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ボロディン トリオ
ベートーヴェン ピアノトリオ全集
リューバ・エドリナ
ロスティラス・ドゥビンスキー
ユーリ・トゥロフスキー
このトリオでよく聴いていたのがメンデルスゾーンのピアノトリオでそれこそことあるごとに聴いていました。その後トリオの曲を選ぶときは有名な演奏家が率いてるトリオの中ではアルトゥール・ルービンシュタインの室内楽は流石というレベルでしたが。
つい最近アレンスキーのトリオとチャイコフスキーのトリオをボロディンで聴いたところ引き込まれる何かを感じさせられました、続けてポチッと購入したベートーヴェンピアノトリオ全集のボロディン トリオですがかなり素晴らしい演奏です。
ベートーヴェンの音楽を目一杯ベートーヴェンとして表現し切ってるのではないでしょうかこれほどスッキリ表現できれば誰も文句は言えないと思います。
こうして聴いてるとボロディン トリオってお勧めの演奏家だと思います。
【ロスティラス・ドゥビンスキーのアンサンブルについての文献がありました】
カルテットの迷宮
http://string-quartet-labyrinth.blog.jp/
ボロディン弦楽四重奏団のリーダーとして30年活躍したドゥビンスキーは、1981年から1997年に亡くなるまで米国のインディアナ大学で室内楽の教育と普及に尽力しました。雑誌「The Strad」1995年6月号に掲載されたインタビュー記事では、室内楽での5つのポイントを語っており、下記に公開されています。
http://www.thestrad.com/cpt-latests/5-views-on-ensemble-playing-by-borodin-quartet-violinist-rostislav-dubinsky/
わかりやすく参考になる記事なので、以下に翻訳します。
【アンサンブルする上での5つの視点】
1.個性について
私がこれまで経験してきたのは、若い人たちが音楽への考え方や感じ方をとても画一的に教育されているということです。速いテンポを好みメトロノーム的に弾くよう教えられています。私の意見では、ソ連の社会主義リアリズムにとても似ていると思います。あるいは、近代的なスーパーマーケットのようだと言うこともできるでしょう。そこでは毎日同じ食べ物を買う。とても清潔で、とても健康的で、信じられないほど退屈だ。
2.テンポについて
学生が初めて私のところにやってきてベートーヴェンの四重奏を弾くと、ほとんどの場合、楽章の最初から最後まで単調な1種類のテンポで弾き通します。私が学生に説明しようとするのは、室内楽は演劇のようなものだということです。そこには色んな登場人物がいて、それぞれ声も違えば、服装も違います。ソナタ形式のアレグロ楽章であれば、第1主題と第2主題はテンポが異なり、楽章に2種類の基本テンポがあると考えるべきなのです。それによって2種類のイメージが聴き手に示され、男性的なイメージと女性的なイメージと言ってもいいでしょう。音楽の中にはたくさんの葛藤があり、演劇や人生と似ています。1種類の単調なテンポで音色の変化も無いようでは、音楽が死んでしまいます。
3.音楽での民主主義について
弦楽四重奏では民主主義のことを忘れましょう。私の信念では、ファーストバイオリンが自然とリーダーになるべきです。ファーストバイオリンは最初の合奏練習までに曲を学ばなければなりません。スコアに細かく書き込みすべきで、ボーイングだけではなく、時にはフィンガリングまでも。もちろんメンバー間で議論したり論争したりすることになるでしょうが、出発の時点から起こるわけではありません。考えるべきは、全ての楽器を1つのものとして鳴らすことです。それこそが弦楽四重奏で、16本の弦を張った1本の楽器であり、より大切なのは心を1つにすることです。
最近の弦楽四重奏団で問題なのは、メンバーが独立した個人として対等な関係になっていることです。一人が何か言うと、他の一人が何か別の意見を言う。その結果、「わかった、わかった。メトロノームでチェックして、作曲家が書いている指示と比べよう。そのテンポに従って弾こう。」となります。多かれ少なかれそれで議論は収束しますが、深く掘り下げた個性的な演奏には決してならない。誤解しないで欲しいのですが、楽譜に書かれていることはとても重要です。しかし金科玉条ではない。弦楽四重奏団で民主主義が行き過ぎると、演奏が即物的になりすぎます。もちろん多くの音楽家が私の意見に反対することは確かでしょう。しかし私は別の音楽環境で育てられました。かつてのロシアには音楽の伝統があって、ソビエト体制ですら滅ぼすことができませんでした。
4.ダイナミクスについて
私は学生に、ダイナミクスを強調しながらとてもゆっくり練習するよう指導します。ピアノはもっと小さくフォルテはもっと大きく強調し、本番で弾いているつもりで練習するのです。それから徐々に通常のテンポへ戻しつつ、ダイナミクスは強調したままにします。この練習法は素晴らしい結果をもたらします。私はこのやり方をスヴャストラフ・リヒテルから教えてもらいました。リヒテルとはピアノ五重奏でよく共演していました。リヒテルは「ピアノで弾こう、ただしフォルテで弾いているようにふるまおう。」と言っていたものです。これは、音にすべてを込めつつ音量はピアノに抑えるということです。私たちは演奏会の直前にこの練習法を実践しました。その後にステージに出ると、突然自分たちの響きがとても深くなったように感じられたものです。
5.コンクールについて
最近、コンクールの準備をしている学生が私のところにやってきて、パガニーニのカプリース作品17を弾きました。難しいことで有名なオクターブユニゾンのある曲です。学生があまりに速く弾くため、私は音符を聞き取れないほどでした。速すぎるテンポは当然学生の技術にも少々影響を及ぼしていて、あまり清潔な演奏ではありませんでした。そこで私は学生に言いました。「どうしてそんなに速く弾くのか?この曲はもっと悪魔的であるべきだ。パガニーニの肖像画のように。この曲でパガニーニを描写すべきだ。」学生はにっこり笑うと言いました。「おわかりでしょうが、ドゥビンスキー先生、もしゆっくり弾いたら私はコンクールの一次予選で放り出されるでしょう。」
ダイナミクスについての所は大変参考になるというか
私はピアニッシモのところはフォルテッシモと同じぐらいの気持ちでとか
3小節でクレッシェンドした後1小節でデクレッシェンドする場合は3小節分と同じ気持ちでとか
テンポに関してはトータルでインテンポになるように
いわゆる人生プラスマイナスゼロになるように意図するようにしてたのを思い出します。
スビャトスラフ・リヒテルの演奏を聴いてて一曲一音残らず役割を決めていつでも同じように表現できるように練習するべきだと思ったりしたものです。
ボロディン トリオはお勧めだと思います
まだ購入してないトリオもポチッとしておきました
柿島秀吉
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