「重要文化財の秘密」に連繋した近代美術館のコレクション
着物の柄は、春蘭、牡丹、小菊、楓
と四季をあらわす
この天体望遠鏡は、国立科学博物館で2005(平成17)年まで現役だったらしい
「権兵衛が種まきゃ、カラスがほじくる」三重県の民話
福沢一郎 牛 1936(昭和11)年
日本のシュルレアリスムの代表的作家、瀧口修造と共に治安維持法違反容疑で逮捕された
パウル・クレーの影響を受けた作品
交遊があった川端康成は、『古賀氏の絵に向ふと、私は先 ずなにかしら遠いあこがれと、ほのぼのとむな しい拡がりを感じるのである。 虚無を超えた肯 定である。従って、これはさなごころに通 ふ、童話じみた絵が多い。 単なる童話ではない。 をさな心の驚きの鮮麗な夢である、甚だ仏法的 である。』と評している
香月泰男 水鏡 1942(昭和17)年
不思議な作品。香月泰男(かづきやすお)は、この水鏡の制作年に召集され、1945年から2年間シベリアに抑留される
暗く濁った水槽を眺める少年の傍らには、枯れたハス。サボテン?の鉢植か。ナルキソスのように水槽を見つめるが、そこに映るのは“スイセン”ではなく、枯れたハス
デビットリンチの闇を見ているようで、バルテュスの絵にも似ている
加山又造 春秋波濤 1966(昭和41)年
新しいコレクションから
『開館70周年を迎えた当館が、2000年以降の20年あまりで収集した作品をご紹介します。
ここに展示する作品は、大きく二つに分類できそうです。 一つ目は、イケムラ レイコ、 杉戸洋、 加藤泉、 三輪美津子、 千葉正也、 青木野枝、 岡﨑乾二郎らに よる、 絵画や彫刻の主題や形式を拡張するような作品です。 冨井大裕や高柳恵里 の、日常的なモノや行為の用途や視点をずらすことで、 私たちの認識に揺さぶり をかける作品も、ここに含まれるでしょう。 二つ目は、近代の歴史や現代社会に 対する批評的な視点を持った作品です。 生まれ育った地域の過去と現在に向き 合うシュシ・スライマンや山城知佳子、 病や老いを克明に描き出す木下晋、 規範 化されたセクシュアリティの在り方を問う鷹野隆大、多様な背景をもつ人々の歌 う姿を捉えた兼子裕代らの作品が当てはまるでしょう。 19世紀末にはじまる近代 美術のコレクションを起点とする当館が、 21世紀に入り、 現代の作家たちととも に、どのようにそれを更新していくのか、これからの展開にもご注目ください。』
というコーナー。
プロレタリア運動に加わり、特高警察による小林多喜二の虐殺を主題にして制作、左下の鉄格子から国会議事堂が見える
津田青楓は、治安維持法違反で投獄され、獄中で転向した
初めて観た作品も多く
楽しめました。
重要文化財かどうかはあまり
関係ないなと実感…