17-096「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」（アメリカ）

ループを出たら、時間が追いつく
　フロリダに暮らす孤独な高校生ジェイクにとって祖父だけが唯一の理解者だった。幼い頃から祖父の語る荒唐無稽な冒険譚を聞くのが大好きだった。
　ある日、その祖父が謎めいた死を遂げる。やがてジェイクは祖父が最期に遺したメッセージに導かれ、英国ウェールズのとある小さな島へとやって来る。そして大きな屋敷の廃墟を目の当たりにするジェイクだったが、島を彷徨ううちに、いつしか屋敷が焼け落ちる前の世界へと迷い込んでしまう。
　そこでは美しい女主人ミス・ペレグリンと、奇妙な能力のために外の世界では生きられない子どもたちが暮らしていた。
　第二次大戦でドイツ軍に空爆されたはずのその屋敷は、時間を操ることができるミス・ペレグリンによって同じ一日を繰り返し、子どもたちは年をとることもなく平和に生き続けていたのだが。（「allcinema」より）


　「アリス・イン・ワンダーランド」等のティム・バートン監督の最新作。


　孤独な高校生だったジェイクは、祖父の死をきっかけに、イギリス、ウェールズのある島へ渡り、屋敷の廃墟を見つける。

　そこで、ちょっと変わった子供たちと出会い、彼らについていくと、焼け落ちる前の屋敷に入り込み、そこの主人であるミス・ペレグリンに出会う。

　そして、彼女と子供たちの秘密を知り、やがて自分自身の中にもある不思議な力に目覚めていく。


　平凡な少年が、不思議な体験をするうちに自分の力に目覚め、やがて自分のやりたいこととその責任感に目覚めていくという成長物語。


　子供たちはかなり変わった能力を持っている子ばかりで、可愛らしいというよりも、ちょっと怖さもある感じで、これはティム・バートンらしいと思っていいのかな。


　ミス・ペレグリンと子供たちは、ループという機能を使って、同じ１日を繰り返して生き、永遠に同じ風貌のまま生きている。
　それは安心の日々であったが、そこにその生活を脅かそうとする者が現れる。

　ジェイクはそれを阻止し、ミス・ペレグリンと子供たちを護るために奮闘する。


　少々変わった子供たちの存在に、それを脅かそうとする者の登場。
　しかもその狙いが目玉を食うということで、内容的には結構ダークなファンタジーである。

　子供たちを狙うバロンを演じたのが、「アベンジャーズ」などのサミュエル・Ｌ・ジャクソンであったが、悪役ではあるが、彼らしい雰囲気のキャラであったな。


　展開的には王道的な成長物語であったが、ティム・バートンらしいクリーチャーのようなものも登場し、ダーク・ファンタジーとして楽しめる一本であった。

　タイトルにもなっているミス・ペレグリンは、キーとなる人物ではあったが、クライマックスでは活躍することもなく、ジェイク、そして子供たちが奮闘するという展開であった。

/５

監督：ティム・バートン
出演：エヴァ・グリーン、エイサ・バターフィールド、サミュエル・Ｌ・ジャクソン、クリス・オダウド
　　　アリソン・ジャネイ、ルパート・エヴェレット、テレンス・スタンプ、エラ・パーネル、フィンレー・マクミラン
　　　ローレン・マクロスティ、ラフィエラ・チャップマン、ヘイデン・キーラー＝ストーン、ジョージア・ペンバートン
於：新宿ピカデリー