「薔薇王の葬列」二次創作小説です。
作者様・出版者様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
「どういう事だ?」
リチャードがそう言ってバッキンガムを睨むと、彼はリチャードの華奢な方を抱きながら祖母が待つダイニングルームへと入っていった。
「まぁヘンリー、そちらの素敵な方はどなたなの?」
「俺の、婚約者です。お祖母様、俺はこちらのリチャード=プランタジネット嬢と結婚致します。」
「何ですって!?あなたが・・」
ミセス=スタフォードは、そう叫ぶと美しく着飾ったリチャードを見た。
「そのような事は、許しませんよ!」
「わたしはもう成人を迎えたのですよ、お祖母様。わたしはあなたの許しなどなくても、リチャードと結婚します。」
「そんな・・」
ミセス=スタフォードは、突然胸を押さえて蹲った。
「大奥様!」
「誰か、お医者様を呼んで!」
彼女が倒れた事により、スタフォード家のダイニングルームはまるで蜂の巣をつついたような騒ぎとなった。
「済まない、俺の所為で・・」
「気にするな。」
バッキンガムは、入って来た時と同じように、リチャードの肩を抱いてダイニングルームから出て行った。
数日後、バッキンガムはリチャードの長兄・エドワードの元を訪れた。
「リチャードが見つかった?それは、本当なのか!?」
「はい。彼女は我が家でメイドとして働いていました。」
「まさに、“灯台下暗し”だな。それで、わたしに頼みとは、一体なんだ?」
「俺とリチャードとの結婚を、許して頂きたいのです。」
「許すも何も、君なら安心して妹を任せられる!」
エドワードはそう言って、白い歯をバッキンガムに見せながら笑った。
「ところで、今日はわたしの他にお客様がいらっしゃるのですか?」
「あぁ。ジョージが来ているんだ。」
「ジョージ様が?」
リチャードの次兄・ジョージは、渡米してビジネスで成功したと、風の噂で聞いていた。
「今度、ロンドンで大きなショーをするらしい。その宣伝もかねてここへ帰って来たそうだ。」
「そうですか。」
「リチャードは、どうしている?」
「今は少し動揺しているようです。」
「無理もない。そういえば、そういえば、エリザベスが君に怒っていたぞ、縁談を潰されたと。」
「わたしには、彼女の妹は勿体無いくらいです。」
「はは、相変わらず君は嘘を吐くのが上手いな。」
エドワードは、そう言うと大声で笑った。
同じ頃、リチャードはバッキンガム公爵邸でメイドの仕事に追われていた。
「リチャード、こっちもお願いね!」
「はい。」
「ねぇ、あの子なんでしょう?」
「そうよ・・」
「まさか、あの子がねぇ・・」
「大人しい顔をして、やるわね。」
同僚のメイド達に陰口を叩かれながら、リチャードはせっせと針仕事をしていた。
そこへ、メイド長がやって来た。
「リチャード、あなたのお客様よ。」
「わたしに、ですか?」
「ええ。」
リチャードが針仕事を中断してスタフォード家の温室へと向かうと、そこにはバッキンガムの婚約者であるキャサリンが立っていた。
「キャサリン様・・」
「あなたが、まさかここでメイドをしているなんて思いもしなかったわ。」
キャサリンはそう言うと、リチャードを睨んだ。
「あなたはわたしからヘンリー様を奪おうとなさっているのでしょうけれど、わたしはあなたにはヘンリー様を渡しませんからね!」
「キャサリン様、何か誤解なさっておられるようですが、わたしは・・」
「とぼけても無駄よ!」
キャサリンはそう叫ぶと、リチャードの頬を平手で打った。
「わたしが言いたかったのはそれだけよ。」
キャサリンが温室から出て行った後も、リチャードは暫く温室に居た。
「遅かったわね。」
「申し訳ありません。」
「まぁ、いいわ。キャサリン様とヘンリー様にお茶をお出しして。」
「はい、わかりました。」
リチャードが厨房でバッキンガムとキャサリンの為に紅茶を淹れていると、そこへ一人の青年が入って来た。
「おやぁ、誰かと思ったら“ヨークの白薔薇姫”じゃないか?」
「あの、あなた様は・・」
「まぁリッチモンド様、こちらにいらっしゃったのですね。」
キャサリンはそう言った後、青年に向かって微笑んだ。
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「どういう事だ?」
リチャードがそう言ってバッキンガムを睨むと、彼はリチャードの華奢な方を抱きながら祖母が待つダイニングルームへと入っていった。
「まぁヘンリー、そちらの素敵な方はどなたなの?」
「俺の、婚約者です。お祖母様、俺はこちらのリチャード=プランタジネット嬢と結婚致します。」
「何ですって!?あなたが・・」
ミセス=スタフォードは、そう叫ぶと美しく着飾ったリチャードを見た。
「そのような事は、許しませんよ!」
「わたしはもう成人を迎えたのですよ、お祖母様。わたしはあなたの許しなどなくても、リチャードと結婚します。」
「そんな・・」
ミセス=スタフォードは、突然胸を押さえて蹲った。
「大奥様!」
「誰か、お医者様を呼んで!」
彼女が倒れた事により、スタフォード家のダイニングルームはまるで蜂の巣をつついたような騒ぎとなった。
「済まない、俺の所為で・・」
「気にするな。」
バッキンガムは、入って来た時と同じように、リチャードの肩を抱いてダイニングルームから出て行った。
数日後、バッキンガムはリチャードの長兄・エドワードの元を訪れた。
「リチャードが見つかった?それは、本当なのか!?」
「はい。彼女は我が家でメイドとして働いていました。」
「まさに、“灯台下暗し”だな。それで、わたしに頼みとは、一体なんだ?」
「俺とリチャードとの結婚を、許して頂きたいのです。」
「許すも何も、君なら安心して妹を任せられる!」
エドワードはそう言って、白い歯をバッキンガムに見せながら笑った。
「ところで、今日はわたしの他にお客様がいらっしゃるのですか?」
「あぁ。ジョージが来ているんだ。」
「ジョージ様が?」
リチャードの次兄・ジョージは、渡米してビジネスで成功したと、風の噂で聞いていた。
「今度、ロンドンで大きなショーをするらしい。その宣伝もかねてここへ帰って来たそうだ。」
「そうですか。」
「リチャードは、どうしている?」
「今は少し動揺しているようです。」
「無理もない。そういえば、そういえば、エリザベスが君に怒っていたぞ、縁談を潰されたと。」
「わたしには、彼女の妹は勿体無いくらいです。」
「はは、相変わらず君は嘘を吐くのが上手いな。」
エドワードは、そう言うと大声で笑った。
同じ頃、リチャードはバッキンガム公爵邸でメイドの仕事に追われていた。
「リチャード、こっちもお願いね!」
「はい。」
「ねぇ、あの子なんでしょう?」
「そうよ・・」
「まさか、あの子がねぇ・・」
「大人しい顔をして、やるわね。」
同僚のメイド達に陰口を叩かれながら、リチャードはせっせと針仕事をしていた。
そこへ、メイド長がやって来た。
「リチャード、あなたのお客様よ。」
「わたしに、ですか?」
「ええ。」
リチャードが針仕事を中断してスタフォード家の温室へと向かうと、そこにはバッキンガムの婚約者であるキャサリンが立っていた。
「キャサリン様・・」
「あなたが、まさかここでメイドをしているなんて思いもしなかったわ。」
キャサリンはそう言うと、リチャードを睨んだ。
「あなたはわたしからヘンリー様を奪おうとなさっているのでしょうけれど、わたしはあなたにはヘンリー様を渡しませんからね!」
「キャサリン様、何か誤解なさっておられるようですが、わたしは・・」
「とぼけても無駄よ!」
キャサリンはそう叫ぶと、リチャードの頬を平手で打った。
「わたしが言いたかったのはそれだけよ。」
キャサリンが温室から出て行った後も、リチャードは暫く温室に居た。
「遅かったわね。」
「申し訳ありません。」
「まぁ、いいわ。キャサリン様とヘンリー様にお茶をお出しして。」
「はい、わかりました。」
リチャードが厨房でバッキンガムとキャサリンの為に紅茶を淹れていると、そこへ一人の青年が入って来た。
「おやぁ、誰かと思ったら“ヨークの白薔薇姫”じゃないか?」
「あの、あなた様は・・」
「まぁリッチモンド様、こちらにいらっしゃったのですね。」
キャサリンはそう言った後、青年に向かって微笑んだ。
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