19-226「ホット・サマー・ナイツ」（アメリカ）

夏鳥がキスをしてきた
　1991年、アメリカ。高校を卒業したばかりのダニエル・ミドルトンは、少し前に父を亡くし、その大きな喪失感から抜け出せずにいた。
　そんなダニエルを心配した母親は、気分転換になればと、夏のあいだ彼を海辺の小さなリゾート地ケープコッドに住む叔母のもとに預ける。しかし結局誰とも馴染めず、自分の居場所を見つけられずにいたダニエル。
　そんな時、地元で札付きのワルとして知られていたハンター・ストロベリーと出会い、意外にも意気投合する。やがて大麻の売人をしていたハンターの仕事を手伝い才覚を発揮するダニエル。
　その一方で、彼から絶対手を出すなと警告されていた妹マッケイラとも秘かに付き合い始めるが。（「allcinema」より）


　父親を亡くし、喪失感を抱えた少年、ダニエルは、夏の間に叔母の住むリゾート地、ケープコッドで過ごすことになる。

　そこで、地元で大麻を売っている売人、ハンターと知り合い、一緒に売人の仕事を行うようになる。
　更に町一番のホットな女の子、マッケイラと出逢い、恋に落ちていく。

　見た目は冴えない感じの少年が、クールな一夏を体験する青春グラフィティ。

　しかし、甘い内容ではなく、ビターな青春。


　ちょっと悪な男と知り合って友人となったり、町一番の少女と恋に落ちるなどというのは、よくある青春ストーリーという雰囲気ではあるが、こちらはビターというか、かなり危険な体験。

　人を殺したこともあるという噂のあるハンターと一緒に大麻を売り、何故か才能を開花させて、大金を得るようになるダニエル。

　マッケイラとも徐々に近づいていくダニエルであるが、実はマッケイラはハンターの妹で二人はある問題で口を利かなくなっている。

　しかし、ハンターはマッケイラに近づくことを禁じる。

　マッケイラとの恋に関しては、ダニエルの行動はしょうがないと思うような気持ちもあるが、大麻の売人としての仕事に関しては、更に危険な領域に入り込んでいくようで、危うい感じを受ける。

　早く止めればいいのにと思ってしまう。

　そして、この一夏の結末もかなり衝撃的なもの。

　甘くほろ苦い青春ものを期待すると裏切られる感じを受けなくもないが、危険な夏の体験として、緊張感ある展開の作品ではあったな。

/５

監督：イライジャ・バイナム
出演：ティモシー・シャラメ、マイカ・モンロー、アレックス・ロー、マイア・ミッチェル
　　　ウィリアム・フィクトナー、トーマス・ジェーン、エモリー・コーエン
於：新宿シネマカリテ