21-108「ハンバーガー・ヒル」（アメリカ）

つまらんことだ、忘れよう
　1969年5月10日、アメリカ軍第101空挺師団は、南ベトナムのエイショウ・バレーにある丘・937高地で「アパッチ・スノー作戦」を開始する。しかし高地に陣取った北ベトナム軍からの容赦ない機銃掃射と手榴弾攻撃により、兵士たちは次々と被弾し命を落としていく。
　さらに豪雨や味方による誤射も重なって戦場は地獄の様相を呈し、10日間にも及ぶ過酷な攻防戦が繰り広げられる。（「作品資料」より）


　１９６９年、南ベトナムのエイショウ・バレーにある９３７高地奪取を目的とした〝アパッチ・スノー作戦〟を描いた作品。

　掃射攻撃によって兵士が簡単に挽肉にされてしまうことから〝ハンバーガー・ヒル〟と呼ばれたらしい。

　１９８７年製作の作品で、日本でも同年公開。
　その頃は「プラトーン」や「フルメタル・ジャケット」なども製作、公開され、ベトナム戦争映画流行りであったな。

　本作も公開時に鑑賞していたのだが、ほとんど憶えていなかった。


　アパッチ・スノー作戦に多くの兵士が従軍するが、高地からの敵の攻撃によって、それは難関となっていた。

　ただ、突撃するだけという感じで、豪雨など、自然の脅威もあり、作戦はなかなか進んでいかない。

　そんな中、多くの兵士が銃撃され、負傷、命を落としていく。

　本国では反対されているベトナム戦争に従事している夫や恋人に対し、その想いを綴る手紙を読んだり、カセットテープを聞いたりして、心乱される兵士の姿が描かれたり、作戦までの様子が描かれたりする。

　しかし、メインとなるのは、戦闘シーン。

　ドキュメンタリーのように淡々と、そして凄惨な様子が映し出される。

　ドラマチックな部分は、ほとんど排除されている。

　作戦もなく、ただ突撃しているだけのように見えるところから、次々と兵士が負傷、絶命する様は、戦闘の凄まじさを感じさせるものであるが、ちょっと話としての起伏もなく、単調さを感じる部分もあったかな。

　出演者は今となっては、ほとんど知らない俳優ばかりであったが、唯一知っていたのは、後に「アベンジャーズ」等に出演しているドン・チードルだった。

/５

監督：ジョン・アーヴィン
出演：ディラン・マクダーモット、マイケル・ポートマン、ドン・チードル
　　　コートニー・Ｂ・ヴァンス、スティーヴン・エヴァー、マイケル・ドーラン
於：シネマート新宿