とこのへや

とこの雑貨と、とこのお洒落着。とこは樺太に住んでいたことがあります。とこの嫁の体験談、日記、備忘など。

月に1度の面会

2021-05-17 01:09:18 | 丘の上(認知症・入院)
病院も併設するその特別養護老人ホームは厳密な運営を行ってくれている。
新型コロナウイルス対策はばっちり、である。

面会は月に1度のみ。
施設に入る時にモニターに映し出され、体温チェックがかかる。
巷で聞いた話だと、企業相手の相場と思うけど、200万するシステムだそうな。

時間は30分。1Fのホールでモニターでの体温チェック、手指消毒、受付を済ませ、iPadを手にした若い男性スタッフに別室への移動を促される。
会議室らしいが、その一角にモニターが設置され、WEBカメラが起動し、Zoomか何か、待機画面になっている。
先ほどの若い男性スタッフが、最上階のレクリエーション室へiPadを持って行くと、そこへ普段の居室から連れ出された姑とこが待っている、という段取り。

面談が終わるまで、その男性スタッフがiPadを適度な角度にして持っていてくれているらしい。

今回はまずは私のみがモニターの前に立ち、手を振ると、姑とこも一生懸命手を振ってくれる。唇が動いているのだが、どうも腹筋に力が入らないのか、声が前に出ない。囁くように「一人で来たの?」と聞いているらしい。
うちの息子が来てくれるはずだが、初めて建物の中まで入るのに、タイミングをずらして家を出たため、到着の時間がずれたのだ。
「ばぁばのとこ、何時に行くの?」と尋ねてきたわりに、めんどくさそうだったので、なるべく触らぬようにしていたのだが。
ほどなくして息子を伴った夫が姿を見せ、同時に息子も部屋に入ってきた。入り口の正面にモニターがあるので、手を振りながら近づいてくる。

とこはいつもより意識がはっきりしている様子ながら、目はとても眠そう。
「ちょっと眠い」と言う声が聞こえた。
iPadを持つスタッフもやや苦笑交じりに、眠いんですよねぇ、と声をかけていた。

後で息子が話していたけど、見知らぬ人がいると、話したくない話題もあるし、と。確かに。遠慮する話題もあるものね。

ワクチンは打ったのか、と尋ねると、2回打ったという。
3回目もあるでしょと言ったが、スタッフも「2回だけです」と言ってくれた。
ほか、眠れているか、体辛いところはないか、何か足りないものはないか。
表情は以前に比べて穏やかだし、顔の色つやがいい。
足の指が痛むそうで、医師には診てもらって薬が処方されており、安静にしていれば普段痛みはないそうなので、深刻ではないようだ。
普段着るものは借りている状態なので、何枚か薄手の長袖を差し入れるようにする。
こちらの声は聞こえているが、とこの声はほんとうに囁くような声もしくは『くちぱく』状態だった。
耳が聞こえるのはいいよね、目の調子はどう?雑誌とか差し入れようか?というと、読まないから要らないという。
気力がわかないといったところなのだろう。

帰り道、息子は途中で分かれてどこかへ立ち寄ってから戻るつもりらしい。
夫は、元気だから良かった、と言った。

前回差し入れた最中は一つ食べたとのことだったが、何かを持参しても、良かったのかどうなのか、様子が分からず、今回何か持って行ったほうがいいのか、迷ってしまった。
母の日とか、みなさん差し入れがたくさん来るのかしら?
面会の様子からすると、おそらく普段寝ている時間のほうが多いのでは?
いや、以前から比べると、落ち着いてきている様子なのは間違いないと思う。

ウイルスを持ち込んでしまったら大変なことだ。
だが、ちょうど昨年のコロナ禍の始まりのころに入所して、勝手がわからないまま、こうして隔てられた状態なのは、正直、不安である。

とこが安定してきていることが救いだけれど。

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