我々は世界を破壊した
第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。
しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるが。(「作品資料」より)
原爆開発のリーダーであったオッペンハイマーの栄光、そして苦悩を描いたドラマ。
オッペンハイマーのことは、あまりよく知らなかったな。
本作が製作されたことによって、その名と原爆の開発者であることを知ることになった。
物語は、オッペンハイマーが共産主義の疑いによって聴聞を受けるシーン、そしてオッペンハイマーと対立していたストローズの政府による聴聞のシーンが描かれる。
そこから回想のようにオッペンハイマーの研究と開発、戦後の核爆弾への抑制を主張する姿が描かれる。
やはりメインとなるのは、原爆開発への道のりになるだろう。
様々な困難と共に、原爆を作ることによって世界を崩壊させるかもしれないという恐怖がもたげて来て、葛藤するようになるオッペンハイマー。
それでも開発を進め、使用することも進めていく。
最初はナチス・ドイツに使用する予定だったが、ヒトラーが自殺し、原爆も必要なくなったかという空気が流れる中、オッペンハイマーは〝まだ、日本がいる〟と主張する。
原爆の父ともてはやされたオッペンハイマーであったが、やがてその栄光も危機に瀕するようになる。
複雑な気持ちにならなくもない内容ではあったが、1人の天才物理学者の姿を描いた話として興味深い1本であった。
アカデミー賞では作品賞をはじめ、7部門で受賞している。
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監督:クリストファー・ノーラン
出演:キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、ロバート・ダウニー・Jr.、マット・デイモン、フローレンス・ピュー、ケネス・ブラナー、ラミ・マレック、マシュー・モディーン、ジェファーソン・ホール、デヴィッド・クラムホルツ、ジョシュ・ハートネット、トム・コンティ、デヴィッド・ダストマルチャン、ケイシー・アフレック、ディラン・アーノルド、ベニー・サフディ
於:TOHOシネマズ池袋
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