8月19日 太刀魚


岡本さん、林さん、小笠原さん、亀ちゃんが乗船
午前4時出船
開始1投目、小笠原さんがヒット!!

しかし、連発しない。
「ダメじゃダメじゃ」とさえない会話が続く。
これも想定内。
これから9月10月になると捕食している餌がドンドン変わる。
イカを食べたり、グチを食べたり、鰯を食べたり
餌あわせが困難だ
それでも誰かがヒットする。
私のイメージの海図には、この辺で太刀魚をステイしていると読んだ!
亀ちゃんにイメージを伝える。
すると30m付近で強烈なアタリがある。やはりイメージと同じ。
そんな時、お客さんが「この場所はダメじゃ」と愚痴る。
ソー水深が違うと言う
これが一番厄介

お客さんと私のイメージが合わない。
これは良くあることだが、案内と操船は船長の役目。
船長がお客さんに尋ねるときは、ホンマはお手上げの時。
この朝は予想と一致している
全体の竿を見ているから、47m~開始して30mでヒットしている。
すると満ち潮の流れで北斜面、30m付近にいるわけだ。
これを船長はイメージしている。
そして、このとき釣れれば良かったと思う。
釣れる場所の真上で停船することは簡単だが、仕掛けが馴染むまでの助走距離が必要。
また、広大な海の上でここしかいないことも無い。
ホンマ黙って任せてほしい
船長は、そのイメージを現実を映し出す、魚群探知機と合わせて展開していく。
しかし、「ここはダメじゃ」と言い出すと、船長はブチ頭に来る。
「ホンならあんたが操船すればエエ」となげだす
まだ私だからエエが、他の船なら、「もーエエ」と言われるはず。
タイラバや、ジギングの船長も同じ、釣る前からここはダメじゃとか、もー喰わんとか言われると最悪。
長年の付き合いになる岩田会長や亀ちゃんもこんなことは絶対に言わない。
磯釣りでも、磯割りは船長判断する。
釣れない時もあるが、BESTな条件を最優先する。
それで喰わなければ、2番目3番目となる。
まだ磯釣りは一人一人の希望は受け入れられるが、船釣りはみんな一緒
最悪、困ったときは相談する。
そんな時は、岩田会長も亀ちゃんも「船長あそこはやった?ここはどうかな?」とアドバイスしてくれる
そんな会話なら安心できるが、釣れている最中、「ここはダメとか水深38mならエエ」
と言われても、船中の竿曲がり方と魚群探知機の反応で判断している。
以前、大間の「マグロ」番組でもあった。
テレビクルーが釣れない時、「スルメ以外の餌は付けないのですか」と名人に声を掛けた。
その一瞬マグロ名人の顔色が激変。
それから一切口をきかない名人
しばらくしてスルメイカで巨大なマグロを仕留めた。
ソー毎日出ている漁師でも判断が合わないことがある。
それをテレビクルーがスルメよりワカナがエエのではと言った瞬間、漁師のプライドを踏みにじる。
名人が取り込んだ瞬間、「ワシはあんたの部下では無い」「あんたに飯を食わしてもらって無い」
「黙っていおけ」これはどの船長も同じ事。
釣るか釣られるかは、ホンマ、経験と確かな自信。
名人は今はスルメがエエと判断している。
そこに経験の無いテレビADが口出しはダメ。
ちなみにその名人より漁獲高の高い漁師がいるとしたら、名人は簡単には聞かない!そして、良く釣る名人も自分からは話さない
それでも釣れない漁師が尋ねるのは、生活が掛かっているから聞く
「いまなんの餌がエエかなと」聞いて自分のイメージと重なれば付け替えるかも?
それでも相手方から「この餌がエエゾ」と言われてもスルメで押し通したはず。
それぐらい、マグロのことを釣りたいと、24時間海のことを考えている。
時間があるときは大間のマグロを何度も見ている。
心情が伝わる番組だ。
また別のマグロ番組で同じ名人が松方弘樹さんに言った一言。
海の上ではあんたも私も同じ条件。
それで釣れないのは何かが間違っている。
「見島沖でマグロは釣れても、大間のマグロは難しいんだよ」と言った。
その後、名人と松方弘樹さんは仲間になれた。
この番組も心情が伝わる。
決して海の男達は蹴落とさない。
それも尋ねてきたら全て教える。
それまでは手出しはしない。
簡単教えを請わない。
みんな一人で釣りを築く
黙って見守るだけ
それが一番永く繋がる。
この日は私がやっとこさ6匹
お客さんは4匹から5匹でした。
太刀魚は難しいぞ!
ちなみに凄腕漁師はこの日、80kgほどの水揚げ。
この差が漁師と遊びの違い





画像の太刀魚料理

3枚におろして、軽く味塩
プロセスチーズを薄く切りのせる
大葉の千切りと味付け海苔をのせる
クルクルと巻き、爪楊枝で止め
小麦粉を多めに振りかけ、天ぷらにする。
とても美味い!
これなら子供やお年寄りでも喜ばれるぞ。
直ぐ、太刀魚の天ぷら、塩焼き、太刀魚の出汁で作る、素麺をお世話になる住職さんの家にプレゼント
翌日、「90歳になる、母が凄く喜んで食べました」と連絡があった。
その一言で涙が流れた。
中村家を支えてくれた恩人、いつまでも元気で過ごしてほしい
釣りたての魚は人を喜ばせることができる
船頭職も釣れれば喜ばれる
料理も心を込めて、これなら「美味いぞ」と必死で作れば伝わる。
何でも喜んでもらうために働く。
魚も私は全て料理をして手渡す。
これならもらってもうれしい
そのままを渡すのはダメ
家庭によって生ゴミになるぞ
*******************************
中村幸春
E-mail:fffnakamura@silver.plala.or.jp
*******************************