20-012「リーディングハウス」（イスラエル）

もっとも見栄えのいい男を連れてきた女性は
　ヤンケロヴァ夫人が主催する秘密の文学クラブ。参加者は女性限定とされているが、毎週開催される会合には、なぜか男性たちも招かれている。クラブの女性たちが、誰が最も魅力的な男性を招待するかを競い合っているのだ。
　しかし部屋に入ったが最後、男性たちは2度と出てくることはなく。（「作品資料」より）


　週に一度開催される読書クラブ。
　その会員の女性たちが男性を伴い参加するが、それはただの読書クラブではなく、独自の基準で競って、一番得点の高い男性を連れてきた女性がトロフィを得る。

　１００個トロフィを得ると永久会員になれるよう。

　ソフィは９９個のトロフィを得、あと一つで上級会員になれるが、年齢を重ねた現在、なかなかいい男が捕まえられない。

　しかも主催者にはバカにされ、掃除部に落とされそうな雰囲気。

　そんな中、彼女らが働く図書館に１人の男が現れ、ソフィと親しくなり、彼女は彼を読書クラブへ誘おうとする。
　しかし、彼と何度も会ううちソフィの心に変化が起こり始める。


　女性限定の読書クラブは、愛を信じることを許さない。
　会員はあの手この手で男性を誘い、クラブに連れてきては、その見栄えを競う。
　そして連れてこられた男性たちは、入った部屋から出てくることはない。

　スリラー要素満載の話ではあるが、ソフィのロマンス的要素、そして男性の気を引こうと張り合う女性たちの姿にはコミカル要素がある。

　ソフィはどういうわけか、主催者から酷い扱いを受け、昔の写真を見ては、〝劣化する前の姿〟と言われたり、質屋のオヤジからは、皺伸ばしの注射のポスターを見ていると、〝もう手遅れだよ〟と言われたり。

　そんな中、真実の愛を見つけたと思うソフィであるが、男がソフィに近づいた裏には理由があった。

　果たして、ソフィは次の読書クラブに参加するのか。

　
　基本的にはスリラーではあるが、コミカルな要素とロマンス要素を織り交ぜた作品。
　ソフィの逆襲でもあるのかなと思わせ、先行き気になる展開。
　１人で生きてきた女性の悲哀も感じさせる内容だったな。

　真実が明らかとなった後の結末。
　これはハッピー・エンドと言えるのかな。

/５

監督：ギラッド・エミリオ・シェンカル
出演：ケレン・モル、アニア・バクシュタイン
於：ヒューマントラストシネマ渋谷