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映画・演劇のレビュー

『水深ゼロメートル』

2024-05-15 11:40:00 | 映画

山下敦弘監督の新作だが、全く乗れなかった。現役高校生が、書いた戯曲の映画化だが、まるでリアリティがない。絵空事にすらなってないから見ていて虚しい。

2019年に開催された第44回四国地区高等学校演劇研究大会で文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞した徳島市立高等学校の同名舞台劇の映画化らしいが、舞台で演じる1時間の高校演劇ならそれなりに面白くなったかもしれないが、現実の高校のプールでこれをやられると、話の嘘くささばかりが目につき、見ていられない。

オリジナル台本も手掛けた中田夢花の脚本は映画の台本ではない。夏休みの高校、水泳の補習に呼ばれたふたりと、インターハイの応援をサボったふたり。そんな4人が水のないプールで過ごす短い時間。彼女たちの心の葛藤は表面的に描かれるだけで、まるで説得力はない。これでは狙ったはずの青春群像劇にもなってない。

キャストがたった6人しか人がでないこともまるで作品の武器にはならないし、それどころか、チープさになる。ダラダラやる気もなく掃除をする姿を見ていたら、イライラしてくるばかりだ。僕が先生なら、こんな生徒には10分で欠点を付けて追い返してやる。いいかげんにしろ、ってね。せめてラストではちゃんと阿波踊りを踊らせるべきだ。


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