柚月裕子さんの「月下のサクラ(徳間書店)」を読了しました。言わずと知れた、数日前に読み終えた「朽ちないサクラ」の続編です。2021年に発売された本なので、図書館の予約もすぐにとれました。
前作では警察事務員だった主人公の森口泉が、今作では事件現場で収集した情報を解析・プロファイリングをし解決へと導く、機動分析係の新米刑事として登場します。こういうシリーズモノは、主人公の人間(や警察官)としての成長が前作と比較しながら読めるので、面白いですよね。ボクはすっかり泉ちゃんファンになっちゃいました(保護者的な視線でですけど)。
警察署内で現金盗難事件が発生します。主人公の泉を含む捜査支援分析センターの面々は、個性的で信念をもった熱い捜査官ばかりで、まずはそのキャラに惹かれました。直接被疑者に接することができない立場でありながら、地道な捜査の積み重ねで真実に迫っていく過程も興味深く面白かったです。重要な被疑者が死亡したり、公安外事二課が登場したり、本部長の不正が発覚したり…。スリリングな展開に夢中になり、お盆休みの2日間で一気読みしてしまいました。
ただね。前作でいい感じだった泉の彼氏(?)はどうしたのかな?とか、こんな警察内部の闇や不正の部分ばかり書いたら警察への信用が失墜しないかな(まぁ小説だからそれはないか)?とか、ちょっと読みながら心配もしてしまいました。
でも、面白かったですよ。次の続編も期待したい警察小説です。柚月裕子さんの小説、ちょっと追っかけてみようかな?って思っています。