なんだか急に思い出した物語です。しかもネットのない時代の話だな、これ。だって「文通」の話なんだもの。アートブックのような体裁の本で
売り場はどこだったろうか。絵本の棚か 洋書の棚か・・・
ニック・バントック著 小梨直訳「不思議な文通_グリフィンとサビ-ヌ」 河出書房新社刊。
三分冊ありまして、
「サビーヌの日記_続・不思議な文通」
「黄金のとびら_不思議な文通完結編」
と続いています。
絵本、というか・・・往復書簡でお互いの手紙が交互に紹介されているのですが、ポストカードだったり封書だったり、その封書の中に便箋が入ってるという凝った作り。原文英語のままで、訳文が別冊になってついています。
「おかしな生き物や異郷の風景の描かれたイラストに飾られた、実物そのままの絵はがきと封筒に入った手紙の間で繰りひろげられる孤独な画家と謎の女性とのロマンティックで不思議な物語。日本語訳は別冊子にまとめ、原作の英語の手紙文も楽しめる、全米でベストセラーとなった全く新しいヴィジュアル小説。 」というのがこの本につけられた説明なのですが
突然、見知らぬ女性から手紙を受け取った画家のグリフィン。その女性サビ-ヌは遠い聞いたこともないような島に住んでおり、彼女はグリフィンの作品が見える、頭の中に浮かぶというのです・・・むむむ、あやしーい。グリフィンも初めは信じませんが、どうやら本当に彼女は彼の絵が見える?らしい。サビ-ヌもなぜ絵を感じることができるのかわからないという。グリフィンは孤独な人生を送っている画家で、この偶然の出会い?に夢中になり手紙のやりとりを。
が、
・・・・。
2冊目「孤独な画家グリフィンが作りだした想像上の恋人サビーヌ。ところがその彼女が本当に会いにくるという。恐怖を感じ、彼は逃げだした。ギリシア、エジプト、日本と歴史を遡り、自分の過去をたどるようにグリフィンは旅をし、サビーヌは彼の家で帰りを待ちつづけた。ふたりの手紙を貼った日記を綴りながら…。ふたりの関係が解きあかされていく『不思議な文通』待望の続編。 」
そう、文通相手のサビ-ヌが会いに行きます!と。彼女の住んでいる島から出てくるというのですが 彼女はグリフィンが創作した架空の女性のはずだったのですね。
グリフィンは逃げ出し、サビ-ヌは彼のアパートを訪ねます。が、もちろん彼はいない。けれど彼女はグリフィンの帰りを待ち続けます。そこはどうやらグリフィンの家ではあるけれどグリフィンの世界とは異なる空間のようだとサビ-ヌは気付きます。そして・・ ああ、もうここまでで十分怖いと思いませんか~
でもグリフィンは彼女と会う決心をするのです!想像上の人物にも関わらず!?がしかし
3冊目「このまま永遠に会えなくなってしまうのだろうか。ふたりは自分たちを隔てる力の大きさに戸惑った。謎の人物フロラッティに妨害され、サビーヌの絵を見る能力の衰えにおびえながらも、グリフィンとサビーヌは出会いの場所-、黄金のとびらの開く場所を求めた。不思議な余韻を残し、ふたりの物語が完結する。 」
黄金のとびら、会えるはずのない二人が会うための場所、そこには黄金のとびらがあり、ついに二人は・・・・。
・・・・とここで終わるならまあ?いいのだけど、パラレルワールドに住む二人(なのかどうかもよくわからない)の愛の往復書簡、
の次にある最後の手紙がこわすぎっ
と私は思ったのですが・・・
アマゾンUSAの書評を読むと、手紙や切手、ポストカードなどのアートの部分に評価が高く、内容もミステリアスで素晴らしい といったものが多かった。二人が出会えたことに感動しているような・・・でもだがしかし
ラストへの言及をする人がほとんどなかったけれど、二人が出会うことができたこと、これ自体ハッピーエンドだったのかどうか私には疑問だし、ラストの意味することって
書けませんけれど
想像上の人物が会いたいと言ってくるって
サビ―ヌを作りだしたグリフィンが彼女に会いたいという願望を持ったため内なる自分がそういう手紙を書いたのだろうと想像。
人格が分裂してゆくにあたり残っている僅かな理性が恐怖を感じ外界へ逃れようとしたが、結局自己の生み出した自分だけを愛してくれる理想の恋人を得る・・・・本当は分裂した自己に元々の自分を委ねてしまっただけなのかも
それとも
グリフィンは全くの正常でなぜか実体化してしまったサビ―ヌが出現するという貞子な感じのお話なのか
どちらでもいいのだけれど二人が幸せなのならば
でもラストが私は怖いと思う… お二人でどうぞ もうおかまいなく~ と。
国内絶版かも。古書ならAmazonで手に入りそうです。じわじわとくるお話でした。
売り場はどこだったろうか。絵本の棚か 洋書の棚か・・・
ニック・バントック著 小梨直訳「不思議な文通_グリフィンとサビ-ヌ」 河出書房新社刊。
三分冊ありまして、
「サビーヌの日記_続・不思議な文通」
「黄金のとびら_不思議な文通完結編」
と続いています。
絵本、というか・・・往復書簡でお互いの手紙が交互に紹介されているのですが、ポストカードだったり封書だったり、その封書の中に便箋が入ってるという凝った作り。原文英語のままで、訳文が別冊になってついています。
「おかしな生き物や異郷の風景の描かれたイラストに飾られた、実物そのままの絵はがきと封筒に入った手紙の間で繰りひろげられる孤独な画家と謎の女性とのロマンティックで不思議な物語。日本語訳は別冊子にまとめ、原作の英語の手紙文も楽しめる、全米でベストセラーとなった全く新しいヴィジュアル小説。 」というのがこの本につけられた説明なのですが
突然、見知らぬ女性から手紙を受け取った画家のグリフィン。その女性サビ-ヌは遠い聞いたこともないような島に住んでおり、彼女はグリフィンの作品が見える、頭の中に浮かぶというのです・・・むむむ、あやしーい。グリフィンも初めは信じませんが、どうやら本当に彼女は彼の絵が見える?らしい。サビ-ヌもなぜ絵を感じることができるのかわからないという。グリフィンは孤独な人生を送っている画家で、この偶然の出会い?に夢中になり手紙のやりとりを。
が、
・・・・。
2冊目「孤独な画家グリフィンが作りだした想像上の恋人サビーヌ。ところがその彼女が本当に会いにくるという。恐怖を感じ、彼は逃げだした。ギリシア、エジプト、日本と歴史を遡り、自分の過去をたどるようにグリフィンは旅をし、サビーヌは彼の家で帰りを待ちつづけた。ふたりの手紙を貼った日記を綴りながら…。ふたりの関係が解きあかされていく『不思議な文通』待望の続編。 」
そう、文通相手のサビ-ヌが会いに行きます!と。彼女の住んでいる島から出てくるというのですが 彼女はグリフィンが創作した架空の女性のはずだったのですね。
グリフィンは逃げ出し、サビ-ヌは彼のアパートを訪ねます。が、もちろん彼はいない。けれど彼女はグリフィンの帰りを待ち続けます。そこはどうやらグリフィンの家ではあるけれどグリフィンの世界とは異なる空間のようだとサビ-ヌは気付きます。そして・・ ああ、もうここまでで十分怖いと思いませんか~
でもグリフィンは彼女と会う決心をするのです!想像上の人物にも関わらず!?がしかし
3冊目「このまま永遠に会えなくなってしまうのだろうか。ふたりは自分たちを隔てる力の大きさに戸惑った。謎の人物フロラッティに妨害され、サビーヌの絵を見る能力の衰えにおびえながらも、グリフィンとサビーヌは出会いの場所-、黄金のとびらの開く場所を求めた。不思議な余韻を残し、ふたりの物語が完結する。 」
黄金のとびら、会えるはずのない二人が会うための場所、そこには黄金のとびらがあり、ついに二人は・・・・。
・・・・とここで終わるならまあ?いいのだけど、パラレルワールドに住む二人(なのかどうかもよくわからない)の愛の往復書簡、
の次にある最後の手紙がこわすぎっ
と私は思ったのですが・・・
アマゾンUSAの書評を読むと、手紙や切手、ポストカードなどのアートの部分に評価が高く、内容もミステリアスで素晴らしい といったものが多かった。二人が出会えたことに感動しているような・・・でもだがしかし
ラストへの言及をする人がほとんどなかったけれど、二人が出会うことができたこと、これ自体ハッピーエンドだったのかどうか私には疑問だし、ラストの意味することって
書けませんけれど
想像上の人物が会いたいと言ってくるって
サビ―ヌを作りだしたグリフィンが彼女に会いたいという願望を持ったため内なる自分がそういう手紙を書いたのだろうと想像。
人格が分裂してゆくにあたり残っている僅かな理性が恐怖を感じ外界へ逃れようとしたが、結局自己の生み出した自分だけを愛してくれる理想の恋人を得る・・・・本当は分裂した自己に元々の自分を委ねてしまっただけなのかも
それとも
グリフィンは全くの正常でなぜか実体化してしまったサビ―ヌが出現するという貞子な感じのお話なのか
どちらでもいいのだけれど二人が幸せなのならば
でもラストが私は怖いと思う… お二人でどうぞ もうおかまいなく~ と。
国内絶版かも。古書ならAmazonで手に入りそうです。じわじわとくるお話でした。