17-177「ＬＯＧＡＮ ローガン」（アメリカ）

谷から銃は無くなった
　すでにミュータントの大半が死滅した2029年。
　超人的な治癒能力を失いつつあったローガンももはや不死身の存在ではなく、長年酷使してきた肉体の衰えは火を見るよりも明らかだった。彼はリムジンの運転手で日銭を稼ぎ、メキシコ国境近くの寂れた荒野で年老いたチャールズ・エグゼビアの面倒を見ながらひっそりと暮らしていた。
　ある日、ガブリエラという女性が現われ、謎の少女ローラをノースダコタまで送り届けてほしいと依頼する。そんなローラを追って冷酷非情な男ピアースが武装集団を率いて迫り来る。
　ローガンは渋々ながらもローラ、チャールズとともに、過酷なアメリカ大陸縦断の旅に出るのだったが。（「allcinema」より）


　これまで初期「Ｘ－ＭＥＮ　ファイナルディシジョン」シリーズや「ウルヴァリン：ＳＡＭＵＲＡＩ」等で活躍していた人気キャラ、ウルヴァリンの最後の活躍を描いたＳＦアクション。

　１７年に渡って演じてきたヒュー・ジャックマン、最後のウルヴァリンになるという作品。


　ミュータントがほぼ絶滅した近未来。
　治癒能力も失われつつあるローガンことウルヴァリンは、リムジンの運転手をしながら日々を過ごしていた。

　すっかり酒浸りで、荒んだ風なローガンは、普通の人間にも対等にやられてしまう程。
　そんな中、ローラという謎の少女をノースダコタまで送り届けるという仕事を依頼される。

　ローラは謎の男、ピアース率いる武装集団に追われており、巻き込まれる形となったローガンは彼女を護りながら行動を共にすることになる。


　荒んだ日々を送っていたかつてのヒーローが、一人の少女と行動を共にすることによって、やがて絆を深めていくという展開は、これまでのヒーローものでも目にしたような話だったかな。

　実は、ローガンは年老いたプロフェッサーＸの世話をしており、このプロフェッサーＸも老いと病魔のため能力が制御できない事態が発生したりする。

　すっかりかつての面影のないプロフェッサーＸとローガン。
　Ｘ－ＭＥＮという存在もないんだな。


　ローラはミュータントの希望だとプロフェッサーＸは語り、どんな秘密を持っているのかと気になったが、そんな能力を備えていたとは。

　なるほど、ローガンとは無関係ではないような感じだな。


　治癒能力を失いつつあるローガンは、闘いながら傷つき、追っ手のピアースは強大な力で追い詰めてくる。

　果たして、そんなローガンの闘いはどのような結末を迎えるのか、そしてローラの運命はどうなるのか。

　ほとんど生身の体となってしまったローガンの、まさに命を賭けた闘いに緊迫感が増す展開。


　プロフェッサーＸ、そして唯一とも思える他のミュータント、キャリバン。
　そしてローガンがたどる運命。

　なるほど、ある意味潔い結末で、確かにこれでヒュー・ジャックマンのウルヴァリンも終わりだなと納得させられる。

　
　緊迫した展開とある意味、アメコミ・ヒーローものとしては衝撃的な結末と、最後まで目が離せない作品ではあった。


　さすがにエンドロール後の映像もなかったな。

/５

監督：ジェームズ・マンゴールド
出演：ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、ダフネ・キーン
　　　　リチャード・Ｅ・グラント、ボイド・ホルブルック、スティーヴン・マーチャント
於：新宿ピカデリー