CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

17-326「三度目の殺人」(日本)

2017年11月14日 00時30分01秒 | 日本映画
ここでは誰も真実を言わない
 勝ちにこだわるエリート弁護士の重盛朋章は、同僚がサジを投げた依頼人・三隅高司の弁護を渋々ながらも引き継ぐことに。
 三隅の容疑は、解雇された工場の社長を殺害し、遺体に火をつけたというもの。30年前にも殺人を犯した前科があり、自白もしているため死刑は確実と見られていた。
 さっそく重盛は無期懲役に持ち込むべく調査を始める。ところが、肝心の三隅は証言をコロコロ変え、味方であるはずの重盛にも決して本心を語ろうとしない。
 そんな中、三隅と被害者の娘・咲江との意外な接点を突き止める重盛だったが。(「allcinema」より)


 「そして父になる」の是枝裕和監督の法廷ミステリー。

 解雇された工場の社長を殺し、遺体に火をつけたとして死刑求刑も免れない三隅高司。

 しかも弁護士に対しても、その証言はころころと変わり、さじを投げた弁護士は、同僚のエリート弁護士、重盛朋章に仕事を依頼する。

 重盛は裁判に勝つには真実は必要ないという信条で仕事を進める男で、死刑確定と思われる三隅を無期懲役に持ち込むべく調査を開始する。

 相変わらず変わっていく三隅の証言に振り回されながら、調査を進めていくうちに違和感を覚えていく重盛。

 そして重盛は事件の裏に隠された秘密に惹き込まれていき、いつしか真実を知りたいと思うようになる。

 
 法廷サスペンスであるが、法廷でのやり取りよりも、重盛が調べていくうちに明らかになっていくもの、そしてそこから推測されるものに重点を置いている。

 そして、重盛たちにもあたり良く対応する三隅であるが、証言を次々と変えていく様子は、ちょっとその真意が測りかね、時に異様さも感じるほどである。

 なかなか真実が明らかにならない中、殺された工場社長の妻と娘の様子も、怪しい感じのところがあり、ここに真実が隠されているのではないかと思わされる。

 被害者の娘、咲江が三隅と接点があったこと、そしてそこからたどり着いた秘密が、三隅の動機ではないかと予想される。

 しかし、いよいよ法廷で真実が明かされるのかと思ったところで、三隅がまた証言を変える。

 これによって三隅の動機が確信されたとは思ったのだが、最後は観ている方に真実は何かを問いかけるようにして終わる。

 ラストとしてはモヤモヤした感じは残るが、その過程は見応えがあり、惹き込まれるサスペンスであった。


 クライマックス、接見室で福山雅治演じる重盛と、役所広司演じる三隅が対峙するシーンがあるが、さすがにその演技にはちょっと差があるなという印象だったな。

/5

監督:是枝裕和
出演:福山雅治、広瀬すず、満島真之介、市川実日子、松岡依都美
    橋爪功、斉藤由貴、吉田鋼太郎、役所広司、蒔田彩珠、井上肇
於:新宿ピカデリー

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