最近、NHKの台風の実況で違和感を感じるのは、タハラッチだけでしょうか。
安全な場所から伝えているというコメントがよく聞かれるのです。
時代なんでしょうか。
昔、NHKのドキュメントで釣りのロケを何度も体験しました。
あるとき、時化の海での撮影で、カメラマンがふらついていました。
大揺れだし、釣り船として作られた船じゃありません。
手すりもなければ船べりも低い。
船上から落水する危険性がたっぷりあります。
当時はまだ救命胴衣の着用は徹底されていませんでしたし、船上で重いカメラを担いで撮影をしているカメラマンには邪魔過ぎたかもしれません。
「危ないから切り上げませんか。」
ディレクターが色を成して怒鳴り返しました。
「命懸けでやってるんだから、邪魔をしないでほしい。」
たぶん、そんな優しい言葉じゃなかったと思います。
「邪魔をするなッ。」だったはず。
恥ずかしくなりました。
冒頭の実況アナウンサーの報道の姿勢がいいのか悪いのか、局の方針なのか、タハラッチにはよくはわかりません。
でも軟弱な感じはぬぐえません。
仕事ってそんなもんでいいのでしょうか。
そんなことを言ってたら戦場カメラマンなんて存在できませんね。
いろいろな意見があるかと思いますが、考えさせられますね。
今回のタハラッチの救急搬送、命拾いをしたのですが、じつは執筆中の取材の一環で、銭洲釣行の打ち合わせもしていたのです。
もし実釣取材中の沖での出来事だったら、仕事だから命懸けでやっているんだと言い切れたかどうだか。
たしかにタハラッチが沖の船上ででくたばったとしても、本人としては仕事だからと胸を張れます。
でも同乗した人はどうでしょうか。
船頭はそんなこともありうると、日頃から認識していることでしょう。
はっきりそう思っていなくとも、心の隅のどこかにはそんな懸念を抱いているはず。プロの船頭ですし、どんな客が乗るかわかりませんから。
今回は取材相手のTさんがおひとりで仕立てるため、ほかの釣り人は乗りません。
ご迷惑をおかけするのはTさんだけ。それでもせっかくの楽しみを中断せざるを得ない状況に追い込むのは、たいへん申し訳ない限りです。
乗合船だと、大勢の釣り人にご迷惑をおかけしてしまいます。申し訳ないだけじゃとてもすまないですよね。
仕事だから命懸けだなんて、聞いた風なことをいってはいられません。
大いに考えさせられました。
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でも情熱をかけるというより、命懸けのほうが様になってる気がしています。ロッククライミングでも遊びの釣りでも、両方をかけてきましたし、これからもずっとそのつもりです。