めちゃめちゃよかったです!
共感!興奮!感動!
ボクシング映画ですが
単なるスポ根映画ではなく
若さ、老い、
生き方、死に方など
人生についても
考えさせられるような
胸アツ映画でした。
ストーリーをざっくり説明しますと・・・
初老の元ボクサー(佐藤浩市)と
挫折した若いボクサー(横浜流星)が
運命的に出会い
紆余曲折ありながら
トレーナー、選手として
世界チャンピオンを目指すというお話
そして彼らを取り巻く
家族、仲間、ライバル、
それぞれの生き様を熱く鮮烈に、
時には淡々と描いた人間ドラマ。
タイトルからも予測できると思いますが
ラストはハッピーエンドとはいえない
少し切ない映画かもしれませんが
脚本、演出、俳優たちの演技が
素晴らしかったです!
特にボクシングシーンが素晴らしく、
横浜流星の身体や動き表情など
もうモノホンのボクサーにしか見えなかったです!
対戦するチャンピオン役の窪田正孝の
ボクシングもなかなかよかったのですが
横浜流星と比べてしまうと素人っぽくて
本物のボクサーには見えなかった。
横浜流星のボクサー度が凄すぎ!
最後の世界タイトルマッチの試合のシーンは
会場の規模的に(後楽園ホールかな)
日本タイトル戦くらいの雰囲気でしたが
本物の試合のような
凄さや迫力、緊張感もありました!
しかしラストラウンドの
無音のスローのシーンが
ちょっと長すぎたし
スローが故にパンチが
思いっきり当たっていないのがバレバレで
緊張感が途切れてしまったのが残念でした。
もったいない・・・
若い頃有望で将来を期待されたものの
その後挫折し人生を迷走している
元ボクサーの初老のオヤジたちを
佐藤浩市、片岡鶴太郎、哀川翔が
哀愁たっぷりに、コミカルに
演じているのですが
もう自分のことのように
めちゃめちゃ感情移入してしまいました。
俺は元ボクサーではありませんが
若い頃はスタントマンとして
将来を有望視されたこともありました(一部の人にねw)
しかし自分の才能に限界を感じ挫折して
その後は冴えない人生を送っております。
まあ今はそれなりに幸せですがw
若い頃、何か夢に向かってチャレンジし
挫折したことのあるような中高年の
オッサンには
特に響く映画だと思います。
熟女になった山口智子も
ええ感じで白木葉子してましたw
映画全体的に
音楽は控えめで
淡々としたドキュメンタリーのような
雰囲気さえありました。
ボクシングのトレーニングシーンや
試合のシーンでも
「ロッキー」のような
盛り上がる音楽もほぼ無く
ミット打ちやパンチの音、
観客の歓声だけで
魅せていました。
音楽の力を借りなくても
俳優たちの演技だけで
ボクシングの凄さや緊張感が
伝わるというのは凄いことです!
とはいえ・・・
サメ映画の本家が
「ジョーズ」であるように
ボクシング映画の本家も
「ロッキー」だと思うので
ボクシング映画にはロッキーのような
盛り上がる音楽が不可欠だと思うので
今作の音楽的演出には
少しだけ物足りなさを感じました。
登場人物が多く、
もともと長編小説である今作を
2時間ちょっとの映画にするには
少し説明不足的な部分もありましたが
観る側がそれぞれに解釈すればいいと思います。
この2人はいつの間に
デキてたんやw
派手なエンタメ映画ではありませんが
静かに熱く心に響く映画でした。
「春に散る」
満足度・・・92点
一見か細いただのイケメンなのに
肉体的にも精神的にも
かなりストイックに
いろんな役に挑戦してますね。
今後の活躍が益々楽しみです。
あれほどのいい男なのに
いい男の役あまりやらないんですね
流浪の月のDV男とか
今回のボクサーも やってんのが横浜流星だから
いい男に見えるんだけど
役柄としての2枚目ではない
そういうところに横浜流星という役者の未来を感じます