CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

17-126「3月のライオン 前編」(日本)

2017年04月30日 18時43分00秒 | 日本映画
キミは将棋、好きか?
 東京の下町でひとり暮らしをしている17歳の青年、桐山零。9歳の時に交通事故で家族を失い、父の友人である将棋のプロ棋士、幸田柾近に引き取られた彼は、将棋しか生きるすべはないと強い覚悟で勉強を重ね、史上5人目の中学生棋士としてプロデビューを果たす。
 しかし一緒にプロを目指していた幸田の実の娘・香子は、実力の世界の厳しい現実を突きつけられ、親子の関係にも暗い影を落としてしまう。責任を感じた零は幸田家を出て、下町にアパートを借り、1年遅れで高校にも通い始める。
 そんなある日、具合が悪くなって道端に倒れていた零は、近くに住む川本あかりに助けられ、彼女の自宅で介抱される。
 以来、面倒見のいい長女あかり、がんばり屋の次女ひなた、天真爛漫な末っ子モモという明るい川本3姉妹との思いがけない交流が始まる零だったが。(「allcinema」より)


 中学生でプロになった史上5人目の棋士、現在は高校生プロの桐山零。
 そんな彼が家族や周囲の人々、将棋のことで思い悩みながらも厳しい勝負の世界へ踏み込んでいく姿を描いた作品。

 
 天才と言われる高校生棋士の桐山零が、将棋で様々な壁にぶつかりながらも戦っていく様子が描かれるが、それと共に、幼い頃に父母妹を亡くし、プロ棋士の幸田の家へと引き取られるが、彼の存在がやがて父娘の確執を引き起こす。
 そんなことが零の心に影となっている様子も描かれる。

 零は幸田家を出て、下町で一人暮らしを始め、やがて母親を亡くしながらも明るく過ごす川本3姉妹と出会い、初めてと言っていいほどの暖かな気分を味わう。

 それでも零の後を追ってくる様々な苦悩の影。


 実は将棋が好きだったわけではないのだが、生きるために将棋をすることを選んだ零。
 そして将棋に自分の居場所を見つけ出そうともがき苦しむ。

 川本3姉妹との交流と、義姉である香子との関係、更に先輩棋士たちとの対決など、なかなか話の展開としては興味深く、面白い作品であった。

 高校生ではあるが、かなり激動な人生を送っている零。

 零に冷たく当たる者もいれば、零を暖かく迎える者もいる。

 そんな中で棋士として成長していく零。

 将棋の対決自体は、挫折も見せるが、成長した戦い、更に天才の片鱗を見せる。

 因縁ある後藤九段、更に絶対王者である宗谷名人との対決は2部作の後編での楽しみという感じではあるが、緊迫した対決シーンは楽しめた。

 そうは言っても、将棋を知っているわけではないので、雰囲気からの感想ではあるが。


 そう言えば、現実の将棋の世界でも、史上5人目の中学生プロ棋士である藤井四段が誕生し、非公式戦ながら羽生三冠に勝ったということが話題となっていたな。


 零や川本3姉妹が暮らすのは下町の隅田川の近く。
 零の部屋から見える風景や、彼らが生活する町の情景はなかなか良かったな。


 将棋はよく判らないが、その戦いの中へ立ち向かっていく零の緊迫した姿と、彼を愛憎様々に取り巻く人々の様子にも惹かれるものがあり、面白い作品だった。

 後編も楽しみである。

/5
監督:大友啓史
出演:神木隆之介、倉科カナ、清原果耶、新津ちせ、前田吟、板谷由夏、豊川悦史、有村架純
    佐々木蔵之介、染谷将太、加瀬亮、伊藤英明、高橋一生、岩松了、斉木しげる、中村倫也
於:新宿ピカデリー

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