安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

フィニアス・ニューボーン JR. HARLEM BLUES

2012-11-28 22:42:51 | ピアノ

携帯電話は、ドコモのFOMA機種を長く使っていたのですが、スマートフォンに機種変更して、先日発売された「GALAXY Note Ⅱ」を購入しました。FOMA機種にはない、テザリング(スマートフォンを使って、パソコンなど他の端末からインターネットに接続する機能)やカーナビが使えるなど、高機能が便利です。テザリングについては、LTE地域だと光回線並みの通信速度ですし、FOMA地域でも快適に使えています。長野市の自宅のフレッツ光を解約しようかと考え始めました。高度なテクニックを持ったピアニスト。

PHINEAS NEWBORN JR. (フィニアス・ニューボーン JR.)
HARLEM BLUES (CONTEMPORARY 1969年録音)

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これは、初めて買ったフィニアス・ニューボーン Jr.の作品です。買った当初は、自分のパイオニア製の小型コンポーネントで聴いていたのですが、低音が全く出なかったので、実家の山水製の大きなステレオで専ら聴いていました。特に、レイ・ブラウンのベースの音は、当時は、大きな装置でなければなかなか鳴ってくれませんでした。演奏内容もさることながら、オーディオも大事だと思い知らされたアルバムです。

フィニアスの演奏は、両手によるユニゾンなどテクニックがすごくて、こんなプレイができるのかとはじめはびっくりしたものです。精神疾患により、演奏活動が中断した期間がありますが、復帰後でも立派なプレイをしていて、ブランクがあったことを感じさせません。この5年ぶりに録音されたアルバムは、共演者に恵まれたこともあって、注目の一枚です。なお、同じ録音セッションからは、「Please Send Me Someone To Love」が発売されています。

メンバーは、フィニアス・ニューボーン(p)、レイ・ブラウン(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。曲は、フィニアスの自作「Harlem Blues」、レイ・ブラウンの「Ray's Idea」、ホレス・シルバーの「Cookin' at The Continental」と、後はスタンダードで、「Sweet And Lovely」、「Little Girl Blue」、「Stella by Starlight」(星影のステラ)、「Tendery」の7曲。

最初の曲「Harlem Blues」は、レイルウェイ・ソング(鉄道の歌)のような推進力があって快活で楽しい曲で、フィニアス(p)はリズミカルに演奏しています。「Little Girl Blue」では、レイ・ブラウン(b)のよく伸びる音による伴奏が絶妙で、上昇する細かいフレーズも弾いていて、最も印象に残ります。前奏からフィニアスの華麗なプレイが展開される「Stella By Starlight」、エルヴィン・ジョーンズ(ds)に煽られて熱いプレイが続く「Cookin' at The Continental」と、一気に聴かせます。

【GALAXY NoteⅡ】

    Galaxynote
携帯電話としては大きめですが、文字入力やカーナビとして使用するときなど、僕には画面が大きくてありがたい。独立系の携帯電話の販売店のおすすめは、iphoneでしたが、メールアドレスを変えたくなかったので、アンドロイド系のdocomoのものにしました。使い勝手はよくて、この製品に今のところ満足しています。 


シルヴィア・テリス AMOR EM HI-FI

2012-11-25 09:40:06 | ヴォーカル(S~Z他)

天気が良くて、飯田市内から冠雪した南アルプスの美しい姿が遠望できたので、写真に撮ってみました。安曇野市で北アルプスを眺めて育った僕は、遠くからの山岳景色が好きで、見ているとホットするところがあります。この南アルプスの景色には、遠くから見ると穏やかそうな峰ではあるけれど、凛とした雰囲気を感じます。そんなムードの歌(ボサノヴァ)が収録されたアルバム。

SYLVIA TELLES (シルヴィア・テリス)
AMOR EM HI-FI (PHILIPS 1960年録音)

 Amoremhifisylviatelles

シルヴィア・テリス(「シルヴィア・テレス」の表記もあります)のボサノヴァ・アルバムです。スタンダード曲のメドレーやよく知られたボサノヴァ・ナンバーが収録されていて、親しみやすいものです。掲げたジャケットはLPのものですが、CDは1998年に国内発売されているので、中古が容易に入手できます。

彼女の歌は、ボサノヴァの定番であるガット・ギターの入った伴奏による、高めの声によるささやき型ではなく、管楽器なども入ったコンボ伴奏によるしっかりとした発声によるものです。例えて言うと、ジャズを歌う人がボサノヴァを歌ったという感じに近いでしょうか。したがって、ポピュラーやジャズ・ヴォーカルが好きなファンも彼女の歌に馴染みやすいのではないかと思います。僕はそうでした。

曲は、ボッサ・ナンバーが、「Samba torto」、「Corcovado」(コルコヴァード)、「Tete」、「Se E Tarde Me Perdoa」、「Chora Tua Tristeza」、「Dindi」、「Oba-La-La」、「Samba De Uma Nota So」(ワン・ノート・サンバ)、「Cardez Moi Pour Toujours」、「Nao Gosto Mais De Mim」、そしてスタンダード・メドレーで、「All The Way」、「The Boy Next Door」、「They Can't Take That Away From Me」の11トラック、13曲です。

アントニオ・カルロス・ジョビン作「Corcovado」(コルコヴァード)は、当然ポルトガル語による歌唱で、ストリング伴奏によりテリスのクリアーな歌声が映えています。リズミカルで明るい「Se E Tarde Me Perdoa」、彼女に捧げられた名曲「Dindi」、ジョビン作「Samba De Uma Nota So」(ワン・ノート・サンバ)とボサノヴァの名曲名唱が続きます。なお、「Corcovado」は、1962年にジーン・リースの詞がついて「Quiet Nights of Quiet Stars」(「静かな夜」という邦題もあります。)として発表され有名になりましたが、テリスは別のアルバム「The Music of Mr.Jobin」(1965年録音)では、その英語詞で歌っています。

ホームページのヴォーカルに、シルヴィア・テリスを掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう シルヴィア・テリス

【飯田市内からの南アルプスの光景】

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仙丈ケ岳(3033メートル)


ジョニー・グリフィン THE KERRY DANCERS

2012-11-18 19:55:00 | テナー・サックス

第61回長野県縦断駅伝競走が11月17~18日に行われました。長野市の信濃毎日新聞社前をスタートして、ゴールは長野県飯田合同庁舎です。ゴールは単身赴任宅の近くなので、今日、応援を兼ねて見に行ってきました。県下の市や郡(町村)で編成した15チームが22区間、217.5キロメートルで順位を競うもので、中学生、高校生、女子の区間も設けられていています。沢山の人が応援に集まって、力走してくる最終走者を迎えていました。こういった駅伝は、陸上競技の振興にもなります。熱演型のミュージシャンのアルバム。

JOHNNY GRIFFIN (ジョニー・グリフィン)
THE KERRY DANCERS (RIVERSIDE 1961,62年録音)

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ジョニー・グリフィン(ts)は、膨大な録音を残していますが、「A Blowing Session」(Blue Note)など多くは熱演型で、スピードと迫力のある豪快な吹奏をしています。しかし、このアルバムには、メロディに親しみやすい曲が入り、静的で抒情的な面もあるので、愛聴する方も大勢いるのではないでしょうか。かつては、あまり紹介されることもなかったのですが、次第に知られるようになってきました。

メンバーは、ジョニー・グリフィン(ts)、バリー・ハリス(b)、ロン・カーター(b)、ベン・ライリー(ds)。企画が面白く、正式タイトルが、「The Kerry Dancers and other swinging folk」となっているように、アイルランドなどのフォーク・ソング(民謡)が取り上げられています。例えば、「The Kerry Dancers」や「The Londonderry Air」(「ダニー・ボーイ」としても知られています。)は、アイルランドの民謡ですし、「Hush-a-Bye」は、元々は、イギリスの伝承歌謡(マザー・グース)の一つで、子守唄です。

曲目は、民謡などトラディショナルが「The Kerry Dancers」、「Black is The Color of My True Love's Hair」、「Green Grow The Rushes」、「The Londonderry Air」(ダニー・ボーイ)、「Hush-a-Bye」(ハッシャバイ)、Sara Cassey作が2曲で、「25 1/2 daze」と「Ballad for Monsieur」、グリフィンの自作が「Oh, Now I See」で8曲です。Sara Casseyは、デトロイトの作曲家で、多くの曲をジャズメンに提供しています。

「The Kerry Dancers」は、ミディアム・テンポで、ソロに入るとグリフィン(ts)は細かい音符を吹きぬいていますが、さすがに「The Londonderry Air」(ダニー・ボーイ)は、スローでじっくりと聴かせます。「Hush-a-Bye」は、マイナー調で、サビの部分も哀愁感が溢れていて、僕の好きな曲ですが、ここではスインギーな素晴らしい演奏が行われており、バリー・ハリス(p)も端正なソロをとります。他の曲でも、グリフィンは太い音でうねるように吹いていて好調ですが、選曲のせいもあってか、落ち着いたイメージのあるアルバムです。

【第61回長野県縦断駅伝競走ゴール】

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     Uedatoumigoal2012
     
優勝した、上田東御小県(上田市など長野県の東側地域)チームのゴール風景 


マーク・エムラー FEELINGS

2012-11-14 22:50:55 | ピアノ

静岡県浜松市に所用があり、出かけてきました。同市では、今月の10日から24日まで第8回浜松国際ピアノコンクールが開催されています。高水準のコンクールだけに明日のスターが誕生するかもしれません。浜松市では、楽器博物館に寄り、その後、掛川市まで足を延ばして、ヤマハ掛川工場でピアノの製造工程を見学しました。世代交代がうまくいったようで、若い従業員がピアノ線を張ったり、調律をしていましたが、真剣な仕事ぶりに感心しました。テクニシャンのピアニスト。

MARC HEMMELER (マーク・エムラー)
FEELINGS (Rexton 1982年録音)

 Feelingsmarchemmeler   Feelingsmarchemmelerrimen

ヤマハでは、会議室でDVDを見せてくれたり、工場の中を解説付きで案内してくれました。一日に30~40台のグランド・ピアノが製造されて、全世界に出荷されていますが、材木の乾燥からピアノの完成まで、普通のもので約1年半、コンサート用のものだと3年はかかるそうです。見学のおしまいに、部品のハンマーで作ったキーホルダーをプレゼントしてくれました。ピアノが弾きたくなるようないい見学会でした。

マーク・エムラーは、1938年フランスのリヨン生まれの男性ピアニストです。ハッピーにスイングするスタイルが本来で、オスカー・ピーターソンに似ているとも言われます。しかし、ここではバラードなども演奏していて、幅の広さをみせています。メンバーは、マーク・エムラー(p)、ピーター・フライ(b)、アルヴィン・クイーン(ds)。このLPを買ったのは、アルヴィン・クイーンが入っているせいでもあります。

曲は、スタンダードが多いですが、新しいものも入っています。「Satin Doll」、スティービー・ワンダーの「You are The Sunshine of My Life」、モーリス・アルバート作「Feelings」、「A foggy Day」、マーク・エムラーの自作「Blues for Bommer」、「The Lady is A Tramp」、「Here's That Rainy Day」、「How High The Moon」、「Ain't Misbehavin」(浮気はやめた)、「How About You」の10曲。タイトル曲の「Feelings」には、かなりのカヴァーがあり、今やスタンダードですね。

ジャケット裏面のポートレート写真のエムラー(p)の表情通りの快活でスインギーな演奏が主です。トリオはまとまっていて、ことにアルヴィン・クイーン(ds)が快適なリズムを送り出しています。ミディアム・テンポの「You Are The Sunshine of My Life」、スロー・テンポの「Feelings」と、当時の新しい曲が新鮮で、きめの細さもエムラーは持ち合わせています。他に、A・クイーンも活躍している「Blues For Bommer」や「How High The Moon」などが収録されており、LPは中古市場で入手が容易ですが、CD復刻が望まれます。

【ヤマハ掛川工場 ハーモニープラザ】

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パンフレット                  お土産にいただいたキイホルダー   


ノーマン・シモンズ THE ART OF NORMAN SIMMONS

2012-11-11 18:20:23 | ピアノ

先週の木曜日にメッセナゴヤに行ってきました。メッセは異業種交流展示会で、672の会社・団体が出展し、商談も活発に行われていました。膨大な入場者数で、愛知県を中心とした東海地域の製造業の底力が感じられました。長野県内からの出展は、多くないので、来年は、この南信州(飯田・下伊那)地域からの参加を実現していきたいところです。名古屋市内に戻り、同市内在住の高校の同級生と近況報告を兼ねた飲会をやり、しばし楽しい時間を過ごしました。旧友にあったかのようなアルバム。

NORMAN SIMMONS (ノーマン・シモンズ)
THE ART OF NORMAN SIMMONS (SAVANT 1999年録音)

 Theartofnormansimmons

1929年生まれで、1940年代から活躍しているピアニストのノーマン・シモンズが、自己のレーベルから出した作品。シモンズは、歌の伴奏やアレンジを長く行っていて、カーメン・マクレエやジョー・ウィリアムスらのバックを務めてきました。そのこともあってか、旋律を大事にし、曲の雰囲気を大切にした演奏をします。特にブルーズに根ざした黒っぽさが魅力です。

メンバーは、ノーマン・シモンズ(p)、エリック・アレキサンダー(ts)、ヘンリー・ジョンソン(g)、ポール・ウェスト(b)、ポール・ウェルス(ds)。ギター奏者のへンリー・ジョンソンの参加は嬉しいところですし、人気のテナー・サックス奏者のエリック・アレキサンダーがどんなプレイをしているのかにも興味が湧きます。

曲は、シモンズのオリジナルとスタンダードが半々です。彼のオリジナルが、「I'm Your Boogie Man」、「Joe」、「Stiffed」、「6 AM」、「Roscoe Franbro」の5曲、スタンダードが、「There Are Such Things」、「My Silent Love」、「Harlem Nocturne」(ハーレム・ノクターン)、「The Hour of Parting」、「I'm Getting Sentimental Over You」の5曲で、「I'm Getting Sentimental Over You」と「Roscoe Franbro」はメドレーです。曲名の「Joe」とは、ジョー・ウィリアムズ(1999年3月亡くなりました)のことです。

ミディアム・テンポ中心のアフター・アワーズ的な心地よいセッションです。アレキサンダー(ts)は、「I'm Your Boogie Man」などで初期のコルトレーンを思わせる音色、フレーズでソロをとり、ジョンソン(g)は、「There aer Such Things」や「My Silent Love」でソウルフルなプレイを披露。シモンズ(p)がブロックコードで盛り上げグルーヴ感を出している「My Silent Love」やピアノが主旋律を弾く、夜のムード横溢の「Harlem Nocturne」など、深夜のリスニングルームにもぴったりの一枚です。

なお、時間があれば、拙ホームページもご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう ノーマン・シモンズ

【メッセナゴヤ2012】

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