安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

2019年回想【出かけたジャズ・ライブ、クラシック演奏会、登山・ハイキングのベスト3】

2019-12-31 17:05:00 | 演奏会・ライブ

2019年も本日で最終です。本年を振り返ってみました。

この1年間に出かけたジャズのライブは21回で、クラシックの演奏会も同じ21回で、あわせて42回でした。面白かったものが多いのですが、とりわけ印象に残ったものを回想してみました。

(ジャズ・ライブベスト3)

山田穣(as, ss)カルテット  (12月1日  安曇野市いさつ歯科)
山田敏昭(p)トリオ+山田丈造(tp)( 3月8日  札幌市 SLOWBOAT)
ロバータ・ガンバリーニ(vo)  (5月13日  甲府市 COTTON CLUB)

熱いハードバップを楽しめたライブが記憶に残りました。山田穣や山田敏昭さんのライブでは、参加ミュージシャン各人のソロがたくさん聴けたのもよかった。ガンバリーニは、スタンダード曲が抜群でした。

他にも、ヴィンセント・ハーリング(as)、ファブリシオ・ボッソ(tp)、ジェブ・パットン(p)の演奏、シーネ・エイや情家みえ、門馬瑠依さんの歌も忘れられません。

山田穣(as, ss)

山田敏昭(p)

山田丈造(tp)

ロバータ・ガンバリーニ(vo)、ジェブ・パットン(p)

(クラシック演奏会ベスト3)

ファビオ・ルイージ指揮サイトウ・キネン・オーケストラ:マーラー交響曲第1番/シュミット交響曲第3番 (8月23日 松本市キッセイ文化ホール)
アレクサンドル・ラザレフ指揮群馬交響楽団:グラズノフ「四季」/プロコフィエフ「ロミオとジュリエット」 (10月26日 高崎芸術劇場)
小林研一郎指揮群馬交響楽団:チャイコフスキー交響曲第4番・ヴァイオリン協奏曲 (7月14日 上田市サントミューゼ)

ファビオ・ルイージ指揮によるマーラー交響曲第1番はかなりな名演に入るものだろうと、いま書きながら想い出しています。ラザレフ指揮のロシアプログラムも群響がよく応えた演奏のように思われ、ダイナミズムを感じました。

小林研一郎指揮によるチャイコフスキーは、情熱的な演奏で大いに楽しめ、木嶋真優さんのヴァイオリン独奏も光っていました。また、「エフゲニー・オネーギン」、「フィガロの結婚」、「椿姫」とオペラを3作品観ることができて、それも記憶に残りました。

ファビオ・ルイージ(指揮)とサイトウ・キネン・オーケストラ(2017年の公演の写真です)

アレクサンドル・ラザレフ(指揮)

小林研一郎(指揮)、木嶋真優(vn)

(2019想い出に残る山行ベスト3)

2019年は登山・ハイキングへ15回行きました。全て日帰りですが、天候や私事で日程がとれず前年に比べ回数は減りました。

雷鳥の親子とコマクサに出会った蓮華岳登山 (8月18日 大町市・立山町)
残雪期の火打山登山 (5月12日 新潟県糸魚川市・妙高市)
紅葉の風吹大池 (10月5日 北安曇郡小谷村)

ベストは、扇沢から針ノ木峠を経て上った蓮華岳です。ライチョウの親子、コマクサの群落を見ることができ、さすがの北アルプスです。白銀の別世界に感動し、達成感もあった「火打山」、紅葉などの自然の美しさに陶然とした「風吹大池」など楽しみました。

1月から3月までの冬の時期に「飯綱山」、「スノーシューで北横岳・縞枯山」、「八方尾根(唐松岳山荘まで)」にも行っていて、雪にも親しんだ年でした。年齢的に無理はできないので、マイペースで来年も登山・ハイキングへ出かけたいと考えています。

針ノ木峠

雷鳥の親子

蓮華岳のコマクサ

火打山

風吹大池

本年はこの記事が最終です。今年一年間ご覧いただきありがとうございました。皆様、よいお年をお迎えください。by azumino


小野明子ヴァイオリン・リサイタル (12月20日 長野県上田市サントミューゼ)

2019-12-21 20:24:55 | 演奏会・ライブ

小野明子ヴァイオリン・リサイタルが上田市であったので聴いてきました。お目当ては、リヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタです。

   

(出 演)

小野明子(vn)
高橋多佳子(p)

   

(曲 目)

エルガー:愛の挨拶
シューベルト:ヴィオリン・ソナタ 第1番  ニ長調  D384
R. シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18

〈休憩〉

J.S. バッハ:無伴奏パルティータ第3番より「ガヴォット」
ドヴォルザーク(クライスラー編):スラブ舞曲 第2番 ホ短調 Op.72-2
ブラームス:ハンガリアン舞曲 第5番
ショパン:ノクターン 第8番 変ニ長調 Op.27-2(高橋多佳子のピアノソロ)
フォーレ:シシリアーノ
ハチャトリアン(ハイフェッツ編):バレエ「ガイ-ヌ」より”剣の舞”
グラズノフ(ジンバリスト編):バレエ「ライモンダ」より”グランド・アダージョ”
チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ Op.34

サラサーテ:チゴイネルワイゼン (アンコール曲)
モンティ:チャルダッシュ    (アンコール曲)

(感 想)

小野明子さんのヴァイオリンの音が迫力があるにもかかわらず高音、低音ともに刺激的にならずきれいで、楽しめた演奏会でした。ヴァイオリンソロの「ガヴォット」はじめ美音が目立っていました。

リヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタは、ことにピアノパートが難曲として知られていて、どんな演奏になるのか注目していたのですが、高橋多佳子さんは、僕の見ている限りでは軽々とこなして、小野さんとの息もピッタリ合っているように感じ、この曲は本日のハイライトでした。

後半は、ダンスに関連した曲を集めて演奏されました。小野さんの選曲が良く、フォーレの「シシリアーノ」の妙なるハーモニー、グラズノフのライモンダより「グランド・アダージョ」の胸をうつ旋律は、とりわけ印象に残りました。

高橋さんがピアノソロで、ショパンのノクターンをやってくれましたが、しっとりとして、良い演奏でした。会場で彼女の最新CD「ショパン ピアノ協奏曲第1番」を買い求めサインをもらいました。ライブ録音ですが、僕はその会場で実演を聴いたので、買おうと考えていたのでちょうど良い機会でした。

【高橋多佳子 ショパン:ピアノ協奏曲第1番他】

   

   


小山実稚恵ピアノリサイタル (12月7日 松本市音楽文化ホール)

2019-12-08 20:02:01 | 演奏会・ライブ

小山実稚恵さんのピアノリサイタルが近くであったので、でかけてきました。

   

(出 演)

ピアノ:小山実稚恵

小山さんのプロフィールは次のとおりです。

 (曲 目)

W. A. モーツァルト:J-P. デュポールのメヌエット主題による9つの変奏曲 ニ長調  K.573
F. シューベルト:即興曲集 D935 Op.142
        1 ヘ短調、2 変イ長調3 変ロ長調4 ヘ短調            

〈休 憩〉

L. V. ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番 変イ長調 Op.110
F. ショパン:ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
F. ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22

(以下アンコール曲)

F. ショパン:マズルカ第45番 イ短調 Op.67-4
F. ショパン:ノクターン 変ホ長調 Op.9-2
F. ショパン:ワルツ第1番変ホ長調Op.18 「華麗なる大円舞曲」
 

(感 想)

小山実稚恵(p)さんは、協奏曲の独奏者としては3回聴いたことがあったのですが、ソロとしては初めてでした。協奏曲では曲想にあった堅実な演奏をするというイメージだったのですが、今回のリサイタルでは迫力満点のスケールの大きな演奏が続いたので、ちょっと驚かされました。

ことに、シューベルトの即興曲集では、情熱の限りを尽くすという言葉を連想するような激しく燃えるような演奏だったので、この曲に対するイメージも変わりました。4番での低音部の音の響かせ方は、デモーニッシュ(悪魔的)なものを感じさせるほどでした。

ベートーヴェンのピアノソナタ第31番も同様な感想を抱き、第1楽章は叙情も流れていましたが、第3楽章では低音を鳴らしきっていました。ショパンの曲では旋律を浮きただせて曲の美しさを引き出していて、アンコール曲も含めてポピュラーなナンバーが並んだこともあり、楽しく聴かせていただきました。

【参考に聴いたCD】 

   

 フリードリヒ・グルダ(p)の演奏で、ベートーヴェンのピアノソナタ第31番を聴きました。


山田穣(as,ss)カルテットライブ (12月1日 安曇野市いさつ歯科)

2019-12-02 20:06:47 | 演奏会・ライブ

山田穣(as,ss)カルテットのライブがいさつ歯科医院であったので、聴いてきました。

   

(出 演)

山田 穣(as,ss)
松本 茜(p)
千北祐輔(b)
高橋 徹(ds)

(曲 目)

There is No Greater Love (Isham Jones)
A Child is Born (Thad Jones)
Driftin' (Herbie Hancock)
Every Time We Say Goodbye (Cole Porter)
Rhythm-A-Ning (Thelonious Monk)

〈休憩〉

Nature Boy (Eden Abba)
On A Slow Boat to China (Frank Loesser)
即興のブルース (山田譲)
My Foolish Heart (Victor Young)
Softly, As In A Morning Sunrise (Sigmund Romberg)
Everything Happens To Me (Matt Dennis) (アンコール曲)

   

山田穣(as)

(感 想)

メンバー良し、曲良し、演奏良しの稀に見る素晴らしいライブでした。山田穣さんは、初めてでしたが、スイングジャーナル誌のアルトサックス部門で3年連続(1998~2001年)人気投票の一位を獲得した経歴が納得できる演奏でした。楽器が鳴りきり、チャーリー・パーカーからの伝統を踏まえたビバップ・フレーズの洪水は、気持ちよいこと半端ではありませんでした。

途中で倍テンポになった「There is No Greater Love」、中低音域を生かした温かいサウンドで魅了した「On A SLow Boat to China」、カデンツァから入った「My Foolish Heart」などが特に記憶に残りました。ソプラノサックスは、コルトレーンからの影響がみてとれ、「Nature Boy」はモードがかっていました。

松本茜(p)さんを聴くのは3度目です。今までの2回はそう印象になかったのですが、今回は、バッキング、ソロともに目を見張るようでした。「On A Slow Boat to China」のソロでは、前半を右手高音のキラキラフレーズで、後半を左手も含めた厚い和音でリズミカルに盛り上げ、その流れのうまさに驚かされました。

千北祐輔(b)さんについては、ある方から「いいベースだからよく聴いてきて」と言われていたのですが、そのとおりで、フューチャーされた「Driftin'」では太くよく伸びるサウンドで熱演していました。高橋徹(ds)さんも、山田穣作の即興ブルーズで、熱いやりとりをしていました。

   

松本茜(p)

演奏終了後。左から、松本茜、山田穣、千北祐輔

   

千北祐輔(b)

高橋 徹(ds)

   

山田穣(ss)

こういうライブならまた聴きたいと頗る満足して帰途につきました。また、松本茜さんのピアノトリオ編成でのリーダーライブを聴いてみたくもなりました。 


トリエステ・ヴェルディ歌劇場「椿姫」(11月3日 高崎芸術劇場)

2019-11-06 20:03:10 | 演奏会・ライブ

群馬県の高崎芸術劇場で、トリエステ・ヴェルディ歌劇場によるヴェルディの歌劇「椿姫」の公演があったので、出かけてきました。高崎芸術劇場におけるオペラの初公演です。

    

(出 演)

指揮:ファブリツィオ・マリア・カルミナーティ
演出:ジュリオ・チャバッティ

ヴィオレッタ:デジレ・ランカトーレ
アルフレード:ジュリオ・ペッリグラ
ジェルモン:ドメニコ・バルツァーニ
フローラ:マルタ・リュン
ドゥフォール男爵:フィリッポ・ルネッタ
ドビニー男爵:クラウディオ・マンニーノ
アンニーナ:アルバーネ・カレール
ガストン子爵:ブラゴイ・ナコスキ
医師グランヴィル/フローラの召使い:ジョヴァンニ・アウジェッリ
ジェゼッペ/使者:ヴィンチェンツォ・サリネッリ

トリエステ・ヴェルディ歌劇場管弦楽団・合唱団

(感 想)

「椿姫」は、ストーリー、音楽、舞台、美術と、代表的なイタリアオペラだけあって、素晴らしい時間を過ごすことができました。「乾杯の歌」、「ああ、そは彼の人か~花から花へ」、「プロヴァンスの陸と海」などなど旋律美に溢れたヴェルディの音楽を堪能でき、高崎まで出かけた甲斐がありました。

パリ社交界を舞台にした作品ですが、舞台はやや簡素ながら、宴会の場面では1幕と2幕で衣装を替えるなど豪華な感じもあり、2幕ではバレエもあって、きちんとしたよい演出で、さすがにイタリアの劇場だと思いました。最初の序曲から弦楽器パートの響きがよく、木管にもう少し柔らかさがほしかったのですが、楽団も熟達しているようでした。

ヴィオレッタを演じたのは、デジレ・ランカトーレで、歌ばかりでなく、自然にみえる演技で好演していました。特に3幕では、病床にありながら歌を歌うのは本来不自然なのですが、それを感じさせないところが印象的でした。ただ、時に高域がきれいに出ていない気がするところがあり、歌い通しはたいへんです。

アルフレード役のペッリグラの明るく甘めな歌唱もよかったのですが、ジェルモン役のバルツァー二のどっしりとした歌、演技が舞台に重みを与えていて存在感がありました。観客は、8~9割程度は入っていたと思われ、一階はほぼ満席でした。

   

   

   

【持っているDVD】

アルフレード役のロベルト・アラーニャがよいです。