猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ダークネス

2018-04-21 02:38:09 | 日記
2002年のスペイン・アメリカ合作映画「ダークネス」。

1960年代、スペイン。7人の子供たちが突然失踪する。その後1人の少年が発見
されるが、ショック状態で何を聞いても要領を得ず、残りの子供たちは遂に見
つかることはなかった。40年後、神経症を患う父マーク(イアン・グレン)の療
養のためにスペイン郊外にレジーナ(アンナ・パキン)一家が越してくる。奇妙な
デザインのその家に住み始めてから、マークは何かにとりつかれたような奇妙な
行動をするようになり、レジーナの幼い弟ポール(ステファン・エンキスト)も奇
妙な絵を描くようになる。そして母メアリー(レナ・オリン)はレジーナの話をま
ともに聞こうとしない。レジーナはボーイフレンドのカルロス(フェレ・マルテ
ィネス)に相談し、家について調べ始める。

オカルト・ホラー映画。あまり怖くなく、よく意味がわからないなあと思いなが
ら観ていたのだが、観終わってからよく考えてみるとじわじわ来る映画だった。
神経症で発作を起こすことがある父マーク。マークの父アルベルト(ジャンカル
ロ・ジャンニーニ)は医師で、彼の勤める病院が近くにあると安心だということ
で家族はスペイン郊外の古い家に引っ越してきた。しかしマークは良くなるどこ
ろかおかしな行動を取るようになる。息子のポールも奇妙な絵を描くようになり、
娘のレジーナは心配して母メアリーに相談しようとするが、別に何てことはない、
仕事で疲れている、などと言って聞こうとしない。レジーナ以外皆どこかおかし
くなるのだ。やがてレジーナは家に問題があるのではないかと考え始める。
マークの行動、ポールの絵、メアリーの頑なな態度、1つ1つが気味が悪い。ど
うしてメアリーは夫や息子が変だと思わないのか、レジーナは納得がいかない。
そしてカルロスに協力してもらって家について調べると、奇妙なことがいくつも
わかってくる。オカルトと宗教と科学が融合した物語とでも言うのだろうか、よ
くできていると思った。私が推測した事件の首謀者も外れ、それは意外な人だっ
た。その目的も「何故そんなことを?」と思うような非現実的なもので、おもし
ろかった。昔子供たちが行方不明になったということや、それから40年後とい
うのも大きなポイントになっている。そしてレジーナが発した1言により展開が
変わるのも、「そう来たか」という怖さを感じさせられた。
地味だしわかりにくいところはあったけれど、なかなかおもしろい映画ではない
だろうか。全てわかると本当に恐ろしい。イアン・グレンやレナ・オリンは安定
の演技力だし、アンナ・パキンも頑張っていた。ラストの救いのなさと後味の悪
さは大いに評価したい。




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