ワッフルな気分

朝の光につつまれて、
甘い香りのワッフルに苺をそえていただきます。

農科の算数

2011-04-23 09:01:06 | ワッフル旦那のあれこれ

今の値段は知らないが鶏を飼っていた頃、烏骨鶏の卵が1つ500円していた。
烏骨鶏は特異な外見的特徴から、中国では霊鳥として扱われ、不老不死の食材となった歴史がある。
改良されていない烏骨鶏は野性がそのまま残っているせいか、1ヶ月に4~5個しか産みません。
(東京畜産試験場では飼育効率を上げるために、良く産むように烏骨鶏も改良をかさねているそうですが、本来はあまり卵を産まない鶏です。)
時期によっては数ヶ月全く産まないことも あります。
晩冬から春にかけては割と安定して産みますが、真夏はあまり産まないそうです。
やはり孵化に適切な時期を本能がキャッチしているのでしょうね。
また、オスによく乗られて刺激を与えられないと、あまり産卵しないようです。(面倒見の良いオスは烏骨鶏でもやはりモテモテです。)
卵の色もちょっと薄青く貴重なのはわかるが金額までの差は無いとは思う。それよりどの様な環境でどの様な物を食べて過ごしたかが大事だと思います。
極端な事を言うと配合飼料しか食べてない鶏の卵は卵と言う形の合成飼料と農薬、ホルモン剤を食べていると言ってもいいかもしれない。
卵を効率的に産むように改良された鶏は、残念ながらかたわなのだ。
例えば白色レグホンは良く卵を産む1年200個以上です。卵の色が茶色いのはそれの羽毛が茶色いのが茶色の卵を産むだけ。
それらは卵を産む専門の鶏で他は全くダメな鶏で自分の産んだ卵を孵すことは無い。
病気にも弱いので様々なモノが入った合成飼料を食べないと生きていきにくい。
バタリングという牢屋というより拷問部屋で飼われるものは1年待たず死ぬ。
こんな鶏でも土の上で飼うと4.5年は生きる。純粋に放し飼いにするともっと健康になると思うが防衛本能も少ないので動物にやられてしまう。
初め鶏を飼った時産んだ卵は市販のモノよりウンと黄身が濃かったが、数年すると市販のモノでも同じ色にそのうち市販の安物の方が色が濃くなった。
どういう事かというと、うちのが薄くなったのではなく、黄身が濃い卵が商品価値が出る市場調査で黄身が濃くなる飼料を食べさせて濃くなっただけである。
そもそも農業はビジネスなのか。
例えばバタリングで鶏を飼うのでなく放し飼いで鶏を飼うとする。
肉にもなるが当然卵が欲しいので半分程しか卵を産まないチャボやシャモより沢山産む白色レグホンが効率が良い様に思える。
しかしある方が実際に雄1羽雌2羽のチャボを飼ってみた1年経つといつの間にか24羽のひながかえり最後は20羽になっていた。
1年で約10倍になる。産卵率が悪い期間も遊んでいるのでなく卵を孵していたわけです。
それを計算に入れないとどちらが効率良いか難しいだろう。ケージに入れたままだと1羽は1羽のままだが自然に近い状態だと人の計算通りにはならない。
ただこの場合でも配合飼料を買っていたら白色レグホンの方が効率は良いかもしれない。でも放し飼いならエサ代はタダになります。(時々野生動物に食べれるが3/4くらいは残ると思います。)
害虫をたべてくれるし、枯葉や土もひっくり返してくれる。

人の欲と知恵が農家を追い詰めてしまう。消費者である私にも責任がある事なので複雑です。
本来農家は土と共に生きるべきなのだが、
チャボでも烏骨鶏でもただの鶏でも放し飼いになっている風景を見るのが好きです。