仕事と生活の授業(続き)

前に作ったホームページは、あまり読まれないようなのでブログで再挑戦です。

28.『この世界の片隅に』その六 2016年 原作 こうの史代 監督 片渕須直

2017年08月20日 | 映画の感想文
『この世界の片隅に』

3回目を観終わりました。


映画は、すずさんから見た世界を描いています。

私たちから見たら少しファンタジーの交ざったような世界ですが、

すずさんにとっては現実なのでしょう。


ひるがえってみて、私の世界はどうでしょう。

よく人から思いこみが強すぎると言われる私の世界は、

他の人から見たらやはり現実と妄想が交ざった世界なのかもしれません。


見ているものが同じでも、

そこに結びつける意味が異なれば、

正反対の解釈が可能な場合もあると思います。


みんな同じ世界に生きているようでいて、

一人一人、まったく違う世界に生きているのかもしれません。


それでも、すずさんの目から見た世界で起こることを

自分のこととして感じ、涙することができます。

すずさんの少しゆがんだ世界の解釈がとても愛おしく感じられます。


私たちには自分の世界に閉じこもるだけでなく、

他の人から見た世界を生きることができる力が備わっています。

その力によって自分の世界の間違いや歪みに気づくことができます。


数多くある『この世界の片隅に』という映画のすばらしさの一つは、

すずさんの世界を通じて、

私自身の世界の歪みに気付かせてくれるというところにとどまらず、


すずさんの世界を愛せるように、

私の世界を、

その歪みも含め愛おしく思わせてくれるところだと思います。


(そしてこの世界の登場人物の全てをも、...)

コメント
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