野村陽子植物細密画工房

標高1000メートルの清里高原に住み
描きたいものを描きたいように描く。
楽しい絵を楽しんで描く。

アーティチョーク エミール・ガレとの出会い

2021-07-10 00:00:00 | ボタニカルアート
アーティチョークは
地中海沿岸原産の食用アザミ
和名は朝鮮薊 (チョウセンアザミ)


2008年
長野県諏訪市にある
北澤美術館新館で開催された
ボタニカルなアート展

フランスのガラス工芸作家
エミール・ガレのガラス作品と
野村陽子のボタニカルアートの作品を
並列展示する
私にとっては夢のような
コラボレーションの展覧会


ガレの「アザミの花瓶」は
1900年
パリ万国博覧会の出品作
アーティチョークの蕾を形どる
高さ45.6センチの大花瓶に
ヴィクトル・ユゴーの詩句とともに
アザミの文様が施されている


展覧会当時には私が
アーティチョークを描いた作品はなく
この時は「フジアザミ」を展示


今回
念願のアーティチョークに挑む
220年前の作品との対話は
作家同士ならではのこと


一段と気合いを入れて
取り組みたい






クロッカス 母の日

2021-05-05 01:00:00 | ボタニカルアート
原産地はヨーロッパ南部
地中海沿岸から小アジア

晩秋に咲くサフランに対して
クロッカスは早春に咲く

サフランのように
薬用やスパイスに用いられることもなく
観賞用のみに栽培されるため
春サフラン
花サフランとも呼ばれている

春の庭先をいち早く華やかに染め
3月の誕生を祝ってくれる
私の誕生日は母と同じ
私にとっては
自分の誕生日が母の日である







プリムラ 根っこ好き

2021-04-25 00:00:00 | ボタニカルアート
私は根っこを描くのが好き

普段は土の中にあるので見えない
見えないからいい

絵を見た人の反応も楽しい
もちろん
嫌がる人もいる

花や葉は地上にあり
一目で何かが分かるが
根っこは分からない

掘り出した時の驚きと感動
自由に想像して描けるのも
ワクワク感があって
好きな理由のひとつ

大袈裟にいえば
地上と同じ
もしくは
それ以上の大きさが
地面の中に広がる

基礎が
足元が
しっかりしていれば
大きな花を
咲かせることができる

人間と同じだな
根っこを描きながら思った






コヒガンザクラ 信州高遠の桜

2021-03-05 00:00:00 | ボタニカルアート
信州高遠は桜の名所
種類は『コヒガンザクラ』

ここの花は他所よりピンクが濃いめだ
地元の人は
『タカトオコヒガン』
と呼び大切にしている

花は咲きが進むと
色や形の様子が変化するので
どの状態を表現したらいいのか
満開の桜を眺めながら・・・
迷っているときが一番楽しい


淡いピンクの花びらは
春の雰囲気を損なわないように
濃い色を重ねるときは気を遣う

立体感よりも
柔らかな優しさを表現することに
重きを置く


春の象徴ともいえる桜は
暖かな日差しの中で
里山全てのものに
春が来たことを告げてくれる