ぶらっと 水戸

水戸の見て歩き

水戸にある遅月のゆかり

2020-07-31 21:12:36 | 水戸

 遅月は、寛延3年(1750)、備中(現・岡山県)の生まれで、仏門に入り、明和5年(1768)に京都安養寺で修行したそうです。俳諧を不二庵二柳に学び、常陸では数百人の門人をとったそうです。また、篆刻、医術、易学、香道、茶道などにも通じた多彩な文化人だったそうです。各地を流浪し、水戸へは2度来て、神崎寺(天王町)、不動院(田野町)、竜光院(飯富町)、長福寺(青柳町)、八幡町、瓦谷(瓦隣居)などに住んだそうです。水戸では、下町・高井悟井(林十江の父 豪商)、上町・加納笠斎(豪商)、立原翠軒などの後ろ盾があったそうです。親しい翠軒が江戸に出たのを追ったようで、江戸へ出て文化9年(1812)に死去したそうです。翠軒が分骨を神崎寺に納めて、瘞蔵碑(えいぞうひ)の文を書いたそうです。

 

 

芭蕉句碑(竜光院跡(大井神社脇)  飯富町3475)
 遅月は竜光院では住職になったそうですが、芭蕉句碑「古池や蛙飛こ無水の音」を境内に建てたそうです。

 

 

遅月句碑(竜光院跡(大井神社脇)  飯富町3475)
 「水見ても笑ふがごとし春の月」という句を、芭蕉句碑の隣に、ひたち野社同人が建てています。遅月は「平明洒脱」な句風を教えたそうです。

 

 

遅月上人分骨瘞蔵碑(ぶんこつえいぞうひ 神崎寺 天王町8-17)
 辞世句にふさわしい「身もかくと思へば寒し散る桜」が記されているそうです。また、遅月が「滑稽戯譃、常解人頤(つねに人のあごをとく)」と、ユーモアに富んだひとだったことが記されているそうです。立原翠軒の文だそうです。

 

 

遅月居住の地(以下の神崎寺、竜光院跡、不動院、長福寺跡です)

 神崎寺(天王町8-17)
  境内に、上にある瘞蔵碑があります。瘞蔵とは埋めるという意味だそうです。

 

 

 竜光院跡(大井神社脇)  飯富町3475)
  今は入口付近に碑だけがある平地です。

 

 

 不動院(田野町662-1)
  現在は、無住のお寺らしい3棟のお堂があり、崖下には滝不動尊があります。

 

 

 長福寺跡(青柳町)
  墓地だけがある寺跡です。

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水戸の100年記念碑(2)

2020-07-30 20:09:24 | 水戸

開講百年開筵式記念(開運寺 千波町1192)
 昭和31年に建てられたようです。法話が行われた記念碑なのでしょうか。

 

 

創立百周年記念(緑岡小学校 見川町2563)
 昭和40年に立てられたようです。「気高く すがしく 光あれ」と正面にあります。

 

 

明治百年事業記念之碑(河和田町 36°21'57.1"N 140°25'05.1"E)
 県営住宅用地として第二区が共有地を売却した資金で、明治百年記念事業として、第二区会館、消防団詰所、一心庵観音堂などを新築したそうです。それを記念して昭和44年に建てた碑のようです。

 

 

国田小学校創立百周年記念碑(現・国田幼稚園庭 下国井町1661-2)
 昭和50年に建てられたようです。この碑の後方2mには記念カプセルが埋められたそうです。国田小学校は、現在小中一貫の国田義務教育学校になっているようです。

 

 

茨城県武道館(新原2-1)
 堀原運動公園にある、「茨城県武道館は、県議会開設100周年を記念して建設したものである」と書かれた石板が壁にはめ込まれています。昭和57年とあります。

水戸の100年記念碑(1)

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水戸の寺額(5)  

2020-07-29 20:57:45 | 水戸

 寺額には、寺号だけではなく、山号がかかれたものもあるようです。寺は、〇〇山、〇〇院、〇〇寺というように一般的に言われているようです。それまでも寺の建立された山の名を取った密教寺院が多少はあったようですが、寺号の前に山号を表示する寺が多くなったのは、鎌倉時代に禅宗が伝えられてからのようです。院については、仏の安置される建物以外の建物、僧侶の住む所とか、貴人が建立したり門跡になった寺の名称などと説明されていますが、なぜ寺の名前に院号も使われるようになったかということは、よく分からないようです。

 

 

仏性寺(栗崎町1984)
  「涌石山」大日院仏性寺というそうです。回向堂にかかっています。本堂は、重要文化財の八角堂です。

 

 

光台寺(上水戸3-1-39)
 「遍照山」義宣院光台寺というそうです。最近つくられたケヤキでの額のようです。

 

 

妙徳寺(加倉井町909)
 隠井山「高在院」妙徳寺というそうです。本堂向拝にかかる額です。入口扉上には寺号額があります。山門には「隠井山」の額がかかっています。

 

 

正覚寺(筑地町621)
 徳寿山慶乗院「正覚寺」というそうです。寺を建てた建設会社の奉納額のようです。

 

 

楊林寺(三湯町45)
 湯峰山地蔵院「楊林寺」というそうです。平成24年に本堂が新築されていっしょにかけられたようです。 

水戸の寺額(4)

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水戸の鞘堂(3)

2020-07-28 20:50:07 | 水戸

 今回も神社本殿の鞘堂を選んでみました。

 

 

酒門神社(酒門町94)
 屋根だけをかけた鞘堂です。私などにはこれが一番本殿が見えていいのですが、風雨を防ぐ点では落第でしょう。ここの鞘堂は柱に丸太を使っています。

 

 

吉田神社(河和田町2895)
 屋根部分を守ろうということなのか、上部をおおっています。

 

 

駒形神社(黒磯町221)
 下部は板でおおい、上部は風通しをよくするためなのか、のぞけるようにするためなのか、すき間がつくられています。金箔の貼られた杉崎八幡神社本殿は、上がおおわれて、下にすき間があってのぞけるようになっています。

 

 

鹿島神社(飯島町734)
 前の部分だけがあいています。この形が一番多いようです。この鹿島神社は、本殿が拝殿より高い所に建てられていて、お祭りのとき、神主さんはきっと大変でしょう。

 

 

八坂神社(酒門町 上町公民館(酒門町1787-2)道向かい)
 本殿が完全に鞘堂内に収まっています。こうなると、外からは本殿を見ることができません。

水戸の鞘堂(2)

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水戸・羅漢寺のゆかり

2020-07-27 20:30:55 | 水戸

 現・城里町塩子にある仏国寺の住職だった観海という僧が、かつて水戸の田谷に羅漢寺(らかんじ)という大寺を建立したそうです。穀物を絶つ修業をした木食(もくじき)の観海は、ねずみ色の麻衣をまとい、遠く陸奥まで勧化(かんげ)の旅をして、2万両などを集めて建築を進めたそうですが、完成直前の宝暦12年(1762)に失火で焼失してしまったそうです。再び勧化を行い、明和7年(1770)に下野国から五百羅漢を運んで入仏供養を行ったそうです。観海は、その5年後(安永4年(1775) 仏国寺墓誌)に死去したそうです。寺域は約1.7万坪あり、寺は高さ10丈8尺(33m 以下の数字は「水府綺談」です。 「水戸市史」には9丈2尺とあります)があり、階下の間口19間(約34m)、奥行き14間(約25m)あり、水戸城がよく見えたそうです。観海は、木喰仏を彫って全国を巡った木喰五行に木食戒を施した僧でもあるそうです。藩から134石の土地が寄進されていたそうですが、徳川斉昭の改革で、天保9年(1838)に破却されたそうです。

 

 

大六天(酒門町2607)、羅漢公民館
 このあたりに本堂があったそうです。写真左側にある建物は羅漢公民館で、羅漢の名前が残っています。御三階のあった二の丸は、標高約28mですので、大六天の標高5m+建物の高さ33mとすると、二の丸よりは高かったようです。

 

 

菊池神社(谷田町)
 東門がこのあたりにあったそうです。大六天と菊池神社の距離は約280mです(東西)。総面積が1.7万坪(約5.6万㎡)だそうですので、寺域が方形だったとすると、南北は約200mあったということになります。

 

 

羅漢橋バス停(酒門町国道51号線渋井信号近く)
 備前堀が水源の新川にかかる橋の名前がバス停になったようです。このあたりの道路工事の際に、骨が出てきたそうで、羅漢寺の墓地があったのだろうと聞いたことがあります。

 

 

観海、観順の墓(宝蔵寺 谷田町633)
 五輪塔が観海の墓で、その背後にある卵塔は羅漢寺二世観順の墓だそうです。

 

 

手水鉢(宝蔵寺 谷田町633)
 五百羅漢と彫られた、今は宝蔵寺にある手水鉢です。羅漢寺竣工の明和7年(1770)に新張郡の人が奉納したようで、信仰圏の広さが感じられます。宝蔵寺には、この他に、羅漢寺の礎石がいくつかあるそうです。

 

 

蝦蟇石(がまいし 好文亭 常磐町1-3-3)
 沓脱ぎ石(くつぬぎいし)です。羅漢寺から運ばれた石だそうで、蝦蟇の背に似た斑紋があるということで、蝦蟇石と言われているそうです。

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