CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

22-127「冬薔薇」(日本)

2022年06月18日 21時31分17秒 | 日本映画
近づけば離れていく、そして誰も近づこうとしない
 学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみながら、友人たちから金をせびってダラダラと中途半端に生きる渡口淳。埋立て用の土砂を船で運ぶ海運業を営む彼の両親は、時代とともに減っていく仕事や後継者不足に頭を悩ませながらも、なんとか日々をやり過ごしていた。
 淳はそんな両親の仕事に興味を示すこともなく、親子の会話もほとんどない状態だった。
 ある日、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。そこで思いも寄らぬ人物が犯人像として浮かび上がる。(「作品資料」より)


 両親とも本音を言い合えず、思い立ったかのようにデザイン学校へ入学するが、ほとんど通っていない渡口淳。

 有人や女性から騙して金をせびり、不良仲間とつるんで半端な日々を過ごしている。

 共感できるような人間として最初は描かれていない。

 しかし、淳の両親もどこか彼を突き放しているような感じで、特に父親は日常では接しているが、何も彼に言ってこない。

 不良仲間からも見放され、拠り所がなくなっている状態である。

 そんな中で、母親の弟が父親の会社で働くこととなり、その息子、淳の従兄も近くで働くこととなる。

 そこで、思わぬ事件が発生する。

 これで淳が追い込まれるのかなと思ったが、ことは別の方向へと展開していく。

 それでもある意味、追い込まれているのかなという印象。

 小さいながらも海運業を営んでいる父親の仕事を継ぐのかというところも気になるところであるが、父親は全くそのことを口にしない。

 誰も淳に近づいてこようとしない中で新たな道を踏み出そうとする淳であるが、最後に彼に手を差し出すのは。

 再生の物語となるのかと思ったが、ラストは何とも皮肉な結末であったな。

 これまでの自分の生き方によって生み出された結末。

 淳を演じたのは、伊藤健太郎。
 事件以後、初の主演作品だと思うが、やはり存在感があるなという印象であった。

/5

監督:阪本順治
出演:伊藤健太郎、小林薫、余貴美子、眞木蔵人、永山絢斗、毎熊克哉、坂東龍汰、河合優実、佐久本宝、和田光沙、笠松伴助、伊武雅刀、石橋蓮司
於:ユナイテッド・シネマ幕張

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