幸隆の国から

歴史の跡、自然、いい湯などを訪ねて出掛けたときの記録。
また、四季折々、日々の雑感です。

甲州の郷土料理「おざら」

2021-12-02 | グルメ

甲府市内にある城跡を観に出掛けた。

計画を練っているときから、甲府では「お昼は絶対にほうとうを食べるぞ!」と決めていた。

朝、甲府駅前の観光案内所で情報収集しているときに、「ちよだ」さんのチラシを見つけた。

あの駅前の信玄公の銅像からほど近いところであることをつかんでおいた。

 

午前の行動が予定より押し気味になり、お店を訪ねたのは一時半ごろになっていた。

ドアを開けるなり、女将さんらしき人が「ほうとうは、終わってしまいました」というではないか。

いきなりガツンとくるショックだったが、「おざらならできます」という言葉に気を取り直し、「おざら」をいただくことにした。

 

塗りのお皿に敷かれた簀の子に載って出てきたのは、幅広のうどんである。

ほうとうに入っているうどんと同じものであろう。

冷たくしめられたうどんを、暖かい汁につけて頂く。

鰹節の利いた汁には、短冊状の油揚げ、三つ葉のきざんだものなどが入っている。

 

箸の先にずっしりと重みを感じながら、汁に付けてすすり上げる。

この幅広のうどんは、モグモグと嚙まないと喉に入っていかないようだ。

時々食べる「ざるうどん」とは違う、初めて味わう食感である。

私は「おざら」を食べるのは始めてだったが、甲州では良く食べられていたのであろう。

チラシには、郷土料理の「おざら」を最初にメニューに入れたのは、このお店だと書かれていた。

偶然とはいえ、歴史のある良いお店だった。

なお、付け足しになるが、山梨はブドウの産地。

メニューのお酒の部には、ブドー酒(赤、白)があり、グラスはもちろんボトル(一升ビン)もあった。

 

 


平和の尊さを知る「旧日立航空機(株)変電所」

2021-12-01 | 歴史

「旧日立航空機株式会社 変電所」

それは、東大和市(東京都)の都立東大和南公園の中にある。

紅葉が真っ盛りで、公園内を散歩するにはとても良い日だった。

 

紅葉に囲まれた運動場の周りを歩いていくと、「旧日立航空機株式会社 変電所」の建物が目に入る。

東大和市は、空襲に痛めつけられた建物を後世に伝えるべく、市の文化財に指定したという。

そして、補強、改修工事をしたうえ、現在は水、日の週に二日公開している。

 

近くまで寄ると、壁面には、こっぴどくやられた銃弾の痕が痛々しい。

 

建物内部に入ると、ボランティアの方であろうか、親切に説明をして下さる。

お話によると、これは機銃が撃ち込まれて、壁に開いた穴だという。

 

二階、変圧器の鉄板を打ち抜かれた痕も残っている。

 

内部に残る設備の一部。

 

「西の原爆ドーム 東の変電所」と言われているそうだ。

ここにあった工場は、何回もひどい空襲を受けた。

変電所と給水塔を残し壊滅的被害を受け、尊い多くの人命も失われたという。

一帯は広い公園に生まれ変わっているが、地元の努力により「すさまじい攻撃の痕」は保存されている。

外壁に残るたくさんの弾痕を見ると、撃ち込まれる弾の下にいたらどれほど怖かったであろうか。

平和のありがたさを改めて認識したのだった。