猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

傷だらけの男たち

2014-10-14 02:42:55 | 日記
2006年の香港映画「傷だらけの男たち」。
刑事のヘイ(トニー・レオン)とポン(金城武)は同じ警察で働く上司と部下の関係だったが、
ポンは警察を辞め、今ではアルコール依存症の私立探偵になっていた。ヘイは実業家
チャウの一人娘スクツァン(シュー・ジンレイ)と結婚するが、チャウが執事のマンとともに
殺害される。犯人はすぐに死体となって発見されるが、スクツァンは、事件はまだ終わって
おらず、隠された真実があると考え、ポンに調査を依頼する。ポンはヘイの協力も受けながら、
独自に事件の真相を追う。

心に深い傷を負った男たちの物語である。ポンは恋人が自殺したショックから警察を辞め、
酒浸りの探偵になっている。そこへかつての上司・ヘイの義父の殺人事件が起き、意外な
真相を知ることになる。ミステリーとしてもおもしろいが、やはり複雑な人間関係の描写が
見どころだと思う。この映画は最初から犯人がわかっている。だが犯行の理由、動機がわか
らない。その真相を追うポン。辿りついたのは、1人の男の悲しい人生だった。
とても切ない物語だ。ラストも救いがない。でもとてもおもしろかった。
トニー・レオン、金城武、スー・チー、シュー・ジンレイ、といった豪華キャストもいい。



人気ブログランキングへ
映画(全般) ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夜と霧

2014-10-10 03:52:43 | 日記
1955年のフランス映画「夜と霧」。
第二次世界大戦中、ナチがアウシュビッツのユダヤ人強制収容所で、ユダヤ人を虐殺した事実
(ホロコースト)を告発した、アラン・レネ監督によるドキュメンタリー映画。

31分という短い記録映画だが、ナチが行った残虐行為の数々が、廃墟となった現在のアウシュ
ビッツを描いたカラー・フィルムと、当時を再現するモノクロのニュース・フィルムの対比に
よって描き出される。世界中に衝撃を与えたそうだ。日本での公開時には残虐シーンが過激
だとして数分カットされて上映されたという。
残虐シーンが過激ってなんなのだ。過激なのは映画ではなくこういうことが実際に行われたという
事実ではないのか。私は映像を凝視してしまった。ホロコーストを描いた映画は多いが、これは
ドキュメンタリーのため心に深く突き刺さる。犠牲になった人たちの、骨だの遺品だのが映し
出され、ショックを受けた。けれどもこれは観なくてはいけない映画だと思った。観て、感じて
欲しい。これは紛れもなく史実なのである。




全般ランキング

人気ブログランキング



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テイキング・ライブス

2014-10-06 02:04:44 | 日記
2004年のアメリカ映画「テイキング・ライブス」。
1983年、カナダ。マーティン・アッシャーという1人の少年が家を出た。数日後、母親の元に
彼が交通事故で死亡したという知らせが届く。それから20年が経過した現在、モントリオール
の建設現場で白骨死体が発見される。モントリオール警察のルクレアはFBIに捜査協力を要請、
特別捜査官イリアナ・スコット(アンジェリーナ・ジョリー)が派遣されてくる。イリアナは
プロファイリングの専門家だった。徐々に捜査は進展するが、その矢先第2の殺人事件が発生
する。イリアナはこの事件の目撃者、ジェームズ・コスタ(イーサン・ホーク)を尋問するが、
一方で、「死んだはずの息子を今日目撃した」という老婦人アッシャー夫人(ジーナ・ローランズ)
が現れた。

なかなかおもしろいサスペンス映画だった。原作は「人生を盗む男」というタイトルらしい。
タイトル通り、犯人は人を殺し、その人になりすますのだ。飽きたら、次の標的を捜す。これは
母親に愛されなかった少年が歪んでしまった物語である。マーティンは一卵性双生児として
生まれたが、母親はもう1人の方ばかりを愛した。そのもう1人が事故で死んでしまうと、それ
以来マーティンはどんどんおかしくなっていき、母親の宝石を盗んで家を出るに至るのだ。
イリアナがアッシャー夫人の家を訪れた時、子供たちの写真がたくさん飾られていたのだが、
マーティンの写真はもう1人の子の写真の裏に隠すように置かれていて、この母親の子供たちに
対する愛情の違いを感じた。こんな差があれば、歪みもするだろう。マーティンは自分でいる
ことが嫌だったのだ。
一体マーティンは誰なのか。そして、意外な結末。おもしろかった。



人気ブログランキングへ
映画(全般) ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする