ハリー・ポッターの二次小説です。
作者様・出版社様とは一切関係ありません。
二次創作が嫌いな方はご注意ください。
「いつか、こんな日が来るんじゃないかと思っていたけれど・・」
「うん・・」
「はは、そんな深刻そうな顔をするな、ハリー!」
シリウスはそう言って笑ったが、リーマスとハリーに睨まれて黙ってしまった。
「父さんだったら、どうするのかなぁ?」
「う~ん、それは直接会ってみないとわからないな。」
「シリウス、それはどういう意味だい?」
「あ~、その・・」
「ハリー、遊びに来たぞ~!」
そう言って暖炉の中から出て来たのは、ハリーの父・ジェームズだった。
「父さん?」
「後で色々と説明して貰おうかな、シリウス?」
「あぁ・・」
「孫の武勇伝を聞きに、やって来たぞ!」
「シリウス・・」
「父さん、一体何をしに来たの?」
「あ・・」
ジェームズは、自分を冷やかに見つめる親友と息子の姿を見て、固まった。
「そうかそうか、ジェームズ三世は僕の遺伝子を濃く受け継いでいるようだね。良かった、良かった。」
「良くないよ!」
ハリーがそう叫んだ時、“ジェームズ三世”が帰宅した。
「ただいまっ・・て、おじいちゃん、どうしてここに居るの!?」
「お前の武勇伝を聞きに来たんだ。」
「え~、本当!?嬉しいなぁ、じゃぁ、スリザリンの談話室に糞爆弾を投下した話、聞きたい!?」
「面白そうな話だなぁ~」
「ジェームズ、黙って!」
「すいません・・」
リーマスに睨まれ、ジェームズは俯いた。
「ジェームズ、どうしてお前は学校で悪戯ばかりするんだ?」
「わからない。」
(一体、どうすれば・・)
「ハリー、また溜息?」
「あぁ。ジェームズは?」
「お義父様とチェスをしているわ。あの子、お義父様の言う事だけは聞くみたい。」
「そうか。」
「ねぇ、お義父様達と一緒に暮らさない?今の家は狭いし、環境を変えたらあなたにもいいんじゃないかしら?」
「そうだな・・」
ハリーは、手狭なロンドンのフラットから、ゴドリックの谷にある広い一軒家へと引っ越した。
大好きな祖父母と一緒に居られるので、ジェームズは少し落ち着いているように見えた。
「これで良かったのかな?」
「良かったんじゃない?」
ジニーとハリーがリビングでそんな話をしていると、ふくろう便がやって来た。
『やぁハリー、元気かい?引っ越し祝いに俺達から素晴らしい贈り物をやろう。』
手紙の送り主が、誰なのか二人にはわかった。
“ゴキブリゴソゴソ豆板”が、手紙に同封されていたからだ。
「もう、兄貴達ったら、相変わらず悪戯好きなんだから!」
「我が家の家系には、悪戯好きの遺伝子が濃いんだな・・」
ハリーは、少し遠い目をしながらそんな事を言って溜息を吐いた。
「クリスマスだっていうのに、仕事なんてついていないなぁ。」
「パパ、早くお仕事終わらせて帰って来てね。」
「わかったよ、リリー。じゃぁみんな、行って来る。」
クリスマスの朝、ハリーは家族に見送られながら出勤した。
「ふぅ・・」
デスクワークを終えたハリーが溜息を吐いていると、部下の一人が何処か慌てた様子で闇祓い局へと入って来た。
「局長!」
「どうしたの?」
「ヴォルデモートの残党が、マグルを襲っています!」
「場所は何処、案内して!」
ハリーが部下達と共にロンドンの地下鉄のホームへと向かうと、そこは不気味な程静まり返っていた。
「こんな所に、本当にヴォルデモートの残党が居るのか?」
「さぁ・・」
そんな事をハリー達が話していると、向こうから闇の気配が少しずつ近づいて来た。
「みんな、伏せて!」
“それ”は、徐々に大きな渦となってハリー達に迫って来た。
―ハリー・ポッター・・
地の底から響くような声に、ハリーは聞き覚えがあった。
(まさか、そんな・・)
あの戦争で、ヴォルデモートをはじめとする闇の魔法使いは、ヴォルデモートを含め、いなくなった筈だった。
それなのに・・
「局長?」
「いいや、何でもない。先に進もう。」
あの声は空耳だ―そう思いながらハリー達が奥へと向かうと、そこには血の海が広がっていた。
(一体、ここで何が・・)
ハリーが杖先をトンネルの奥へと向けた時、その中から微かに何かの声がした。
(何?)
声がする方へと向かうと、そこには一人の少年の姿があった。
どうして、こんな所に子供が。
ハリーがそんな事を思っていると、徐に少年は俯いていた顔を上げた。
“やっと見つけた・・”
その少年は、真紅の瞳をしていた。
「トム=リドル・・」
ハリーは、そこで意識を失った。
「ハリー、ハリー!」
「ジニー、僕は・・」
「良かった、意識が戻ったのね!」
ハリーが意識を取り戻したのは、倒れてから数日後の事だった。
聖マンゴのベッドの上で目を覚ましたハリーは、そこでジニーから信じられない事を聞いた。
ハリーの部下達がトンネルの奥へと向かった時、ハリーの周りには誰も居なかったという。
(じゃぁ、僕があの時見た子は?)
「ハリー?」
「ジニー、心配かけてごめん。」
「いいのよ。それよりもハリー、あなた、何かわたしに話したい事があるんでしょう?」
「実は・・」
ハリーがジニーにあの少年の事を話すと、彼女は驚愕の表情を浮かべた後、ハンドバッグからある物を取り出した。
「これ、今朝うちのポストに入っていたの・・」
ジニーに見せられたのは、スリザリンのロケットだった。
「これは、一体誰が・・」
「わからないわ。でもこのロケットって、ヴォルデモートのものでしょう?何だか不気味ね・・」
「ジニー、ロケットは僕が預かっておくよ。」
「ありがとう。」
その日の夜、ハリーは変な夢を見た。
―また会えたな、ハリー。
地下鉄のトンネルの奥で、トム=リドルは紅い瞳を光らせながらハリーを見つめていた。
―どうして、僕がここに居るのかっていう顔をしているね?君に会いたかったからだよ。
トムはそう言って笑うと、ハリーの頬にキスをした。
―また会おう。
「待って!」
目を覚ました時、ハリーの枕元には砕け散ったスリザリンのロケットが転がっていた。
「パパ、お帰り。」
「ただいま。みんな、心配かけてごめんね。」
ハリーが聖マンゴを退院したのは、彼が倒れてから七日後の事だった。
「スリザリンのロケットが、うちのポストに入っていただって!?どうしてそれを早く言わないんだ!」
「言おうとしたけれど、忙しくて言うタイミングを忘れちゃったんだよ、ごめんよ、父さん。」
「スリザリンのロケットねぇ・・一体誰が、何の目的で・・」
「まさか、ヴォルデモートが復活したとか?」
「それはない。」
「分霊箱は破壊された筈・・」
「ロケットを調べたけれど、魂の痕跡はなかった。でも、一部魂の“カケラ”を感じたよ。」
「“カケラ”?」
「残留思念というものかな。よくわからなくて・・」
ハリーがそう言って溜息を吐くと、シリウスがそっと彼の肩を叩いた。
「考えるのは後だ。今は、ゆっくりと休め。」
「うん・・」
ハリー達がそんな話をしていると、二階からアルバスとジェームズが降りて来た。
「父さん、助けて、リリーが!」
ハリー達が二階の部屋に入ると、あの少年がリリーを連れ去ろうとしていた。
「リリーから離れろ、トム!」
“ハリー・・”
少年は、少し寂しそうな笑みをハリーに浮かべた後、屋敷から姿を消した。
「リリー、大丈夫?」
「うん・・」
(トム、君は一体何をしたいんだ?)
作者様・出版社様とは一切関係ありません。
二次創作が嫌いな方はご注意ください。
「いつか、こんな日が来るんじゃないかと思っていたけれど・・」
「うん・・」
「はは、そんな深刻そうな顔をするな、ハリー!」
シリウスはそう言って笑ったが、リーマスとハリーに睨まれて黙ってしまった。
「父さんだったら、どうするのかなぁ?」
「う~ん、それは直接会ってみないとわからないな。」
「シリウス、それはどういう意味だい?」
「あ~、その・・」
「ハリー、遊びに来たぞ~!」
そう言って暖炉の中から出て来たのは、ハリーの父・ジェームズだった。
「父さん?」
「後で色々と説明して貰おうかな、シリウス?」
「あぁ・・」
「孫の武勇伝を聞きに、やって来たぞ!」
「シリウス・・」
「父さん、一体何をしに来たの?」
「あ・・」
ジェームズは、自分を冷やかに見つめる親友と息子の姿を見て、固まった。
「そうかそうか、ジェームズ三世は僕の遺伝子を濃く受け継いでいるようだね。良かった、良かった。」
「良くないよ!」
ハリーがそう叫んだ時、“ジェームズ三世”が帰宅した。
「ただいまっ・・て、おじいちゃん、どうしてここに居るの!?」
「お前の武勇伝を聞きに来たんだ。」
「え~、本当!?嬉しいなぁ、じゃぁ、スリザリンの談話室に糞爆弾を投下した話、聞きたい!?」
「面白そうな話だなぁ~」
「ジェームズ、黙って!」
「すいません・・」
リーマスに睨まれ、ジェームズは俯いた。
「ジェームズ、どうしてお前は学校で悪戯ばかりするんだ?」
「わからない。」
(一体、どうすれば・・)
「ハリー、また溜息?」
「あぁ。ジェームズは?」
「お義父様とチェスをしているわ。あの子、お義父様の言う事だけは聞くみたい。」
「そうか。」
「ねぇ、お義父様達と一緒に暮らさない?今の家は狭いし、環境を変えたらあなたにもいいんじゃないかしら?」
「そうだな・・」
ハリーは、手狭なロンドンのフラットから、ゴドリックの谷にある広い一軒家へと引っ越した。
大好きな祖父母と一緒に居られるので、ジェームズは少し落ち着いているように見えた。
「これで良かったのかな?」
「良かったんじゃない?」
ジニーとハリーがリビングでそんな話をしていると、ふくろう便がやって来た。
『やぁハリー、元気かい?引っ越し祝いに俺達から素晴らしい贈り物をやろう。』
手紙の送り主が、誰なのか二人にはわかった。
“ゴキブリゴソゴソ豆板”が、手紙に同封されていたからだ。
「もう、兄貴達ったら、相変わらず悪戯好きなんだから!」
「我が家の家系には、悪戯好きの遺伝子が濃いんだな・・」
ハリーは、少し遠い目をしながらそんな事を言って溜息を吐いた。
「クリスマスだっていうのに、仕事なんてついていないなぁ。」
「パパ、早くお仕事終わらせて帰って来てね。」
「わかったよ、リリー。じゃぁみんな、行って来る。」
クリスマスの朝、ハリーは家族に見送られながら出勤した。
「ふぅ・・」
デスクワークを終えたハリーが溜息を吐いていると、部下の一人が何処か慌てた様子で闇祓い局へと入って来た。
「局長!」
「どうしたの?」
「ヴォルデモートの残党が、マグルを襲っています!」
「場所は何処、案内して!」
ハリーが部下達と共にロンドンの地下鉄のホームへと向かうと、そこは不気味な程静まり返っていた。
「こんな所に、本当にヴォルデモートの残党が居るのか?」
「さぁ・・」
そんな事をハリー達が話していると、向こうから闇の気配が少しずつ近づいて来た。
「みんな、伏せて!」
“それ”は、徐々に大きな渦となってハリー達に迫って来た。
―ハリー・ポッター・・
地の底から響くような声に、ハリーは聞き覚えがあった。
(まさか、そんな・・)
あの戦争で、ヴォルデモートをはじめとする闇の魔法使いは、ヴォルデモートを含め、いなくなった筈だった。
それなのに・・
「局長?」
「いいや、何でもない。先に進もう。」
あの声は空耳だ―そう思いながらハリー達が奥へと向かうと、そこには血の海が広がっていた。
(一体、ここで何が・・)
ハリーが杖先をトンネルの奥へと向けた時、その中から微かに何かの声がした。
(何?)
声がする方へと向かうと、そこには一人の少年の姿があった。
どうして、こんな所に子供が。
ハリーがそんな事を思っていると、徐に少年は俯いていた顔を上げた。
“やっと見つけた・・”
その少年は、真紅の瞳をしていた。
「トム=リドル・・」
ハリーは、そこで意識を失った。
「ハリー、ハリー!」
「ジニー、僕は・・」
「良かった、意識が戻ったのね!」
ハリーが意識を取り戻したのは、倒れてから数日後の事だった。
聖マンゴのベッドの上で目を覚ましたハリーは、そこでジニーから信じられない事を聞いた。
ハリーの部下達がトンネルの奥へと向かった時、ハリーの周りには誰も居なかったという。
(じゃぁ、僕があの時見た子は?)
「ハリー?」
「ジニー、心配かけてごめん。」
「いいのよ。それよりもハリー、あなた、何かわたしに話したい事があるんでしょう?」
「実は・・」
ハリーがジニーにあの少年の事を話すと、彼女は驚愕の表情を浮かべた後、ハンドバッグからある物を取り出した。
「これ、今朝うちのポストに入っていたの・・」
ジニーに見せられたのは、スリザリンのロケットだった。
「これは、一体誰が・・」
「わからないわ。でもこのロケットって、ヴォルデモートのものでしょう?何だか不気味ね・・」
「ジニー、ロケットは僕が預かっておくよ。」
「ありがとう。」
その日の夜、ハリーは変な夢を見た。
―また会えたな、ハリー。
地下鉄のトンネルの奥で、トム=リドルは紅い瞳を光らせながらハリーを見つめていた。
―どうして、僕がここに居るのかっていう顔をしているね?君に会いたかったからだよ。
トムはそう言って笑うと、ハリーの頬にキスをした。
―また会おう。
「待って!」
目を覚ました時、ハリーの枕元には砕け散ったスリザリンのロケットが転がっていた。
「パパ、お帰り。」
「ただいま。みんな、心配かけてごめんね。」
ハリーが聖マンゴを退院したのは、彼が倒れてから七日後の事だった。
「スリザリンのロケットが、うちのポストに入っていただって!?どうしてそれを早く言わないんだ!」
「言おうとしたけれど、忙しくて言うタイミングを忘れちゃったんだよ、ごめんよ、父さん。」
「スリザリンのロケットねぇ・・一体誰が、何の目的で・・」
「まさか、ヴォルデモートが復活したとか?」
「それはない。」
「分霊箱は破壊された筈・・」
「ロケットを調べたけれど、魂の痕跡はなかった。でも、一部魂の“カケラ”を感じたよ。」
「“カケラ”?」
「残留思念というものかな。よくわからなくて・・」
ハリーがそう言って溜息を吐くと、シリウスがそっと彼の肩を叩いた。
「考えるのは後だ。今は、ゆっくりと休め。」
「うん・・」
ハリー達がそんな話をしていると、二階からアルバスとジェームズが降りて来た。
「父さん、助けて、リリーが!」
ハリー達が二階の部屋に入ると、あの少年がリリーを連れ去ろうとしていた。
「リリーから離れろ、トム!」
“ハリー・・”
少年は、少し寂しそうな笑みをハリーに浮かべた後、屋敷から姿を消した。
「リリー、大丈夫?」
「うん・・」
(トム、君は一体何をしたいんだ?)