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古今東西のアートのお話をしよう

休館!? DIC川村記念美術館


DIC川村記念美術館は、1990年5月に千葉県佐倉市に開館、「作品」「建築」「自然」が調和したユニークな美術館
2024年8月28日に、DIC株式会社から突然、『2025年1月下旬より休館』する旨が発表された
資産効率から都内への縮小移転の方向らしい
地元佐倉市を中心に猛烈な反対運動が起こり、2024年10月2日に、 佐倉市長が56,000名あまりの美術館継続を望む署名をDIC社に提出
DIC社は、休館を2025年1月下旬を3月下旬に延期する事を発表
最終結論は年内に決定されるらしい
何十年ぶりに美術館を訪ねてみた
今回は、JR佐倉駅から無料バスに乗ったがなんと30分もかかる…
しかし、時間をはるかに上回る感動があった
まず建物が素晴らしい
(館内は撮影禁止のため、写真はネット画像、図録を借用)
マイヨール 「ヴィーナス」1918-28年
美術館エントランス
設計は、海老原一郎(1905〜1990)
暗がりから見える森の緑と陽光が、作品世界にトランスする
2階建てで各展示室がそれぞれ特徴があり、開口部を大きく取り、森の中にある空間、作品世界に没入する空間など特徴をもたせている
ポスト絵画的抽象の作家

マーク・ロスコの部屋は、まさに作品世界に没入する空間

企画展 “西川勝人 静寂の響き”

『ごあいさつ

ドイツを拠点に活動する西川勝人(にしかわかつひと∶1949-)は、光と闇、その間の漠とした陰影に心を配る多様な作品を、40年 以上にわたり手がけてきました、なかでも代表的なのが、活動初期から継続する彫刻です。抽象的なフォルム をもつ彼の白い彫刻は、木や石膏を用いた簡素な構造ながら、表面に淡い陰影を宿し、周囲の光や音さえも そっと吸い込むように静寂へと誘います。(中略)

本展は、1980年代より現在まで一定して、静けさという特質を保持し続ける西川作品の美学に触れる日本初 の回顧展です。彫刻、写真、絵画、ドローイング、インスタレーション、建築的構造物など、多様な手法による、 初期から最新作までの約70点を紹介いたします。作家自らが会場模型を作り、それぞれの展示室がもつ光を 考察しながら選定した作品は、制作時期とメディアを混在させた絶妙な組み合わせで構成されています。個々 の展示室に名を与えるとすれば、「光と影」 「教会」 「ラビリンス」といった言葉が浮かび上がってくるでしょう。 それぞれの空間は、質の異なる静寂をもたらし、そして私たちの内なる静謐さをも引き出してくれるに違いあり ません。美術館という日常から隔てられた場において、西川作品を介することで、来場くださった皆様が観想 する時間をもつことを願って、本展を開催いたします。

2024年9月

DIC川村記念美術館

館長生嶋章宏 』


「ファザリス」 1996
「静物」2005

左右の大きな窓ガラスから鬱蒼とした樹木と木もれ陽の揺らぎが室内に差し込む
ホウズキ形のガラス「ファザリス」
と壁の「静物」グリッド

「静寂の響き」 2005-06
白黒のグリッド、静物、劇場

「池のほとり」 2010
絵画と彫刻

「ラビリンス断片」 2024

「キオッジャ」 2023
ラビリンスに置かれた白い彫刻群と壁のモノクロームの写真


「秋」 2024
しきつめられた花弁 朽ちていく花の漂う香り

『西川作品は、作品のみによって完結するのではなく、その都度の周りの環境と、そして何より見るものの経験において結実される。』西川勝人 静寂の響き 前田希世子より

写真では分からない、
「いま、ここ、自己」がある
『静寂の響き』という、禅的体験ともいえる

常設作品から
レンブラント・ファン・レイン
「広つば帽を被った男」1635年

ルノワール「水浴する女」1891年

パブロ・ピカソ「シルヴェット」
1954年

藤田嗣治「アン・ド・ノアイユの肖像」1926年

マルク・シャガール「ダヴィデ王の夢」1966年
自然と屋外彫刻
清水九兵衛 「朱甲面」1990年

西川勝人の個展出口の壁に、
アートは自然に対立するものではなく、自然に同調するものでもなく、自然と共存、coexistするものだと思います》と書かれていた。
西川勝人の芸術に借りた、
川村記念美術館の
マニフェストだと思う
とかく饒舌過ぎる現代アートとは、真逆とも思える西川勝人の
芸術 川村記念美術館という
舞台で、『静寂の響き』を聴きました ★★★★★ 
強くお勧めします
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