横浜ドリームランド吹奏音楽隊 ８ ファンファーレ

冬の一番寒い時期の思い出です。

その日は、数日前に積もった雪がまだ残っていて、北風の強い日でした。

朝のパレードが始まり、しばらく歩いてから１曲目に立奏でむっかしいファンファーレを演奏するのです。

寒さの中で体はふるえ、マウスピースも冷え切っていました。マウスピースを唇にあてました。あまりの寒さで唇の感覚がありません。その中で演奏が始まったのです。

ファンファーレの最後に１番トランペットが実音２点g、３番トランペット２点eを伸ばしているところで、２番トランペットがタララーとスラーで２点g、a、hと吹くのです。最後は２点ｈの吹き伸ばしです。

普通の状態で演奏しても音が高く辛い曲なのに、この日はこの冬一番の寒さでした。

トランペット３人とも寒さのあまり大コケとなったのです。

パレードが終わってから、トランペット隊はメジャー（副隊長）に呼ばれ隊長部屋で説教を受けたのでした。

説教を受けたら上手く吹けると、言うわけではありません。

３人とも条件の悪い中、最善を尽くしたのでしたが、あまりにも寒すぎたのです。

このファンファーレはアメリカのバンドの演奏していた物をコピーし、２度上げて編曲したものです。

トランペット吹きにはつらい曲でした。