学校の階段を昇った先には、もっといい未来があるのだと思ってほしい。

見守り隊を終えて家に帰ると、植木屋さんが来ていた。
親戚で気心も知れているし、刈った葉っぱは私が掃除するということで安くしてもらっている。
とはいえ、ジャガイモを植えようと思っていたが、やむを得ず中止。
刈り具合を見計らって、一時間おきくらいに葉っぱを集めに行く。
さっぱりとした庭木を見て、頭の中の記憶の引き出しが開いて、奥の奥から一つの記憶がよみがえった。
そやそや、中学校の校則は男子丸坊主だったから、小学校の卒業式の次の日に散髪に行ったわ!
長年伸ばした髪の毛を坊主にするのは抵抗があった。

「これから、もっとええこと、いっぱいあるで!」と声をかけたが、我が身を振り返れば早々に嫌なことがあったのだ。
人生、嫌なことや、その時はどうしようもないことがあるけれど、ええことの方がたくさんあるから!
いやいや、言い訳はするまい。
信じられぬと嘆くよりも
人を信じて傷つくほうがいい
求めないで優しさなんか
臆病者の言いわけだから
( 贈る言葉/詞:武田鉄矢・曲:千葉和臣)

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畑 136/ これもまた人生の楽しみ

2024年03月12日 | 菜園日誌

朝、目覚めて、布団の中で丸くなりながら雨音を聞いている。
もう少し眠ろうか……、どうせ今日は何もできないし、筋肉痛だから……。

  

十日ほど前にジャガイモの種芋を買ったが、寒い日が続いたので植えずにいた。
今週あたりから暖かくなりそうだし、どうやら明日(昨日)は雨模様なので、畝を立てるとすれば今日しかない。
『ブギウギ』を見てから畑へ。
冬草がぼうぼうだし、土もまだ湿っているが、できるところまでやるとしよう。
管理耕運機で耕したものの、土が重いので昼まで乾かしてから畝立てをするとするか。
それまでは、ひたすら草抜き。
  ◇
昼ごはんを食べて、『ブギウギ』の再放送をを見てから畑へ。
だいぶん乾いているので、軽く土を寄せて、草を集めてしばらく干す。
それまでは、ひたすら草抜き。
一箇所に集中して草抜きすると飽きてくるので、場所を変える。
此方彼方、あちこちに中途半端な刈り残しができる。
ローンと一緒で、もう少しもうちょとでできると思ってやる方がやりがいが出る。
  ◇
三時くらいになって、畝に干していた草を集める。
もう少し丁寧に土寄せして、真ん中に溝を切って、すぐに植えられるようにしておこうか?
今やろうと思えばできるのだが、ローンとして残しておこう。
その方が楽だし、あと少しという楽しみもできる。
  ◇
「今できることを先に延ばすな」とよくいわれるが、余裕があれば、「できること」を「先の楽しみ」として残しておくのもいい。
「できること」を何とかしなければと焦るより、「楽しめること」を増やした方がいい。
さて、写真撮って帰るとするか、と思ったらスマホを充電で置いてきた。
まあいい、今日の雨がやんで、綺麗にローンを返済して、芋を植えるときに撮ればいい。

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茶話129 / 究極のネタ

2024年03月09日 | よもやま話

ペット、グルメ、トラベルのブログネタ御三家のどれかでブログを書きたいのだが、とんと縁がない。
頭にきて「119/まあええか」で、一度に三つを合わせた夢の話を書いたら、未だによく読まれている。
ペットを見てかわいいと思わない人はいないし、グルメして美味しいと感じない人はいないし、トラベルして楽しいと思わない人はいない。
そこで、我が家の相方に「犬でも飼おうか?」と言うと、「こっちが先に死んでしまうわ!」。
「美味しいものでも食べに行こか?」と言うと、「そんなん食べて出したらしまいやがな!」。
「温泉でも行こか」と言うと、「しんどいし、お金がいるがな!」。
金どころか、味も素っ気も夢もない。

しかたがないので、子どもの頃、魚屋のオッサンに頼まれて猫を捕まえ、河原に捨てに行った話を書いた。
ブログに載せようとgooのアピール記事を見たら、すべて猫の写真。
アカン、こんなん載せたらえらいことになってしまうがな!
それなら、去年に明石で生ガキを食べたのを書こうとした。
しかし、その晩、下痢で朝まで苦しんだのを思い出して止めた。
ならばというので、去年の老人会の日帰り旅行のことを書いてやろう。
だが、帰った晩に「じ病」が爆発して、今ようやく治りかけてるばかりやないかいな!

かようさほどに、実に真に不幸なことに、ペット、グルメ、トラベルには縁がない。
しかし、幸不幸は、もののとりよう考え方なのだ。
同じ体験をして、それを「幸福だ」と思うか、「不幸だ」と思うかだけの違いなのだ。
不幸だと思えばれこそ小さな幸せを見つけやすく、人生を楽しむことができるのにちがいない。

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茶話128 / あおる

2024年03月08日 | よもやま話

「煽る」と書く。
「けしかける」の意。
「あおり運転」が問題になって久しい
2020年6月に道路交通法が改正され、あおり運転に対する罰則が定められたが、あいかわらず後をたたない。
あおり運転の原因で多いのが、「追い越されたから」「車線変更で自分の前に出てきたから」という報復行動だという。
煽る人には、煽られている人よりも有利な立場でいたいという心理があるのかもしれない。

そんな心理からではなく、金儲けで煽る人がいる。
能登半島地震の直後、「人工地震が原因」とか、「外国人窃盗団集結」といった偽の情報がX(ツイッター)で拡散した。
Xでは、課金しているユーザーが一定の閲覧数(インプレッション)を獲得すると収益が得られる仕組みになっているとか。
不安な気持ちの時に不安を煽られるとますます不安になる。
そんな人の心理を悪用した金儲け。

畑仕事をしていると天気予報が気にかかる。
最近の天気予報は、よく人を煽る。
「観測史上最強のおそれ」「警報級の〇〇」「記録的な〇〇」
「あおり予報」というそうだ。
確かに、天候の急変は災害をもたらすから注意するにこしたことはない。
しかし、自分とこのサイトをを見てほしいがための煽る心理が丸見えだ。

マイクロソフト系の天気予報はもっと極端だ。
外はしとしと雨だし、レーダーを見ても黄色や赤の雨雲がないのに「豪雨」と予報している。
煽るためではなく、日本語の「強い雨」を「豪雨」と訳し間違えているのだろうから可愛いものだ。
どうせなら、可愛い女の子に「今日は豪雨だから気を付けてね」と煽られたい。

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