皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。天気予報どおりでしたね。今朝起きて窓を開けると、あれっいつものヒンヤリ感がない。と思いませんでしたか。これでも十分寒いのですが、この数日に比べると痛いほどの寒さではなかったと思いますが。そうなると、あの物質が飛散してくるのではと心配になる今日この頃です。では本題へ。
アナ:では、急に両脚がむくんだときには?
医師:急に両脚がむくんだというとき、私たち医師がまず確かめるのは、薬を飲んでいるかということです。
たとえば血圧を下げるためのカルシウム拮抗薬、ステロイド、非ステロイド性消炎鎮痛剤、糖尿病の治療薬であるピオグリタゾン、漢方薬の甘草などは、むくみを起こすことがあります。
これらの薬を飲んでいないとわかったときに、ほかの原因を疑って調べることになります。
むくみを3本の指で押すとくぼみができますが、そのくぼみが元に戻るまでの時間のかかり方で、考えられる病気は違います。40秒以内というごく短い時間にくぼみが戻るとき、私は「早い浮腫」と呼んでいますが、この場合には血液中のアルブミンというたんぱく質の数値が下がっていることが多いです。
そうしたアルブミンの下がる代表的な病気としては腎臓の病気、特にネフローゼ症候群と、肝臓の病気の肝硬変などが考えられます。
ネフローゼ症候群とは腎臓から蛋白質が喪失していく病気、肝硬変はよく知られているように肝臓が固くなって、その機能を失いかけている病気です。
アルブミンが低下したときのむくみは全身に均等に起こります。
そこで腎臓の病気や肝硬変では、まぶたのむくみも加わる、という特徴もあります。
一方、指で押すとできるくぼみが、ゆっくり40秒以上かけて戻る「遅い浮腫」のときは、血液中のアルブミンの数値は下っていません。
そうしたむくみのときには心不全の可能性があります。
心不全とは心臓の働きが悪くなっている状態で、そこに至るにはいくつもの心臓の病気が考えられますが、重症であることも多いのです。
また、両脚のむくみで、指で押してもくぼみができないものもあります。
この場合もさまざまな病気が考えられますが、多いのは、甲状腺機能低下症。
女性に多い病気です。
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