水彩・絵Say集「光と風と野草ちゃん♪」

水彩画で綴る 四カクい親爺のま~るい生き方

野草ちゃん♪の創り話「馬とり天狗 最終回」

2014-01-25 05:47:25 | 創作物語

あらすじ:

天狗様に「果無しお洞」で馬を立派にしてもらった傳兵衛さんは、
みるみるうちに大金持ちになった。
怠け者の権助は、自分も真似をしてもうけてやろうと、馬を買って
「果無しお洞」に無理やり押しこんだ。

   第1話     第2話    第3話     第4話

 **********

第5話  ・・・・・  願い


      そ~よ  ワシが権作じゃが・・・

 

何日かたったある日、権作はいつもと同じようにほらあな

 

やってきて、いつもと同じように、ほらあなの奥に向かって

 

さけんだ。

<o:p></o:p> 

じゃが何も聞こえてこなかった。

<o:p></o:p> 

権作はとうとうがまんができなくなった。

<o:p></o:p> 

「やい、天狗、きこえるか。

<o:p></o:p> 

おらの馬、取ってしまったのか。じょうだんじゃあないぞ。

 

おらの馬だ、かえしてくれ。おらが金を出して買った馬だ。

<o:p></o:p> 

また町さ行って売りさばいてくれば金になる。」

<o:p></o:p> 

と、どなると、馬をとりもどそうとして、とうとうほらあな

 

の中に入っていってしもうた。

<o:p></o:p> 

そこは「果て無しお洞」じゃ。一度入ってまようと、二度と

 

もどってはこれんということは、権作はよーくわかってはい

 

た。

<o:p></o:p> 

が、もう頭に血がのぼっていてな、われをわすれてしもうた

 

んじゃ。

<o:p></o:p> 

<o:p> </o:p>

 なん日かすぎても、権作はほらあなから出てこなかった。

<o:p></o:p> 

傳兵衛さんや村の衆は

<o:p></o:p> 

「天狗さまは馬だけじゃのうて、ひょっとしたら、権作もえ

 

え人間にしてもどしてくれるかもしれん。」

<o:p></o:p> 

と、権作の無事をいのり、権作がもどってくるのを願った。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

しかし、それっきり権作がもどって来たという話は聞かん。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

 <o:p></o:p>

                  おわり。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

<o:p> </o:p>

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野草ちゃん♪の創り話「馬とり天狗 4話」

2014-01-23 09:47:44 | 創作物語

あらすじ:

「果無しお洞」で馬を立派にしてもらった傳兵衛さんは、みるみるう

ちに大金持ちになった。傳兵衛さんは天狗様のおかげと、天狗岩

にお礼参りをした。

天狗岩のうしろでこれを聞いていた怠け者の権助は、自分も真似

をしてもうけてやろうと思った。

  第一話は こちら から     第二話は こちら から

  第三話は こちら から

**********

第4話・・・企み


    間違えんでくれェや わしは傳兵衛さんじゃ

 

  早速、権作は町へ出かけ、できるだけ安い馬をとさがしま

わった。

なん頭か目に、やせ細った馬を見つけた。

力がなさそうじゃとか、毛の色つやが悪いとか、いくつかの

けちをつけたあげく、

「こんな馬じゃあ売れりゃあせんじゃろうが。おれが買っち

ゃるけえ安くせえや。」

とむりやりに値切った。

権作はそのやせ馬を村へつれて帰るやいなや、

「天狗様。後はよろしゅうたのんまっせ。」

と、馬をあの「果て無しお洞」へむりやりおしこんでしまっ

た。

「どうせやせ馬じゃ。2、3日食わんでも、もうこれ以上や

せりゃあせん。」

と言って、えさも水もやらんでさっさと帰ってしもうた。

それからも、権作はたまあにやってきて、

「天狗様。まだかいの。もうぼちぼち馬を返してくれんかい

の。傳兵衛のところの馬のように、よう金をかせぐ馬にして

から返してくれんさいよ。ええかの。」

と、ほらあなの奥の方に向かって、勝手なお願いをしちょっ

た。

しかし、あいかわらず、えさ一束、水一杯持ってくるわけじ

ゃあなかった。

 

 つづく  いつになるかわからん次回をお楽しみに

 

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野草ちゃん♪の創り話「馬とり天狗 3話」

2014-01-21 15:34:21 | 創作物語

      第1話は  こちら  から
       
第2話は  こちら  から  

第3話  ・・・・・  お礼参り



 

その後、馬は傳兵衛さんのいうことをよくきき、実によくは

たらくようになった。

傳兵衛さんも馬をとてもたいせつにした。

傳兵衛さんと馬は見事に気が合った仕事っぷりで、米や野菜

がよその家の2倍も3倍もできるようになったんじゃ。

その米や野菜を馬車に積んで町へ売りに行くと、これがまた

味がええ、長持ちすると、よう売れてな、傳兵衛さんはみ

みるうちに大金持ちになった。

りっぱな家も建て、村一番の器量よしの嫁さんももらった。

げんきな子供にも恵まれ、幸せな毎日を過ごすようになった

んじゃ。

傳兵衛さんはある日、丘の上の天狗岩へお礼に出かけた。

「それもこれも天狗様のおかげじゃ。

天狗様があおを果て無しお洞であんなにりっぱにして、おら

さにかえしてくれたおかげじゃ。」

天狗岩に向かって、傳兵衛さんは手をあわせてこうお礼を言

った。


ところが、これをたまたま通りかかった村一番のなま

けもの権作が天狗岩のうしろで聞いちょった。

「傳兵衛のやつ、そんな手で金持ちになったのか。

よし、おらもどこからか安い馬を探してきて、天狗様にしっ

かりかせぐ馬にしてもらおう。

そして、おらも大金持ちになっちゃろう。」

と悪知恵をはたらかした。

 

つづく    いつか分からぬ次回をお楽しみに

 

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野草ちゃん♪の創り語し「馬とり天狗 2話」

2014-01-16 09:06:31 | 創作物語

plalaから「6月末でブログBroachのサービスを撤退する」と、

連絡が来ました。

早めに「馬とり天狗」を完結させておかなければならなくなりました。

 

先を急ぎましょ。

 

 

**********

 

 

第2話・・・・・果て無しお洞(はてなしおどう)
       ( 第1話は こちら からどうぞ )


 ところがそれから3日もたたんある朝のことじゃ。

傳兵衛さんが、馬小屋へあさめしをやろうと思っていってみ

ると、馬がおらんようになっちょる。

「やられた。天狗さまに見られたんじゃ。夜のあいだにつれ

ていかれた。」

傳兵衛さんはあわてた。

しかし、すぐにあの「果て無しお洞」が頭にうかんだ。

いうことをきかん馬じゃけど傳兵衛さんにとってはだいじな

馬じゃ。傳兵衛さんはとるものもとらずに「果て無しお洞」

へ走っていった。そしてほらあなの奥の方にむかって、

「天狗さまや、おらのだいじなあおをかえしてくれ。

いまはいうことをきかんけど、けっしてわるい馬じゃあない

んじゃ。

おらの気持ちがまだあおにはわからんのじゃ。

おらがちゃんとしたええ馬にするけえ、かえしてくれ。

あおがわるいんじゃあないんだ。おらがわるいんじゃ。

あおはかんべんしてやってくれ。」

と泣き出しそうな顔でさけびつづけた。

傳兵衛さんはそれから毎日あさ、ひる、ばんと馬のえさや水

をはこんできてはほらあなの前において、

「天狗さま。これをあおへやってくれ。

くうもんなかったらあおさ力がつかんけえ。

水をのまんと、病気になるけえ。」

とたのむのじゃった。

それがの、ふしぎなことに、

次に傳兵衛さんが来るときには、そのえさや水がなくなって

いるのじゃ。

それをみて傳兵衛さんは、

「天狗さまはおらのいうこときいてくれる。

天狗さまはおらの馬、かならずかえしてくれる。」

と信じちょった。

 

 さて、それから何日かがすぎた日のことじゃ。

その日もひよりのええ朝じゃった。

きのうの朝とおんなじように傳兵衛さんがえさと水おけをも

って「果て無しお洞」の前に来てみると、ほらあなの奥の方

で何か動くけはいがするじゃないか。

傳兵衛さんはびっくりした。はじめは天狗さまかもしれんと

おもったが、すぐにこりゃああおじゃとわかった。

天狗さまはやっぱり馬をかえしてくれるんだ。

あおかい。あおじゃろう。でておいで。おらといっしょに

田んぼさ行こう。」

ほらあなの奥の方へ声をかけてみた。

するとほらあなの奥の方からヒヒーンと元気ないななきが聞

こえ、やがてぱかーん、ぱかーんとひずめの音がほらあな

ひびきながら近づいてきた。

馬がほらあなの奥から出てきた。

傳兵衛さんは喜んだのなんの。

馬の首にだきつくは、ほおずりをするは、馬のまわりをはね

てまわるは、それはそれはうれしそうじゃった。


  (つづく    次回をお楽しみに)

 

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野草ちゃん♪オリジナルもの語り「馬とり天狗」

2014-01-11 16:39:33 | 創作物語

以前ご紹介したかもしれませんが、「馬年」に因んで、

野草ちゃん♪創作もの語り「馬とり天狗」をご紹介しましょう。

すでにお読みの方、ゴメンチャイ。

**********

第1話  ・・・・・  天狗岩(てんぐいわ)


 むかしむかし、あるところに、まわりをぐるりと山にかこ

れた小さな村があったとさ。村のまん中を北から南の方へ

、一本の川がきらきらとかがやきながら流れちょった。

その流れにそってな、やはり一本の道がくねくねとまがりな

らとおっていて、村人たちが行ったり来たり、あるときは

、たちばなしをしたりしてたとさ。

さらにその道をはさむようにいろいろなかたちをした畑や田

ぼがひろがっちょる。

 それをちょっとはずれたところに小高い丘があったんじゃ

その丘のてっぺんに、天狗岩という大きな岩がひとつでー

んとすわっとる。この岩のてっぺんに立つと、村全体がいっ

ぺんに見わたせるんじゃ。

でも村ではな「天狗さまのお席」といって、まだだあれもこ

岩のてっぺんにのぼったものはおらんのじゃ。

この村の衆はほんとうにこの村には天狗さまが住んでいると

じとるんじゃよ。

天狗さまは毎日毎日この岩の上にあぐらをくんで一日中、村

見守っちょる。

田植えの時期になると雨をたっぷりふらしてくれるのも、

の取り入れどきになると天気のよい日がつづくのも、みん

な天狗さまのおかげなんじゃげな。

 でも天狗さまのすがたを村の衆たちはだれひとり見たこと

ない。天狗さまはかくれみのをきてござるから姿が見えな

いのはあたりまえなんじゃそうな。それに天狗さまは田んぼ

や畑ではたらいている馬のはたらきっぷりをいつも見てござ

るそうな。

馬は田んぼや畑をたがやしたり、とりいれのおわった米や野

などの重い荷物をはこんだりして、村の衆にとってはとて

もたいせつなものじゃけえの。

ところが、はたらきっぷりの悪い馬がいると、天狗さまは村

衆が気のつかない夜中のうちにこっそりとその馬をさらっ

て、川下にある「ほらあな」の中にその馬をおしこんでしま

うんじゃ。

村の衆はその「ほらあな」『果て無しお洞(はてなしおど

)』というてな、いちどはいるとどこまでいってもいきど

まりない「ほらあな」で、そのうちにまよってしまって出

てこられななるというこわい「ほらあな」なんじゃ。

だからこの「らあな」には、まだだれひとりはいったもの

はおらん。

***************

 さて、ある日のことじゃ。

傳兵衛(でんべい)さんのところにあたらしい馬がやってき

た。傳兵衛さんはこの馬を「あお」とよんだ。

若い馬じゃけえの、元気がいいのはいいんじゃが、これがな

なかいうことをきかんけえ、いけん。

右に行けといやあ、左がわへそれるし、止まれといやあ、走

だすし、まあ、そりゃあ傳兵衛さんはこまった。

でも、何年もためた大金をはたいてかった馬じゃけえの、な

とかつかいものにせにゃあいけん。

傳兵衛さんはそう思ってしんぼうしとったんじゃ。


  つづく  
  
いつになるかわからない)次回をお楽しみに~

 

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