57歳から始めるレンタルカートの世界

唄う物書きアマミヤユキト57歳で人生初のレンタルカートデビュー。

S660に乗って、語ってみました!

2020年01月16日 | レンタカー
さて、S660という、なんとも魅力的なクルマ。
レンタカーで初めて乗ってみました。
なんて可愛いヤツなんだろう!
(お尻もカワイイ)

もう、ほんとに惚れ込みました。
そんな僕の溺愛コメントになるんですが、
S660は、一言で言ってしまえば

『快適装備満載の贅沢街乗りゴーカート』

だと思います。

S660は、”街乗りゴーカート”でありながら、普通の乗用車としても乗れる、必要十分な装備を備えています。
① 当たり前のようですが『取り外し可能な屋根』がある。雨でも乗れます。
②パワステ、パワーウィンドウ、エアコン、オーディオ、カップホルダーもある。
③AT限定免許でも乗れる。
④ミッドシップレイアウトなのに、後方視界が極めて良い。

また、ちょっと贅沢な装備として
①車両挙動安定化システム(コーナーでのふらつき防止)、アンチロックブレーキ、トラクションコントロール
②専用カーナビシステム(Gセンサー、アクセル開度、ブレーキ踏力表示、車庫入れの際のリアモニターまである)
③ATにはパドルシフトがある。
④「スポーツモード」スイッチがある
⑤スマホを充電、連動できるUSB端子や、HDMI端子も装備
⑥クルーズコントロールもつけられる。
そして特筆すべきは

『開閉可能なリアウィンドウ』

(写真真ん中のウィンドウのみ、上下します)

これは使ってみて「ああっ、な~るほど」と思わせてくれます。
屋根なしオープンカーの状態で、リアウィンドウを

①全部閉める →  車内側へ若干、空気の巻き込みがあります。
②半分開ける →  空気の流れが変わります。頭の上を通り過ぎてゆくのが分かります。巻き込みがなくなる。
③全開する  →  空気の巻き込みなし。エンジン音がハッキリ聞こえる。

本当にこんな小さなウィンドウなんですが、その効果は絶大です。(空力って、本当にデリケートなんですね)
③のウィンドウ全開状態でアクセルオフした瞬間
『バシュンッ!』
という音が聞こえます。
S660オフィシャルサイトによると、これは、ターボエンジン特有の『ブローオフバルブ』の音だそうです。
エンジンが発生させる音も楽しんでしまおう、という演出。
クルマ好きの人達にとって、エンジン音も上質のBGMであるわけです。


オイオイ、ちょっと、ちょっと。
ホンダ愛、S660愛が強すぎじゃね?! と疑問の方もいらっしゃるでしょうね。
それ当然。
暮らしに必要だから『仕方なく』車を使っている、という方も多いでしょう。
家に、爺ちゃん、ばあちゃん、送り迎えの必要な幼稚園児、を抱えた主婦の皆さん。
車なんて暮らしの必需品、
人と、物を運ぶための『ただの道具』
だから、車は実用的でないといけない、とおっしゃる皆さん。その要求は当然でしょう。
やっぱり、室内は広い方がいい。車は4人乗れる方がいい。荷物はたくさん詰めるがいい。
乗り降りラクな方がいい。
(ついでに“肴はあぶったイカでいい”……むむっ、どっかで聞いたな……)

あのね、
S660というクルマは、その対極にあるのです。

室内、狭いです。
定員、2人しか乗れません。
荷物、全く積めません。
乗り降り、シート低すぎて、楽じゃありません。

なんなんだよ、このクルマ!!

軽自動車のくせして、お値段¥2,000,000-以上ふんだくって、なんもできんぞ!
と、お説教食らっても仕方ない。

でも、世の中には、僕のように還暦間際になっても、冬の最中、屋根、取っ払ったオープンカーで、鼻水垂らしながら、それでもうれしくって、ニコニコ走るような能天気な人種がいるのですよ。

そもそも、『そのクルマに何を求めるか?』なんですね。

S660というクルマは、最近には珍しい
『設計思想』
『設計哲学』
が鮮やかなほど感じられます。

設計者が、
『何を作りたかったか?』
『どんな車を目指したか?』

それがハッキリわかるのです。
追求したのは
『走りの質感』
『操る楽しさ』だと僕は思います。

S660オフィシャルサイトでも、『ゴーカート感覚を追求した』と、それこそ、いさぎよく、明快に述べられています。
***
では、ゴーカートとは、どんな車なのでしょうか?

一見すると、まるでおもちゃのように見えるカートですが……。
その特徴として、

◎ひとり乗りである。
◎スリックタイヤを履いている。
◎前輪と後輪の間に、重量物(ドライバーズシート、エンジン、燃料タンク)を配置している。
◎後輪駆動のミッドシップレイアウト。
これって実は、F1に代表される

『フォーミュラーカー』

の構成要素そのまんまなのです。
(ウィングなどの空力パーツはありませんが)
つまりF1を”ぎゅっと絞って小さく、シンプルにした”のがレンタルカートやレーシングカートだと言えるのです。
まさに、
『サーキットを走るためだけ』に作られたクルマです。
(当然、ヘルメット着用です)
***
S660というクルマは、街中を30㎞/hの低速で走っていても『ゴーカート感覚』が味わえる、乗用車です。
(ちなみに、レンタルカートは最高速60~70km/h,レーシングカートでは、100km/h以上出ると言われています)

しかも、ゴーカートにはない、快適装備、贅沢装備は満載。
音楽聴きながら、信号待ちではドリンクでホット一息。道案内はカーナビで。
もちろん、ヘルメットなんて、被らなくて良い。
サーキット専用のゴーカートでは実現できない、使い勝手と心地よさ。

S660は『日常使いで、十分楽しい』クルマです。

低速の街乗りでも、なぜ楽しいのか?
それこそが、この車の持つ、素性の良さ、
走りの『質感の良さ』だと思います。

例えるならば『調律の整ったピアノ』を弾くようなもの、と言えますかね。
まるで、楽器と、プレイヤーの関係によく似ているのです。
良い楽器(高価でなくても)は、いろんなことを発見させてくれます。
(ちなみに僕はギター歴46年になります)

免許取り立ての初心者ドライバーも、この車から学ぶことは多いと思いますよ。
ベテランドライバーであれば、S660の”一番おいしい部分”を引き出してくれるでしょう。
自分の技量に応じて、幅広く楽しめる設計になっています。
***
S660というクルマは極論ですが『走ること』以外、何にもできないクルマです。
でも、それが許せてしまうほど、この車は、特別な体験ができます。
ドライバーズシートに座り、エンジンをスタートさせると、もう気分は非日常。

日常使いの便利な軽自動車では、絶対味わえない体験なのです。


その部分でのみ、この『S660というクルマが存在する意義がある』と、僕は断言できます。


***写真、動画及び本文の著作権は天見谷行人に帰属します ©️Yukito amamiya 2020
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