知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

標準化5 

2013年05月06日 | スキルアップ
日本は、働けるのに働かない人でも、生活保護で生活ができる。
アフリカでは、一定の割合の子供が餓死する。
内戦で虐殺されている人がいる。

これは、平等か?

人は生まれながらに平等の権利を有している。

人権が「人」であることだけで認められる権利であるというのであれば(天賦人権説)、
 なぜ、餓死が許されるのだろうか?

人権は「国家」が与えるというものであれば、
 国は、国民だけの人権を保障すればよい
ということになります。

ところが、人権は「人であることから当然に認められる」というもの。
そうであれば、
 少なくとも、そのように考えるすべての国家は、すべての人の人権が保障されるように努力する義務を負う
と考える方が自然です。

人権はコップ内の権利ではない。
全体に通じるルール。
現に、国際法上、ジェノサイドという大量虐殺の禁止については、
条約に加盟していない国にも適用される普遍的なルールになっています。

ちなみに、日本国憲法は、国民はと規定されている条項が多く、
 日本国民を対象とする
ことを明確にしつつ、
 日本に在住する外国人にも性質上認められる人権(参政権などを除く)を保障しています。

外国に住む外国人の人権については、憲法では直接保障していない。

そのため、
 著作権などは、条約に従って認められる権利
として構成することになります。

TPPが訴訟をしやすくすると言われているのは、
 訴訟の場面でも、それぞれの国のコップに穴を空け、
 紛争時の解決のためのスタンダード(標準)を設定する
ことにつながるためです。

この方が、平等であるという考えに基づいています。


これからの経済面での標準化は、
 いずれは、人権保障という面での標準化をもたらす
ことになると思います。

こうした標準化の流れは、
 世界政府という国際法の究極スタイル
につながる可能性があります。

現時点では国連、世界銀行、ユニセフ、赤十字などといった国際的な機関(組織)が、
 それぞれの国を結びつけている。

これが、
 コップにたくさん穴が空く
ことで、
 充実していく可能性があります。


今は、
 コップの中のこと
だけ。

2000万円稼げば、1000万円程度は税金やら社会保障費で控除。
その財源で生活保護、福祉医療。
同じ国民だから助け合いの精神。

しかし、穴がたくさんあけば、「国民」という概念が薄くなっていく。
働けるのに働かない人の生活保護に回るくらいなら、
 餓死する子供を救うためにお金を使ってほしい。

赤十字などへの寄付金控除が増えることで、
 そういった動きも高まる。

福祉予算が削減され、
 アメリカのように食費がクーポン制になったり、
 高齢者医療(薬漬けで毎日通う高齢者)の予算が削減されたり
というように、
 福祉についても標準化されていく。

こういう流れで、
 世界が標準化していく。

これが、21世紀から22世紀にかけて起こる動きだと思います。

すでに、ITや格安航空会社によって、
 情報や人や物の自由な流れは実現されている
わけです。

次に起こるのが、
 ルールの標準化。

関税自主権という税規制の緩和。
治外法権という独自法制の緩和。

国によって、幸せに生きられるかが決まる。
生まれた瞬間に、機会が多いか、全くないかが決まる。
これは、不平等だ。

情報や経済で世界が一体化するようになれば、
このような思想的が不利な国家から生まれ、広がっていく。

そして、最終的に国家は力を失い、
 コミュニティー(都市、会社、家族)と個人が残る。

 国家というものは、役目を終えつつあるのではないか
というのが、次のテーマです。

次回は、小さな国家論と絡めて。
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標準化4

2013年05月06日 | スキルアップ
キリスト教的価値観。
これをコップと見立てる。

カノッサの屈辱など、ローマ教皇が権力を持っていた中世。
このコップは強固なものでした。

同じように、イスラム教的価値観をコップと見立てる。
十字軍はこのコップ同士の戦い。


絵画もラファエロなど宗教画が中世の主流(上野の国立美術館のラファエロ展に行ってきました)。
お金と権力を持っていたのは、教会を中心とした組織。
そのため、依頼者は教会や教会の影響を受ける貴族。
当然、宗教画が受けるわけです。

同じように音楽もバロックなどはキリスト教の影響が大きい。


当然、コップ内の小さな世界では、
 表現しきれない
ものがあるわけです。

キリスト教以外のものを描きたい。
新しい技法を試したい。

天文学でも、
 天動説はおかしい。


こういったキリスト教のコップに穴が空き始める。

当然、穴をあける輩は、宗教裁判でカトリックも対抗する。
しかし、小さな穴が空くと徐々に広がっていく。

それが、近代へと向かうルネッサンス。


近代は、キリスト教という縛りから解放され、
 お金儲けが肯定され、資本主義と結びつく。
(マックスウェーバーは、プロテスタンティズムと資本主義との関連を研究)

大量生産大量消費。
安く仕入れて高く売る。
安く多様な商品を仕入れるため、海外へ。

バケツの外に向かう。

植民地政策。
帝国主義化。

鎖国の日本は、日本文化という確固としたコップを持っていた。
そのコップを外側から穴を空けさせられた。


産業革命が、貧富の差を生み、
 資本主義の矛盾が露呈し出す。

ロシアでは、マルクスという経済学者の影響の影響を受け、
 マルクス主義の理想を求め、革命がおこり、結果としてソ連が登場。

世界大戦を得て、
 二つのバケツ(アメリカVSソ連)
の中に、コップがたくさん存在する時代に(冷戦)。

ソ連側のバケツに穴が空き始め、
 アメリカのバケツがソ連を飲み込む。

これが、現在のグローバル化の時代。

アメリカ型の資本主義社会が、世界標準となり、
 すべての国がその標準に従い競争を始める
ようになるということ。

これが、グローバルスタンダード。

TPPはさらに、アメリカ型の標準によって、
 加盟国のコップの穴をどんどん広げていく
というもの。

これによって、
 日本が食い物にされるぞ。
という危機感を抱いている人がいるのも当然のこと。

濃度が同じになるということは、
 日本が甘い環境にいた場合、標準化されることで厳しい環境に追い込まれる
ということになるため。


ソ連の商店主は、
 甘い環境
にいたわけです。

ソ連では行列は当たり前。
努力しなくても、モノが売れる。
そのため、サービスは最悪、品質も最悪。
 努力しないため。

それが、お店がたくさんできるようになり、
 国内でも競争が生まれる。

商店主にとっては、厳しい環境になった。
ところが、
 客にとっては、選択肢が増え、商品の質も上がり、サービスもよくなった。

これは、
 穴があいて、今まで当たり前だと思っていた基準
が、標準に近づいたため。


つまり、
 穴が開く
ということによって、
 プラスになるものも、マイナスになるものも存在する
ということ。

日本の場合、穴が開くことで、
 いかに規制が多く、不合理なものであるか
が露呈することになるはずです。

ガソリン価格も、暫定税率が温存されたため、他国に比べ高い。
高速道路代もやたら高く、補修費を賄うため、償還が終了しても有料を存続する方向で検討されている。

電気代もガス代も水道代も高い。
住宅の建築費も規制が多く割高。
行政に支払う手数料も以上に高い。
戸籍を取るのに450円。
登記を取るのに700円。

健康保険も、年金も、介護保険もいろいろなものが異常に高い。
効率が悪いのと、天下りを養っているのが要因。


こうした国家の強制による権限が、
 加盟国の干渉によって、規制緩和に動くことになる
はずです。

これが、穴。

アメリカの企業が宅配便ビジネスに参入するようになれば、
 ガソリン代と高速道路代
が、不当に高額であり、経営を圧迫しているという点を問題とすることになるはず。

アメリカへのロビースト活動により、日本への圧力となる。
ただ、
 こうした動きは国民にとっては利益につながる。

ある意味、黒船が江戸幕府を追い込んだように、
 外国勢が規制がらみの日本を追い込んでいく
ということ。

規制だらけの日本というコップに穴があく。

こういうと、必ず、
 日本らしさがなくなる。
 日本が崩壊する。
という批判が起こります。

これについては、
 ちょんまげを切って日本は崩壊したのか?
という反論が可能。

そもそも、日本らしさって何だろう。



このように、穴があき、
 移動が自由になる
ということは、必然的に、
 自己責任の領域が拡大する
ということになります。


次回は、この点を平等という観点から見ていきます。
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標準化3

2013年05月06日 | スキルアップ
コップに異変が起こっているというところから。

前提として、
流れない水は腐る。

これは、大事な原則です。
新しい血を入れるのを拒む会社は、潰れて行きます。
良い例が、創業一族がはびこっている会社。

創業一族は名誉職で、実際は優秀なスタッフが指揮をとるというなら、
よいですが、引っ掻き回すようになると大変です。


時代によって、利益を生み出す人材は異なるので、
様々なスタッフがいる方が、会社にとってはよいわけです。

アイデアも色々な経歴の持ち主がいた方が、
質が高くなります。

そのため、会社としても、
 コストを下げ、質は上げたい
ということから、
 紙コップに小さな穴を空けざるを得なくなる
わけです。

生え抜きだけでは、コスト面でやっていけなくなるので、
外注や、派遣社員に頼る。
外注や派遣社員は、
 ある意味、コップ外の人材を一時的にコップ内に取り入れる
というもの。

派遣社員や外注が積極的に導入されると、
 「同じような仕事では、同じような待遇を」
という動きが高まります。

どんどん穴を増やしていくと、
濃度は、バケツによって、徐々に薄くなって行きます。

穴によって、自由に出入りができるようになります。
ミジンコみたいな微生物をイメージ。

つまり、バケツの外にいる微塵粉も派遣を利用し、
会社内に入ることができるようになり、
 派遣労働法により、雇用が義務化されたので、コップ内にとどまれる
というわけです。

ただ、全体の濃度は、薄くなっていく。

さらに、解雇の要件を緩和しようという動きもあります。
派遣労働者や、65歳までの雇用義務化とセットでやらないと、
会社の負担が重くなりすぎるからです。

これは、解雇がしやすいという意味で、
 穴が空いて、ミジンコの出入りしやすくなって行くということ。

言い方を変えると、正社員の既得権益が弱体化していくということ。

 給与水準や待遇は、低くなって行く。
これは、
 低いところで標準化して行くということ。



さらに、バケツをプールに浮かべる。
バケツにも穴を空けていく。

バケツを国家と見立てる。
そうすると、プールの濃度で標準化していく。

これが、グローバル化というもの。

ただ、コップの中の濃度は異なる。
また、よく見てみると、同じコップ内でも、
 濃度の濃いところと濃度の薄いところが存在する。

そうであれば、
 有能なミジンコは、このコップは濃度がどんどん薄くなっていき未来がない
と思えば、
 コップの穴から外に出て、バケツ内の別のコップに入る
ことができる。

移動によって、濃度は全体としては、標準化していくわけですが、 
 すぐには変わらない
ので、
 濃度の比較的高い場所を探して移動ができる
ということ。

バケツ(国家)の濃度も変化していくので、
 有望なバケツに移動し、バケツの中のコップを探す
というのも一つの手。

韓国の留学生が日本企業に就職する。

これは、
 韓国企業がサムスン以外はあまり業績が上がってこない
し、
 そもそも競争が激しすぎる
ので、
 日本企業に勤めた方が少ない労力で高い報酬が期待できる
ため。

これは、日本の学生にとっては、
 競争が激しくなる
という意味。

現に、外国人枠(留学生枠)を設けている企業が増えてきています。
実際に採用してみれば、
 留学生の方が厳しい競争に耐えており、モチベーションが高く、優秀である
ことが分かるため、 
 年々採用枠が増えていく
わけです。

こういう人材は、
 コップの移動を苦にしないので、将来、東南アジアに進出する際に移動を命じても動じない。


これから、
 いろいろな穴が空き、制約が減っていく
のと同じように、
 給与水準が標準化(同じ仕事であれば、国籍に変わらず同じ水準)
していくようになるわけです。

そのほか、
 税金も標準化せざるを得なくなる
はず。
すでに、法人税ではそういった動きが出ています。
理由は、
 税が安い国に拠点が移動する
ため。


実は、こういった動きは、世界史を学べばいろいろなところで起こっています。

 ルネッサンスも穴。
 ソ連の崩壊も穴。
その辺は次回。
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