町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

開通から30年目を迎えた仙台市営地下鉄南北線

2017年09月06日 | 東北地方の地下鉄・路線バス

本年2017年で、仙台市営地下鉄南北線が開通して早くも30周年の節目を迎えました。南北線は、高度経済成長期以降、急速に宅地開発が進行し交通機関が路線バスだけでは追いつかない状況になっていたことから1981年に建設を開始し、1987年7月15日に八乙女(1987年当時の駅所在地は泉市、1988年に仙台市へ編入され政令指定都市へ移行後は泉区)〜富沢間(同仙台市富沢、現在の太白区)が開通した東北地方初にして唯一の地下鉄路線でした。開通から5年後の1992年には早くも八乙女から泉中央駅まで延伸され、2015年12月6日には新たに2路線目となる東西線も加わり、市内の重要な足として機能しています。

その南北線で開業当初から活躍しているのが、この1000系電車で開業に先駆け1985年に登場しました。開業からATOによるワンマン運転を実施しており、当時の日本の鉄道車両では初採用の技術だったため大変な話題を呼びました。アルミ合金の車体はエンゼルホワイトをベースにライトグリーンとエメラルドグリーンの2色帯を配した爽やかなカラーで、地下鉄の電車にしては極めて珍しく2900mmの広幅車体で設計されている事や、戸袋窓を設け側面窓と共にブラックアウト処理で一体感を持たせ、楕円形のドア窓ガラスを採用するなど大変に珍しい特徴を持っており、また写真でも判別できるように外付けディスクブレーキの台車も地下鉄車両では唯一の存在であるなど、趣味的目線からはかなり興味を惹かれる存在です。

南北線のホームは全て島式(泉中央は除く)で、ワンマン運転を実施する関係上ドアの開閉時には運転士がホームの状況を確認する必要がある為、普通の電車とは逆の右側に運転台を設置しています。

車内設備はオーソドックスなロングシートですが、定員を4両全車で揃える為に先頭車の全長は21.750mmで設計されています。これは在来線向けの電車としては最長の部類で、乗務員室後部にも座席を設置しました。2004年から大規模な更新改造を受けており、手すりや車椅子スペース、車内案内表示器の設置、冷房化改造(登場時は実は非冷房車でした)に伴う通風機撤去、走行機器の換装(電機子チョッパ制御からIGBTによるVVVFインバーターへ)などが実施され2013年に完了しています。

更新に伴い設置されたLEDの車内案内表示器、千鳥配置になっています。この他目に見えない変化として、東西線開通に伴い車内放送が東京メトロで御馴染みの森谷真弓さん(英語放送はクリステル・チアリさん)が担当するようになりました。登場から32年目になりましたが、外観は陳腐化・老朽化を全く感じさせず全編成が更新を終えた現状では、しばらくは安泰と思われますが、今後も長く強烈な個性を放ちながら活躍して欲しいものです。

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