仕事と生活の授業(続き)

前に作ったホームページは、あまり読まれないようなのでブログで再挑戦です。

21.『サンタが街にやってくる:Santa Claus Is Coming to Town』 1934年 ヘヴン・ギレスピー作詞 フレッド・クーツ作曲

2016年11月24日 | 歌の感想文
 会社がTOEIC受験を奨励しているので(ただで受けさせてくれるので)、1年半ぶりに受験してみました。

 ちょっと前に同じチームの人が、宅地建物取引士の試験を一生懸命勉強している姿を見て、自分も勉強しなくっちゃ、と思った次第です。

 三日坊主な性格は子供の頃から直らず、勉強し始めの2週間ぐらいは順調だったのですが、試験直前の2週間はほとんど勉強できず、残念な結果になったに違いありません(結果はまだです)。

 宅地建物取引士を受験した人へ勉強のアドバイスをしたのですが、過去問12年分を3回以上繰り返してもらいました。さすがに3回目にはほとんど間違えなくなりました。

 本人は、解答を覚えてしまったので、学力が伸びたのではないと思っているかもしれません。

 でも、解答を覚えるぐらいやれば、おのずと学力は上がっているものです。

 結果、何年も受からなかった試験でなんとか合格水準の点数がとれたようです(こちらも正式な結果はまだですが)。

 TOEICでも同じやり方が通じるのでは、と思い、とりあえず同じ問題集を3回やろうと、がんばってみたのですが、薄い問題集を5冊やるはずが、道半ばの3冊でくじけてしまいました。

 そんな英語熱がマイブーム(死語?)になっている中、
『better not』というフレーズを見て、あれっ?なんだろう?という感じで、意味や文法がよく分かりませんでした。

 やっぱり、TOEICはメタメタだと、よおく分かりました。

 調べてみると、『You better』は『You had better』で、次にくる動詞で表される動作を『しないといけない』という意味でした。

 なんとなく、『した方が良い』という意味に思えますが、英語では、『しないといけない=しないと悪いことが起こる』という意味だそうです。『した方が良い』は『You should』で表すそうです。

 否定の『not』をつけた『You better not』は、『~したらダメ(悪いことが起こるよ)』という意味です。

 それで、分かったのが、有名な歌の次の歌詞です。

You better watch out
You better not cry

 日本語の訳詞では、

さあ あなたから
メリークリスマス
私からメリークリスマス


 という陽気で優しい歌ですが、
英語では、『いいかい、泣いてちゃダメ(いい子にしていないと、サンタクロースがプレゼントをくれないよ)!』という意味だったんですね。


Better not pout
I'm telling you why
Santa Claus is coming to town

ほらっ ふくれっつらもしない
サンタさんがやってくるんだから



 今日はまだ11月なのに雪の降る寒い一日でした。

 サンタクロースが寒さを引き連れて、下見に来ていたのでしょうか?


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 (歌詞の解釈の続きです。)

 サンタさんは、ちゃんと見ているんだからね!

 と、さんざん脅したあげく、最後に

So be good for goodness sake

ねっ お願いだから いい子にしてっ


 と逆に懇願しています。

 ニュアンスが違うのかもしれませんが、

 泣きやまない小さな子をあやす、

 困り果てたお父さんの姿が浮かんでしまいます(数年前の自分の姿です)。

 そのニュアンスが間違っていないなら、

 とても可愛らしい歌に思えてしまいます。

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20.『枯れ葉 からころ 帰り道』 詠み人知らず 【言葉遊び】

2016年11月20日 | 言葉遊び

 前回、韻を踏んだ自作の短歌を紹介しました。

 ちょっとしつこかったですか?

 言葉の初めの音を合わせるのを『頭韻』と呼ぶようです。

 やりすぎるのもバランスが悪いのかもしれませんが、

 真ん中の違う音(『い』)が目立つように、同じ音(『あ』)を繰り返してみました。

 (『色』という言葉を目立たせたので、歌の最後を『貴(あて)やか』ではなく、『艶(あで)やか』にしようかな、とも思いましたが、『紫陽花(あじさい)』とは、だいぶ違った雰囲気になってしまうので(『芍薬』とか『牡丹』な感じ)、あまり聞き慣れないのですが、『貴(あて)やか』という言葉を使いました。...そんなことを考えていたのも、今は昔、どころか大昔。)

 私は頭韻しか思い浮かびませんが、

 頭韻、脚韻、単語の母音を合わせるなど、いろんな韻の踏み方があるんですね。

 テレビ番組『フリースタイルダンジョン』を見ているとラップバトルは母音を合わせる形の韻を踏んでますよね。

 日本語ではありませんが、エミネムのラップバトルはとてもかっこ良いですね。
 (『8mile』すごく良い。「超クール」...?)

 ラップバトルは、悪口の言い合いで勝負を決めるのかと思ったら、

 そうじゃなくて、韻を踏むことやリズム感を含む作詞の才能を競っているんですね。

 昔の歌会と同じ。


 ウィキペディアさんによると、

 ラップは、元々アフリカの歌だったようですが、

 ボクシング界のレジェンドであるモハメドアリさんの言葉遊びがラップを広めたと書いてありました。



 言葉遊び良いですよね。

 私もツイッターのつぶやきでたまに言葉遊びをします。

 

 夏の名残り

 七つの涙

  2015年9月19日



 秋なのに夏を引きずっている暑い日のつぶやきです。

 七つの涙は韻を踏んだだけだったのですが、

 『7つの涙』という歌があるそうです。

 それも女優の深津絵里さんがアイドル歌手をしていた(それ自体知らなかった)ころ歌っていた曲です。


 

 枯れ葉 からころ

 帰り道

 『風のいたずら』

  2015年10月9日



 北風の強い秋の日。

 後ろから自転車の音がするのに気配がない。

 振り返っても何も見えない。

 しばらくすると、

 やっぱり調子の悪い自転車の車輪が出すような音。

 立ち止まってちゃんと振り返ると、

 乾いて丸まった枯れ葉が

 風に絡まり、

 私のかかとをかすめるように

 からころついてきていた。


 (説明文の最後の韻は、ちょっとしつこいですね。)

 いつもはツイッターで先につぶやいたものをブログにアップするのですが、

 今回はツイッター抜きでアップしてみました。

 今回の記事はぐだぐだな感じですね(「ぐだぐだ」の正しいニュアンスを知りません)。
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19.『彼方に藍 貴方に紅き 色 紫陽花...』  詠み人知らず

2016年11月17日 | 和歌 短歌 俳句
学生の時(高校だったか、大学だったか忘れてしまった)、短歌を一首だけ思いついたことがあります。

いつかちゃんと短歌を勉強してからコンテストとかに応募しようと温めていたのですが、機会を逸してしまって幾年月です。

ちょっとしつこい韻を踏んでいることがお作法上どうなのかな、と思いますが、

言葉遊びの延長でどうでしょう。

(あっ、あと季節はずれ)




 彼方(あなた)に 藍

 貴方に 紅き

 色 紫陽花

 文(あや)なす 雨に

 淡き 貴(あて)やか





(訳)

貴方に会い、

あなたを思い、

様々なことがありました。

静かな雨脚(あまあし)に霞む姿は、

とても貴(とうと)く感じられます。
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18.『梅の花 にほひをうつす 袖の上に...』  藤原定家 新古今和歌集 【春上】 44

2016年11月15日 | 和歌 短歌 俳句

 (引き続き、和歌、短歌の感想です。

 とても素敵なホームページを見つけたので、

 その紹介も書きました。)


 私はとっても字がへたっぴなので、

 ボールペン習字の本を何冊か買って練習してみました。

 それは、とっても苦行で、

 少しでも面白くしようと、

 鉛筆でなぞる奥の細道、みたいな名前の本を買い、

 練習していました。

 松尾芭蕉は、天才だと感じ入りながら、

 楽しく続けられたので、

 次は鉛筆でなぞる百人一首だ、と思いさっそく購入しました。

 ところが、奥の細道とは打って変わって、

 歌の世界に共感できず、とても辛い作業になり、

 しばらくほったらかしにしてありした。


 娘が中学に入って、国語の授業で百人一首を覚えるということで、

 一緒に覚えることになり...?

 ほったらかしにしてあった本を引っ張り出し、

 一生懸命書いたりしてみたのですが、

 正直言って、

 つまらない。


 当然日本文化の結晶である、百人一首がつまらないのは、
 
 自分の方に問題があるに違いなく、

 古文の知識のなさや、

 感性の問題か、とか考えていました。


 それでもやっぱり、題材や展開があまりに陳腐なので、

 歌の方に問題があるんじゃないかな?

 などと、考えているとき、
 
 気まぐれに

 「百人一首 つまんない」

 と検索して現れたのがこのサイトです。

http://wakadokoro.com/learn/百人一首はなぜつまらないか/



 そう感じるのは自分だけじゃないんだ、

 と、ほっとしました。


 このサイトを書いている方がどのような人か分かりませんが、

 百人一首に限らず、様々な、和歌、短歌の世界を

 現代の感覚で解説してくれていて、

 初めて古典の世界の入り口へ案内を受けた感じで、

 とても嬉しいです。


 トップページはこちらです。

 『古今和歌集のすごい秘密』
http://wakadokoro.com

 このサイトによると、百人一首がつまらないのは、

 現代の感覚からしても、斬新で、前衛的な歌の世界を打ち立てた藤原定家の、

 自分の作り上げた世界に対するアンビバレンス(愛憎相半ばする気持ち)が、

 過度に保守的な選集として百人一首に結晶してしまった、

 ということのようです。

 (ごめんなさい、ちょっと意訳し過ぎているかもしれません。)



 次にあげるような素晴らしい歌を詠んだ人が百人一首の選者だなんて、

 ちょっと不思議な感じです。


 梅の花

 にほひをうつす

 袖のうへに

 軒もる月の

 かげぞあらそふ


 梅の香と月影が主題を争っているという歌です。

 嗅覚と視覚が主役を争うなんてとても斬新な感じがします。


 次の歌は、有名なんですよね

 春の夜の

 夢の浮橋

 とだえして

 峰に別るる

 横雲の空


 (さらに、)

 見渡せば

 花も紅葉も

 なかりけり

 浦の苫屋の

 秋の夕暮


 どの歌からも素晴らしい世界観が伝わってきます。
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17.『あかねさす 紫野行き 標野行き...』  額田王 万葉集【巻第一】20

2016年11月10日 | 和歌 短歌 俳句

 万葉集【巻第一】20

 あかねさす

 紫野行き 標野行き

 野守は見ずや

 君が袖振る


 額田王(万葉集)


 (今回は歌の感想です。歌は歌でも、和歌、短歌の感想です。)


 (読み始めて色がイメージされる歌ですが、実は...、)

 紫草の花は白いし、葉っぱは緑だから、紫野は紫色じゃない。

 茜さすは、紫の単なる枕詞として使われていて意味がなく、

 オレンジ色の朝焼けや夕焼けを歌ったものではないのかもしれない。


 明るい昼の日の光の下、

 女性たちがいる紫草を摘む緑色の野原と、男性たちがいる狩り場を行ったり来たりしながら、

 冗談めかして愛の言葉を投げかけるひょうきんな王子を歌った歌なのかもしれない。
 

 宴席の戯(ざ)れ言のように歌われた歌なのかもしれない。


 たとえ、そうだとしても、



 茜さすという言葉は、夕空の色を思い起こさせ、憂いを帯びた基底を醸(かも)しだし、

 紫草が根に宿す色は舞台の深遠な背景として聞く人の心に届く。


 言葉は、それが指し示す『意味』と、意味が纏(まと)う『現れ方』からできていて、

 『緑色の野原』という意味は、『茜さす紫』という現れ方で、

 その指し示す意味とは全く異なった世界へ聞く人を誘(いざな)う。


 意味とその現れ方のズレが、少ない言葉で紡(つむ)がれる歌の世界に、

 無限の広がりを与えてくれるのだと思う。

 **********************************************************************************


 むかし、

 紫草の根から隠れていた紫色を取り出して染料を作っていたそうです。



 この歌を不倫の歌だとか、宴席での戯れ歌だとか、そんな風な解説を見ました。


 とても違和感を感じます。


 たとえ、それが事実だとしても、


 それが全てでは、ないはずです。


 おしまいです。



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