紅葉がすっかり終った玉川上水を歩いた。
水路の両側、ナラ、ケヤキ、桜などの落葉樹はすっかり葉を落としている。
木々の間から挿し込む木洩れ日が暖かく、気持ちの良い一日であった。
のんびりと歩く老夫婦、野鳥を狙う老カメラマン、キャンバスに向かう老画家、等々。
平日の日中であり、「老」の域に入った方たちが多いが、それぞれのスタイルで玉川上水の自然を楽しんでいる。
遊歩道には、ふんわりと落ち葉が積もっている。
落ち葉に隠れた木の根っこに時々つまずき、「オットット!」となりながらも、久しぶりに歩く土の感触を楽しむ。
玉川上水のすぐわきには「平櫛田中彫刻美術館」があるので、立ち寄った。
平櫛田中(ひらくしでんちゅう)が晩年、107歳でなくなるまでの10年間を過ごした邸宅があったところである。
門を入ったところには、屋根を被せた太い巨木が置いてある。(写真左奥)
なんと、田中が100歳の時に、彫刻制作のために取り寄せた原木だという。
100歳にして、創作意欲を失わなかったとは、なんとすごいことであろうか。